まずはおさえておきたい【あんず】の種類と選び方・食べ方
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まずはおさえておきたい【あんず】の種類と選び方・食べ方
ドライフルーツやジャムではおなじみだが、生の「杏(あんず)」を食べたことがある人は、実は少ないかもしれない。旬の時期が一瞬なので、つい見逃してしまいがちだし、傷むのが早いため、なかなか出回らないのが現状だ。生食できるあんずの種類や、美味しい食べ方を紹介するので、参考に。フレッシュな生あんずをぜひ1度味わってほしい。
1. あんずの種類
あんずのふるさとは中国北部の山岳地帯といわれ、紀元前2世紀~3世紀には栽培が始まっていたそうだ。中国では、桃、李(すもも)、棗(なつめ)、栗と合わせて五果と呼ばれて珍重され、種の中にある杏仁を収穫し、漢方薬として利用していた。ここからあんずの旅は、2つのルートに分かれていく。1つは、中央アジアからイラン、トルコを経て、地中海気候になじんだヨーロッパ系の品種に。そしてもう1つは、中国北部から東アジアに根付いたアジア系の品種となった。
アジア系の品種が日本に渡来したのは平安時代のことで、当時は「唐桃(からもも)」と呼ばれ、咳の薬として種を採るために栽培されていた。実を食べるようになったのは、明治時代になってから。ヨーロッパ系の甘くて酸味の少ない品種が導入されたことから、大正時代に本格的な国内生産が始まったといわれている。
現在、日本で栽培されているあんずは多種あるが、加工向け、生食向け、加工・生食両用のものがある。生で食べられる品種をここでチェックしておこう。
2. あんずの旬と特産地
あんずの特産地としてあげられるのは長野県、続いて青森県だ。長野県千曲市には日本一の規模を誇るあんずの里があり、満開シーズンの美しさは江戸時代から名を馳せていたという。開花時期は例年3月末~4月上旬。展望台からは、「一目十万本」と称される淡いピンクの花風景を見渡せる。
一大産地の千曲市のあんずの出荷時期は、6月下旬「平和」~7月上旬「信山丸」「信州大実」「ハーコット」~7月中旬「信月」の順番で入れ替わり登場する。しかしあんずの実の食べ頃はわずか2日~3日。熟していないと収穫できず、熟す速度が早いあんずは、非常に傷みやすいフルーツ。ゆえに、都心のスーパーなどではなかなか見かけず、レアな果物になってしまうのだ。初夏、あんずがなる旬の時期に産地を訪れる機会があれば、ぜひ生のあんずを手に入れてみたい。
3. あんずの選び方&美味しい食べ方
ふっくら丸くて皮に張りと艶があり、きゅっと締まっているものが良品。傷や変色があるものは避けよう。皮全体がきれいな橙色に色づき、果実が柔らかく、甘酸っぱい芳香がしていれば食べ頃。このタイミングを逃すことなく早めにいただこう。色が青っぽく硬いものは、まだまだ酸っぱい。状態を見ながら1日~2日常温でおいておき、色が橙色になるまでしばし待とう。
生のあんずを入手できたら、あんずジャムやシロップ漬け、そしてあんず酒を作ってみるのもおすすめだ。あんず酒は、ホワイトリカー以外にブランデーに漬けても美味。また、生で食べた後の種をとっておき、種の中の仁(杏仁豆腐にも使われる)を取り出し、一緒に漬けると香りが一層よくなるそうだ。
結論
一瞬にして過ぎ去ってしまうあんずの旬。もしも、コロンと可愛い生の果実に出会えたら、千載一遇のチャンス!そのままガブリとかじって、甘酸っぱくてジューシーな味を堪能してみよう。
投稿者:
オリーブオイルをひとまわし編集部
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