6年も保存できる食品!?〔ユニーク総合防災〕に聞く災害への備え、防災用品

地震、台風、集中豪雨……日本は、「災害列島」と呼ばれるほど、自然災害の多い国。例えば、地震だけで見れば、内閣府の防災白書では世界中の面積のわずか0.28%しか国土面積がないのに、マグニチュード6.0以上の地震回数約20%が日本で生じているとのこと。

また、2018年夏には、西日本の各地で記録的な大雨が続き、ライフラインが絶たれたり、町が孤立したりした「平成30年7月豪雨」もありました。このような自然災害にいつ見舞われないとも限りません。ライフラインが数日間立たれることを想定して、どのような備蓄をしておくべきでしょうか。防災用品や防災備蓄食品の企画・販売を手がける〔ユニーク総合防災〕へお邪魔してきました。

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なぜ「6年保存」にこだわるのか

Photo by 渡辺まりか

〔ユニーク総合防災〕が手がける防災備蓄食品や水の保存期間は6年以上。3年や5年という製品が多く出回る中で、6年というのは驚きの長さです。

ユニーク総合防災 代表取締役会長の池上一彦さんは、「6年あれば、小学校に入学した子どもが卒業できるし、中学校に入った人も高校を卒業する。つまり、小学校入学時に子どもひとりひとりにセットを配布すれば、何事もなければ取っておいたその備蓄食品を卒業時に食べられる、というわけです」と説明してくれました。

Photo by 渡辺まりか
ユニーク総合防災 代表取締役会長の池上一彦さん

一昔前であれば、防災用備蓄食品といえば、缶に入った乾パンと糖分を補給するための氷砂糖、そして水といった、いわば味気ないものばかりでしたが、バランスの取れた栄養を手軽に摂れるようなものも増え、乾パンから味わいのあるバー状の焼き菓子も入ってくるように。

でも、〔ユニーク総合防災〕が手がける防災備蓄食品は、そのさらに上。《だしがゆ》や《だしがゆ リゾット風》など、より普段の食事に近いものになっています。水分を含んだものを6年以上も保存できるのか気になりますよね?

池上さんによれば、「食品を劣化させるのは酸素です。パウチする際に、高温高圧でレトルト加工して無菌状態にすること、パウチの中は真空状態にすること、酸素を通さない進化した包材を採用することで、長期保存ができるようになってきたんです」と言います。

12年も保存できる水《DSW PREMIUM 12 YEARS》を見せてもらいましたが、普通ならペットボトルを逆さまにすると空気の泡がキャップ辺りから底に向かって「コポコポ」と上がっていくところですが、何の変化もなし。空気が全く入らないような充填方法を取っているんだ、ということがわかります。

Photo by 渡辺まりか

この《DSW PREMIUM 12 YEARS》は「海洋深層水」。つまり、採水地自体が無菌状態なんですよね。無菌状態のところにある水を、空気の入らない方法で充填していることから、12年間も内部で菌が発生したり、変質したりすることなくクリーンな状態を保て、いざというときに飲料水として活用できる、というわけなんです。

「『長期保存できますよ』と言いたくても、いざ開けてみたら食べられるものではなかった、ということがあるかもしれない。長期保存食を作るということはそれだけリスクを負う仕事なんです。それでもうちで出せるのは、自信があるから。いざというときにお役に立てますよ、と胸を張って言えます」(池上さん)

そもそもなぜそこまでのリスクを冒して6年あるいは12年保存にこだわるのでしょうか。

それには環境問題がある、と池上さんは言います。保存サイクルが短いと、そのぶん廃棄される食品も増えます。製造・配送・廃棄・回収・焼却――どの部分にもコストがかかりますし、資源も使われますよね。サイクルが短ければ短いだけ、コストや環境への負荷が高まる、というわけです。

例えば、「5年保存と12年保存の2Lの水では、12年保存できるもののほうが34%のコスト削減になります」と池上さんは言います。輸送コストも考慮すると、幅はもっと広がりそうです。

Photo by 渡辺まりか

災害が起きたら何をする? 具体的なストーリーを考えておこう

ところで、みなさんは災害が起きたときのために、どんな準備をしたらよいと思いますか? 池上さんは、「ストーリーを考えておくこと」を勧めてくれました。

まず、いつもと違うことが起きると、パニック状態になってしまいますよね。緊張するため、口の中も乾いてしまいます。そこで、気持ちを落ち着かせ、リラックスし、唾液で口の中を湿らせることができるよう、クエン酸入りのキャンディーを用意しておきます。

一息ついたら、行動開始。カロリーと栄養をしっかり補給するため、バータイプのバランス栄養食を口にしましょう。

Photo by 渡辺まりか

避難所などで落ち着いたら、通常の食事に近い形のものを食べることで、日常と異常事態の隔たりをできるだけ埋めるようにします。できれば温かい食べ物が望ましいのですが、贅沢は言っていられないので、常温でもほっとできる味わいのお粥やリゾットなどを食べられるように準備しておきます。

Photo by 渡辺まりか

〔ユニーク総合防災〕では、これらを実現するため、《パワーフルーツキャンディ 6YEARS》、《スーパーバランス 6YEARS》《にんべん【かつお節入り】だしがゆ 鮪・こんぶ・あずき・鶏・鮭》《にんべん【かつお節入り】だしがゆ~リゾット風~トマト味・カレー味》《にんべん【かつお節入り】だしがゆ三種セット》を販売。すべて6年の保存が可能です。

Photo by 渡辺まりか

でも、ここで終わりではないのが〔ユニーク総合防災〕のすごいところ。

「ちょっと水を入れてもらっていいですか?」と商品企画 マーケティングの山形まどかさん。何やら白い小さな袋に、固くて四角い白いものが入っています。点線まで水を注ぐ、とのことで、その場にあった《DEEP SEA WATER 332 6YEARS》を注ぎ込みます。

Photo by 渡辺まりか

すると、さっきまで硬かった白いものがたちどころに柔らかくなりました。

Photo by 渡辺まりか

驚いていると「これは《もち六年(抹茶&あんこ)》という商品なんですよ。食事だけでは気持ちが落ち着かないとき、デザートとして食べられます」と説明してくれました。

Photo by 渡辺まりか

「同じようなコンセプトの保存食がありますが、ほとんどのものが、袋から出して、トレーに移し替える必要があります」と山形さん。「でも、ホコリまみれの避難所で、蓋のないトレーに載せたものを食べたいと思いませんよね。そのため、味だけではなく、入れ物の形状にもこだわったんです」。

《もち六年(抹茶&あんこ)》は甘味で気持ちを落ち着けるだけでなく、あてがわれたものを開封して食べるという動作だけでなく、“作る”という作業を入れることで、より日常生活に近くなるため、精神的な安定にも寄与するとのこと。

《もち六年(抹茶&あんこ)》の精神的安定効果は、甘味だけではありません。“作る”という作業を食べる前に取り入れることで、より日常生活に近くなり、災害にあっていること、避難所で生活していること、を忘れる助けになるのです。

確かに、あてがわれたものを開封して食べるだけでは味気ありませんよね。

開発したのは、先ほどの山形さん。「いかに普段どおりの生活に近づけるか、食べて前向きな気持になれるかを目標に開発しています」とのこと。非常食とはいえ、栄養やカロリーだけに気を取られてはいけないんだ、ということに気付かされました。

3日分ではなく、各自1週間分を用意しよう

最後に、池上さんに各自でできる災害への備えについて教えてもらいました。

「『3日分を各家庭で用意しておく』ことで大丈夫だと考えている人が多いようですが、大規模災害でインフラが止まってしまうことも予測して、1週間分の備蓄が望ましいでしょう。食料はできるだけコンパクトで栄養価やカロリーのあるものを準備。余裕があれば、《もち六年(抹茶&あんこ)》のようなものも加えてください。

飲料水は1人1日3リットルといわれています。そうすると、アルファ米などを戻すための水がもったいなくなる。お粥やリゾットだと、その必要もないので、多少重くなりますが、あれば重宝するでしょう。熱源がなくてもおいしく食べられますしね。

缶など、簡単には潰せないものに入っているものは避けたほうが無難。そこで出たゴミを収集することができませんから、小さく折りたたんで捨てられる、できるだけゴミの出ないものを選ぶこともポイントです」

山形さんも「災害時には、パニックになりがちなので、そうならないためにも防災食品をときどき生活に取り入れて、慣れておく、という方法も有効です」とアドバイス。「日常生活との垣根をできるだけ取り除いてあげると、精神的な余裕も出てきますから」と教えてくれました。

Photo by 渡辺まりか

また、アレルギー体質の家族がいる場合は、防災用備蓄食品にアレルゲンが入っていないかどうかもチェックしましょう。その点、〔ユニーク総合防災〕の《にんべん【かつお節入り】だしがゆ》の《鮪》《こんぶ》《あずき》であれば、食物アレルギー特定原材料等27品目不使用で安心です。前述の《もち六年(抹茶&あんこ)》なども同様。「健康に不安を抱えている人たちに寄り添う商品を、これからも開発していきたい」と池上さんは意気込みを語ります。

Photo by 渡辺まりか
Photo by 渡辺まりか

ゴミが少なくて済む、コストを抑えられる、環境にも優しい、という理由から備蓄用として〔ユニーク総合防災〕では、6年保存食を推奨していますが、「賞味期限が短いものでも、そのスパンで消費して入れ替えるようにすればいいですよ」とのこと。レトルト食品を普段の食卓に取り入れて、家族で防災について話し合うのもいいかもしれません。

地震、台風、大雨など自然災害は待ったなし。いつ襲われても慌てることがないように、非常用持ち出し袋だけでもしっかり備えておきたいですね。


●写真・文/渡辺まりか

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