世界中にこんなにもある!?魚醤としょう油の違い

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世界中にこんなにもある!?魚醤としょう油の違い

「魚醤」を日常的に使う人はどれほどいるだろうか?たくさんある調味料の中でも、家庭に常備されていることが少ない調味料だ。独特の旨みでクセになる魚醤だが、あの匂いが苦手という人もいるだろう。その特徴を知り、旨味を科学的に考えると、新たな魅力が見えてくる。

1. 魚醤としょう油の違い

何かの食材を塩漬けしたものを「醤(ひしお)」と呼ぶ。肉なら肉醤、魚が魚醤、野菜は草醤、そして穀類が穀醤だ。魚醤としょう油の違いはここにある。

魚醤の旨みは動物性

日本で最もメジャーな液体調味料といえばしょう油だ。大豆や大麦などの穀醤の一種で、旨みの正体は植物性たんぱく質である。
シャープでクセのない味わいだが、まろやかさやコクが足りない。これに対し魚醤は、動物性たんぱく質がメインのため、甘みや雑味のある豊かな風味はあるものの、いまいちシャープさに欠けるという違いがある。

どうやって作られるのか

生きた固形の魚が液体の魚醤にどうやって変化するのだろう。生き物は死ぬと内臓の酵素や微生物が内側から分解をおこし、自己消化していく。魚を塩漬けにすれば、自己消化は進むが腐敗はせず「熟成」がおこる。旨みや栄養素が増えるのだ。適度に熟成され柔らかく発酵したものが、いわゆる塩辛である。そこからさらに発酵が進むと、液体になって魚醤の完成だ。世界中にその土地ならではの魚醤が存在する。

2. 魚醤の特徴

わたしたちが普段使うのはクセのないしょう油なので、いきなり魚醤を使うのは難しいかもしれない。まずはその特徴を知っておこう。

味付けと香りの差

しょう油は「アミノ酸」が多く含まれている。対する魚醤は「ペプチド」が多い。アミノ酸は味をつける働きが強いので、実はしょう油だけではしょっぱさが際立ってしまうことがある。魚醤のペプチドは「マスキング作用」といって、逆に味を消す働きが強い。魚醤そのものがしょっぱく独特の魚臭さがあるのは確かだが、カドの立ったしょっぱさや他の食材の生臭さを消し、味を均一にする効果がある。

保水力が高い

ペプチドには保水力が高いという特徴もある。味がシャープなしょう油は余分な水分が抜けて食材も引き締まる効果があるが、逆にジューシーに仕上げたいなら魚醤の保水効果を活かそう。肉や魚の旨みを抱え込むので、下味付けで使うと焼き縮みを防ぐ働きが期待できる。

3. どんな種類があるの?

それでは、世界中に存在する魚醤でも有名どころをご紹介しよう。

ヨーロッパにもアジアにも

イタリアではチェターラという町に「コラトゥーラ」という魚醤があり、アンチョビソースの原型として知られている。カタクチイワシとシチリア島の塩を使い、臭みがないあっさりした味だ。東南アジアには独特のクセが強いタイプが多く、ベトナムの「ニョクマム」やタイの「ナンプラー」が有名だ。両社ともカタクチイワシが原料だが、ナンプラーは上澄みだけを追熟させ、やや塩辛いのが特徴である。

日本三大魚醤

世界的にカタクチイワシが多いのに対し、日本は郷土色豊かだ。日本三大魚醤を比べてみると、秋田の「しょっつる」はハタハタ、
石川県能登の「いしる」はイカの内臓、そして香川の「イカナゴ醤油」はイカナゴが原料である。

新タイプの魚醤

独特の臭気は魚の自己消化の過程で発生する。近年では最新技術を使って、麹の力で人工的に早期発酵させた魚醤も人気のようだ。
これにより魚醤の魚臭さを抑えるとともに、今まで使われていなかった鮭などでも魚醤が作れるようになっている。

結論

味の旨みを持たせるために、植物性と動物性の合体は大変有効である。いつものしょう油に隠し味として魚醤を混ぜてみるのがおすすめだ。魚醤は熱を加えると香りが立つので、好きな人は炒め物で利用しよう。焼肉の下味つけやハンバーグに使うと、保水力が働いてふっくら仕上がるので試してみてほしい。

投稿者:

オリーブオイルをひとまわし編集部

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