モネ展「印象、日の出」から「睡蓮」

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マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展「印象、日の出」から「睡蓮」まで

21年ぶりの東京公開、<<印象、日の出>>。
巨匠モネの素顔が映し出される、プライベートコレクションに魅了される。

日本人に親しみ愛されている、フランスの印象派画家、クロード・モネ。

今回、東京都美術館で開催される『マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展「印象、日の出」から「睡蓮」まで』では、
名画<<印象、日の出>> <<睡蓮>>など、パリのマルモッタン・モネ美術館が所蔵するモネ自身のコレクションが紹介されている。
モネの没後、彼の作品の多くは息子の手に渡り、そのほとんどは売却されただけに、残されたコレクションはモネのプライベートを垣間見させる貴重なものになっている。

この展覧会では約90点が出展。
6つのセクションに分かれ、彼の人生の軌跡に沿って、その全貌を辿ることができる。

21年ぶりの東京公開、<<印象、日の出>>。

Musée Marmottan Monet, Paris © Christian Baraja

「印象派」の原点ともなった「印象、日の出」が東京で公開されるのは、なんと21年ぶり。

赤く輝く太陽と水面に映る幻想的な光が美しい。
輪郭がぼやけた画風は、当時の古典的絵画基準とは異なるものだったため、
多くの人々に衝撃を与え、まさに「印象」を与えた作品なのである。

モネが描く、貴重な肖像画たち

モネは風景画に力を注いでいたため、肖像画はほとんど描いていない。
モネにとって、家族の存在は非常に大きく、この展覧会では数少ない
貴重なミシェルとジャンの息子の肖像画が展示されている。

パイプをふかして新聞を読むモネと、その隣に並ぶのはモネ夫人の肖像画は、
友人ルノワールが描いたもので、モネはこの絵を生涯手放さなかった。

若き日のモネのカリカチュア

モネが描いたとは想像できない、ユニークなカリカチュアが並ぶセクション。
カリカチュアとは風刺画のことで、19世紀大衆向けの新聞や雑誌で発展したものだが、
実をいうとモネの天才性が見え出したのが、このカリカチュアからだった。
当時の著名人の姿を、特徴的に、滑稽に描いたモネのカリカチュアからは、
絵画で人を楽しませることに目覚め、夢中になっている少年のようなモネの姿が垣間見れる。

私の庭は、愛情をかけながらゆっくりと作り上げられる一つの作品

園芸家でもあったモネが描く「睡蓮」。
モネはこの「睡蓮」を描くために、自ら新たにアトリエを建て、池に睡蓮を植えた。
モネにとって睡蓮は向き合わなければいけない主題であり、睡蓮と池や花、葉、光を描写することに没頭していった。
大きなカンバスに描かれた睡蓮の画が並ぶことで、
まるで目の前に睡蓮の池が広がっているかのような錯覚になる。
「クロード・モネの最も素晴らしい作品は、彼の庭である」と言った
トリュフォー(フランスの造園家)の証言にもあるように、モネにとって
庭と絵画は一体化したものだったようだ。

最晩年のモネ

モネは享年86歳という長寿だったため、世間に認められる姿を見ることができた。
しかしながら、愛する親しい人々の死を次々と見送ることになり、
愛妻アリスを亡くした時は、悲嘆のあまり、2年間も絵が描けなったという。
晩年描いた「しだれ柳」のモチーフは、モネの苦しみが反映されているようだ。
画面いっぱいに絵の具を塗りこめ、筆触も荒く、今までの淡さや、輪郭が曖昧な画風とは違うように見える。

モネのパレット

パレット自体が、まるでモネの作品である。
パレットに残された色彩は、まさにモネの色であり、それだけで美しい。

俳優の田辺誠一さんが描く、愛らしいモネ

20歳の頃から絵を描き始めたという、俳優の田辺誠一さんが、
今回のモネ展のオフィシャルサポーターに就任され、モネの肖像画を披露しました。
絵を描く愛らしいモネ。
親しみやすく、モネ展を違う角度から楽しめそうだ。

モネグッズが素敵すぎる!!

モネ展のグッズコーナーには、モネの睡蓮をモチーフにしたネックレスや
「印象、日の出」のスカーフなど、思わず買いたくなってしまうモネグッズが取り揃っている。
マスキングテープは種類も多く、いくつも揃えて楽しめそうだ。

モネが最後まで手放さなかった作品やモネ自身が購入して大切にしていた
プライベートコレクションの数々が並ぶ、今回のモネ展。

モネが晩年過ごしたジヴェルニーで描かれた「睡蓮」の画や
モネの住居のすぐ近くに架けられていた太鼓橋の遺作「日本の橋」は、
同じ風景を様々な感性で描き分けた連作が、上野東京美術館に集まっている。
この秋、「モネ展」で、モネの生涯とその美しい世界観を味わってほしい。


【情報】
マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展「印象、日の出」から「睡蓮」まで
会場:東京都美術館
会期:9月19日(土)~12月13日(日)
   ※休室日:月曜日、10/13[火]、11/24[火] ただし、9/21、10/12、11/2・23は開室
開室時間:9:30~17:30 (金曜日、10/31-11/2は20:00まで)
     ただし、《印象、日の出》展示期間[9/19-10/18]の金・土 並びに9/20-22、10/11は21:00まで。
     ※入室は閉室の30分前まで
料金(税込):一般 ¥1,400(当日¥1,600)
学生 ¥1,100(当日¥1,300)
高校生 ¥600(当日¥800)
65歳以上¥800(当日¥1,000)


文 / 大内 佳陽   写真 / 新 麻記子

Writer

大内 佳陽 - Kayo Ouchi -
国立音楽大学 声楽科卒業
セールスコピーライター 
思い出の地:ドイツのオットーブルン。
好きな作曲家はラフマニノフ、メンデルスゾーン。
オペラは、プッチーニのTOSCA。
愛する作家は下村湖人、トルストイ。
愛読書:パールバック「大地」、シャーロット・ブロンテ「ジェイン・エア」
好きな画家:ルノワール
クラシック音楽、絵画、古典文学の世界で生きて来た。
ライターとして、文章で商品に価値を与える仕事をしているが、
原点は芸術だ。最後まで、芸術家として生きていく。
好きなコピー:晴れを信じて、なるべく傘は持たないこと。

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イラストレーターの両親のもと、幼いころからアートに触れ、強い関心を持って育つ。世界36カ国の美術館やアートスポット、アートイベントに足を運ぶ。新卒採用にて広告代…

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