【専門家監修】浴室リフォームを考えている方は必見!費用や注意点、補助金のまとめ

リフォームを考える場所として多いのが、使用頻度の高い水回り。そのなかでも浴室は、家族が毎日のように出入りする場所です。その分、痛みも目についてしまいます。浴室リフォームを考えている方へ、かかる費用の相場や注意点、補助金などについて解説します。

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浴室リフォームの種類とは?

在来工法

浴室に限りませんが、リフォームを行う際には、居住している建物の構造を知ることが重要です。

新築と違って古い建物の構造部分を触ることになるリフォームの場合、梁(はり)を勝手に取り外したり、柱を何も考えずに取ったりはできないからです。
 
鉄骨造や2×4工法の家に住んでいて、その浴室をリフォームするケースもありますが、現状では、在来木造住宅の浴室リフォームが圧倒的多数を占めています。

そのため、ここでは「在来工法とは何か」という点から話を進めていきましょう。

在来工法、在来軸組み工法など、呼称はいろいろあるのですが、簡単にまとめると、日本古来の伝統工法の延長線上にあるもと考えてもらえれば問題ありません。

街中を散歩していると、たまに新築の工事現場を見かけることがあります。下の写真をご覧いただきたいのですが、このように木の柱が立ち並び、その間を斜めに渡された筋交いと呼ばれる木材が配置されています。

これが在来工法と呼ばれるものですが、在来工法には様々な特徴があります。

①リフォームがしやすい

2×4工法、軽量鉄骨構造、パネル工法、ユニット工法など、いろいろな工法があります。
 
その中で、2×4工法で建てた住宅を20年後にリフォームしようとすると、かなりの制限がかかります。それは、在来工法と違ってパネルで建物を構成しているので、そこに穴をあけたりすると強度低下の問題があり、難しいからです。

②継ぎ手や仕口に金物を使う

仕口(しくち)などは、一般では使わない専門用語ですが、木材と木材をつなげる部分に金物を使って補強するという意味です。
 
在来木造の場合は、木材の接合部分に金具が取り付けられています。
 
羽子板ボルト、ホールダウン金物などが使われていますが、これらの金物は、構造を強くするための補強です。この金具のおかげで、大きな地震が来ても耐えられるようになっているのです。

③間取りの自由性が高い

在来工法以外のハウスメーカーなどもアピールしてはいますが、やはり在来工法の自由性が高いことには異論がないところです。
 
このメリットから考えると、複雑で凝った間取りの住宅を新築したい方は、在来工法を選択するべきです。また、将来的なリフォームまで頭に描いている場合も、新築時には在来工法を選ぶことをお勧めします。

ユニットバスへの浴室リフォーム

よほど凝った高額注文住宅や、お風呂だけは檜風呂にしたいというケースでなければ、現在ではユニットバスが新築住宅の大半で採用されています。味気ないという意見も稀に聞きますが、機能性やお手入れの楽さを考えると、今後もどんどんと採用比率は上がっていくでしょう。

防水性の高い素材で天井、浴槽、床などを作成し、それを現場で組み立てるもので、それまでのように現場でタイルを貼り付けるなどの作業がまったく不要になりました。

施主には関係ない話ですが、工事業者にとっては施工時間が格段に速くなり、大きなメリットをもたらしたと言えるでしょう。

しかし、居住者にとっても大きなメリットをもたらしたのがユニットバス。昔ながらのスタイルで、壁をタイルで仕上げたお風呂はどうしても経年劣化の問題が発生しますが、ユニットバスはその心配が大幅に減少しました。

タイルとタイルの間は、コーキングと呼ばれる充填剤で埋めることになるのですが、この部分は時間が経つとどうしてもひび割れなどが発生します。外観上の問題だけならばまだ目を瞑れますが、その隙間から水分が中へと染み込んでいくことになります。

こうなると建物本体への影響が懸念されます。その点でユニットバスは、このような懸念や危険性がほぼないと言えます。現場工事の簡略化と問題発生リスクの激減が、ユニットバスを爆発的に普及させたのです。

最後にユニットバスの歴史について触れておきましょう。
 
1964年開催の東京オリンピックを目指し、当時の東京は高速道路などのインフラ整備を急ピッチで行っていました。外国人の宿泊施設確保も急務だったわけですが、ホテルニューオータニの新築工事もその一環。

ところが、従来の方式で風呂を作っていては工期に間に合わない状況だったのです。そこで開発されたのがユニットバス。突貫工事の甲斐もあり、無事に間に合いました。これがユニットバスの始まりで、ここから遅れること3年後に外国でユニットバスが開発され、今に至っています。

【50万円以下】でできる浴室リフォーム事例

もっとも安価な浴室リフォームは、シャワーヘッドやカランの交換でしょう。総額も5万円以内で間違いなく大丈夫です。簡単な工事ですが、多機能なシャワーヘッドに取り換えるだけでも快適さは全く違います。
 
予算を少し上げて15万円程度になると浴室暖房機を付けられます。最近では、新築の家だけではなく、賃貸マンションでもごく一般的についている仕様です。
 
また、浴室の全面リフォームは厳しいのですが、在来工法で作った風呂の浴槽だけを交換するのであれば、50万円の予算で可能です。商品選択の幅は狭くなりますが、本体価格や下地の補強などを入れても間に合うでしょう。

【50万円~100万円】でできる浴室リフォーム事例

予算をここまで取れれば、可能なリフォーム工事も増えてきます。
 
古いユニットバスを新しいものに交換することが可能です。豪華なユニットバスや1.25坪タイプを超えるような商品の選択は難しいですが、ごく一般的な商品を選べば、工事費を含んでもいろいろな選択が可能となります。

【100万円~150万円】でできる浴室リフォーム事例

古いユニットバスを広くて多機能な商品に代える浴室リフォームの場合が、このゾーンに該当します。カタログ等を見るとわかりますが、ユニットバス単体で100万円を超えるものもたくさんあります。
 
もう一つは、在来工法の家で昔ながらのお風呂を交換するケース。古くてもユニットバスからの交換であれば工事も比較的簡単ですが、在来工法のお風呂をユニットバスに交換するリフォームでは、解体工事が発生します。
 
解体工事をすれば発生するゴミは産業廃棄物になり、合法処分しなくてはいけませんし、ユニットバスを支えるための工事も必要です。

浴室リフォームにおける注意点

「年を取った両親へのプレゼントとして浴室リフォームをしました」というケースをよく耳にするのですが、工事業者とよく相談をしないと大失敗することもあるので要注意です。
 
とくにユニットバスに関しては幅、高さ、奥行きなどのサイズが決まっています。

現状の家のサイズをしっかりと計測したうえで進めなければ、ユニットバスは現場に収まったものの、脱衣洗面所からお風呂に入るときに想定以上の段差ができてしまい、またがないと洗い場に入れない……ということも考えられます。
 
高齢の両親へのプレゼントのつもりが、バリアフリーに逆行するようなお風呂を押し付けることにもなりかねません。
 
また、当初は150万円と見積もられた工事が、いざ解体すると「土台が思った以上に腐っているので30万円ほど追加工事代金が必要です」となり、トラブルになる可能性もあります。

浴室リフォームの補助金、バリアフリーについて

水回りのリフォームは安くはありません。これは仕方がないのですが、お風呂のリフォームに関しては意外な補助金があるので細かく調べたほうが賢明です。
 
国は中古住宅市場の充実を推進しています。すなわちリフォームに関する補助金も充実しているのですが、お風呂に関してもいろいろな補助金が存在します。
 
例えば、高断熱浴槽。わかりやすく言うと“魔法瓶浴槽”となるのですが、お湯を入れてから4時間経過しても温度が2.5度しか下がらない性能を持った浴槽に代えると、24,000円の補助金が出ます。さらには、高効率給湯器に交換すると、こちらも同じく24,000円の補助金がでます。
 
また、防水性のあるユニットバスを入れると30,000円。脱衣室の耐水性仕上げには8,000円。さらには、床下点検口を設置すると3,000円の補助金がでます。

では、バリアフリーを絡めたお風呂リフォームの補助金はどうなっているのか見ていきましょう。

お風呂におけるバリアフリーリフォームは、「段差の解消」と「手すりの設置」の2点になります。いずれもかかった工事費の90%まで(上限20万円)が補助金として交付されます。

一般的な浴室リフォームに必要な期間

浴室リフォームにかかる日数ですが、浴槽の交換だけならば、1日で終わるケースが大半でしょう。

ユニットバスからユニットバスへの交換ならば、4日程度あればまず大丈夫。問題は解体工事を必要とするお風呂リフォームですが、7日程度は見ておいた方が無難です。

浴室リフォームで快適なお風呂空間を

浴室のリフォームは、工事期間中に外風呂にせざるを得ないこともあり、どうしても億劫になりがちです。

とはいえ充実した補助金もありますし、最長でも1週間ほど我慢するだけでその後はずっと快適になるのです。
 
浴室は日本人にとってとても重要な空間。あなたもこれを機に浴室リフォームを検討してはいかがでしょうか。

このアイデアの監修者

森住宅コンサルタント株式会社 代表取締役 森雅樹

名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。
退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住
宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサ
ルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行
っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。

森住宅コンサルタント(株)
http://mori-consultant.com/

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