【LIMIA歳時記】11月は「霜月」。冬の到来です

11月は陰暦で「霜月」。文字通り、霜が降る月という意味であるとする説が有力です。もう霜? と驚かれるでしょうが、実は陰暦の霜月は新暦では11月下旬から1月上旬頃に当たるので、そう考えると納得ですね。「LIMIA歳時記」では、季語と、それにまつわるストーリーを月に1回ご紹介しています。

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猫の目に見えた小春日和

今回ご紹介する季語は「小春(こはる)」。

「小春」とは陰暦十月の別名です。陰暦十月は、今の暦でいうと十一月半ば過ぎから十二月初め。この頃は天気が安定して暖かい気候が続きますが、そんな穏やかな日和のことを「小春日和」というのはみなさんもきっとよくご存知ですね。

これから本格的な寒さに向かう中で、ほんの短い間訪れる暖かく穏やかな日々。そんなひとときを、まるで春のようだ、というのでこの名前がつけられたのでしょう。昔の人の洒落たセンスに感心してしまいます。

「小春」の言葉としての歴史は、十四世紀にさかのぼります。吉田兼好の書いた有名な随筆『徒然草』に「十月は小春の天気」という記述があり、その頃から使われ始めたのではないか、といわれています。

初冬の短い暖かさをあらわす言葉は、日本だけのものではありません。北米では「インディアン・サマー」と呼び、中央や北欧では「老婦人の夏」といいます。この時期にひととき、あたたかくなるという現象に、世界各国で様々な名前がつけられているのはとてもおもしろいですよね。

国や土地柄が違っても、昔の人の感性は、どこかで通じ合っていたのかもしれません。

【今月の一句】
猫の眼に海の色ある小春かな 久保より江

●文 如月サラ(きさらぎさら)
エディター、俳人。(株)マガジンハウスで『anan』『Hanako』などの編集者を経て独立。現在、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程にて女性のエンパワーメントについて研究中。

●イラスト アネタイヨシコ

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