京都(日本)――暮らしの知恵と時代背景がつくり上げた住まいのスタンダード、町家

歴史的な建造物が数多く残る「古都京都」の町屋をご紹介。

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平安京の時代から、千年余りもの間、都が置かれた京都。その長い歴史の息吹が残る町には、季節を問わず多くの人が誘われます。

現在では高層ビルも少なからず建っていますが、歴史的な建造物が数多く残り、「古都京都の文化財」として、ユネスコの世界文化遺産に認定されています。

京都の人気観光スポットと言えば…

思い浮かぶのは、修学旅行生も多く訪れる金閣寺、銀閣寺、清水寺あたりでしょうか。

千本鳥居で有名な伏見稲荷神社は、観光の口コミ情報サイトの京都の部で1位になったこともあるそうです。特に外国人には、あの連続する赤い鳥居が「amazing!(驚くほど素晴らしい)」なんだとか。

ところで、ここ数年、有名なスポットでないにもかかわらず、注目されているモノがあるといいます。

それは、京都に残る古い“町家”

戦後、高度成長期に次々と姿を消した京都の町家。平成に入ってバブル期になるとさらに減少に拍車がかかりました。しかし、数が少なくなっていくことで価値が再認識されるようになり、保存活動も盛んに行われるようになっています。

町家が持つ趣や、そこで営まれてきた京の暮らしに惹かれ、町家が残る町並みを訪ね歩く人が増えています。現代の感覚をプラスして町家を住居にする、店舗にするといったケースもあるようです。

西陣の路地に足を踏み入れる

花街である祇園の花見小路や先斗町、清水寺の参道に続く産寧坂など、観光客が多く集まる場所に行けば、道沿いに手入れの行きとどいた町家が建ち並ぶのを目にすることができます。

でも、気取らない町家の暮らしを感じたければ西陣(京都市上京区)あたりへ。細い路地を歩いて見上げれば、向かい合う家の庇に細長く切り取られた青く高い空があります。どこからか聞こえてくるのは機織りの音…。

統一感ある端整なたたずまいには理由が

町家のファザードのデザインや色合いに統一感があり、京都の家並みが落ち着いた姿を見せているのには、理由があります。

江戸時代に入ると、幕府から華美な家作が禁じられ、町衆による規制もされるようになって、町家の外観や町並みの構成に影響を与えました。さらに、江戸中期に度重なって起こった大火で多くの家が焼失。復興を急ぐため、住宅や部材の標準化も進んだようです。こうして、18世紀ころには町家の外観が統一感のあるものになったと言われています。現存する古い町家の多くは江戸末期、1864年の蛤御門の変による戦火に見舞われた以降のものですが、それまでの形式を受け継ぎながら再建されています。


町家の間口はどの家もほぼ同じで狭いという点も、町並みに統一感を生む理由のひとつでしょう。

「うなぎの寝床」と言われるように、京都の町家は間口に対して奥行きが深いのが特徴です。これは昔、間口の幅で税の額が決まったからとか、通りに面した家の軒数を増やすことで町を賑わいのあるものにしたからなどの説があります。

奥行きのある住まいに光と風を運ぶ坪庭

間口が狭く、奥行きのある町家。通りに面した表側には店舗や職人の作業場となる「見世(ミセ)」という空間が置かれ、奥に向かって住居スペースが並んだつくりになっていました。

町家には坪庭が設けられています。「壺中の天(こちゅうのてん)※」とも呼ばれる坪庭は、隣家と壁を接し、建物の長手に窓が付けられない町家に光を採り込みます。また、坪庭には気圧の高低差によって風が生まれ(いわゆる煙突効果)、その風は玄関から奥まで続く「通り庭(ハシリニワ)」と呼ばれる土間を通じて住まい全体に運ばれます。

古くから、「夏を旨とすべし」と言われてきた日本の住まい。夏を快適にする知恵が町家には備わっているのです。

※俗世間とは異なった別天地、別世界のこと。

機能性に配慮した美しい意匠

窓、屋根、建具、格子――。現在の日本の住宅のスタンダードにもつながる、町家に施された意匠。それは美しさのためだけではなく、機能性も考えて生まれたものです。

例えば、格子。採光や通風の機能を持ち、家の中から外の様子はうかがえますが、外の通りからの視線は遮ります。また、職業によって格子の柄も違いました。重い酒樽や米俵を運ぶ際にぶつかっても頑丈な太めの「酒屋格子」「米屋格子」。お茶屋に使われている「茶屋格子」は中が見えにくいつくりになっています。

上の写真は繊維関係の仕事に従事する家に用いられた「糸屋格子」。上部を切り欠いて光を多く採り入れ、糸の色や着物の柄などがよく見えるようになっています。ちなみに、格子の下にある長椅子のようなものは「ばったり床几(しょうぎ)」と呼ばれる商品陳列用の「揚げ店(あげみせ)で、不要なときは脚を折り上げ、壁に付けて仕舞います。

今、町家の魅力を体感してみたい

現在住宅として使われている町家の中には事前予約で見学できるものや、期間限定のイベントなどで公開しているものもあります。

祇園祭で山や鉾を出す町内の家々では、鉾や山が建ち、露店が並ぶ時期(7月14日ぐらいからで、各所で日程は異なる)、ミセの格子を外して家宝の屏風や美術品、調度品などを披露する風習があります。その機会に町家を覗いてみるのもいいかもしれません。また、町家を利用したレストランやカフェ、ショップなども増えていますから、気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょう。

三栄建築設計の町家(設計者のコメント)

東京の狭小敷地での3階建ての家づくりと京都の趣を融合させ、「京」というコンセプトをベースにつくり上げた住宅です。

玄関アプローチをあえて工夫この家は玄関アプローチを、あえて2棟の建物の間の隣棟側に設けています。
南北2面に道路のある敷地条件を活かし、南側にビルトイン車庫、北側に避難経路の掃出しサッシを設けることで、玄関を建物の中心に配置したプランニングになりました。

隣り合って住む家族間の動線が交じり合い、玄関アプローチの路地を中心にした近隣コミュニティが活性化するよう、2棟の間に京都の町並みの特徴である「石塀小路」を再現しました。

併せて外壁の素材や屋根にも京都の町家を連想させる素材を使用しています。

これからの新しい分譲住宅のデザインのあり方として、住宅という器の中の人と人との関係だけでなく、家族と近隣の人との関係性をデザインしていきたいという想いを持っています。

安普請といわれた画一的な分譲住宅にオンリーワンのデザインを企画したいという想いや、分譲多棟現場だからこそできる町並みデザイン、さらには、住宅相互間のコミュニティを促進できる企画を提案していきたいと考えています。


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