農園家に聞く!初めてでも失敗しない「ベランダ家庭菜園」のコツ

食への関心が高まる現代。ここ数年、ベランダで家庭菜園を行う人が増えていますよね。せっかく作るなら、初めてでも失敗したくない! そんな願いを叶えるため、栽培期間中、安心安全な無農薬野菜にこだわる農園家の小池さんに省スペースでも育てられるベランダ菜園のコツを教えてもらいました!

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みんなが幸せになれる「食」と「農」を目指す『Koike lab.』

――普段の活動について教えてください。

小池菜摘さん(以下、小池さん):岐阜県中津川市の坂本地区で夫婦で農業を営みながら、写真家としても活動しています。どちらも、命の輝きが大切だと思っていて「野菜を作る」だけでなく「写真を撮る」ことで、農業の楽しさを伝えたいと思い『Koike lab.』を立ち上げました。

――中津川というのは農業に適した場所なんですか?

小池さん:坂本地区全体が赤土の土壌。ここで栽培されたものは、香りが強く風味豊かな野菜が育ちます。昔から、芋や落花生、にんにくなど、土の下で育つ野菜がおいしいと言われているんですよ。

――農業を行うにあたり、気を付けていることは何ですか。

小池さん:一般的にスーパーで買える野菜は、主として収穫量を安定させるために農薬や化学肥料を使って栽培していることが多いです。私たちは安心安全でおいしい野菜を安定してつくりたい。農薬や化学肥料は使わないに越したことはないけれど「すこしだけ手伝ってもらう」くらいの感覚。いわゆる超減農薬・化学肥料で野菜を作っています。その中でもにんにく、たまねぎ、じゃがいもは、栽培期間中無農薬になるように栽培。みんなが幸せになれる「食」と「農」を目指しています。

――そんな小池さんご夫婦が心を込めて作ったお野菜は、どこで購入できるのでしょうか。

小池さん:恵那山麓の岐阜県岩村町にある〔おへそストアー〕にて、にんにくなど根菜類を常設販売しています。旬の野菜については、ホームページでも直接ご注文いただけます。

ベランダ菜園でおすすめの野菜は?

――それでは、ここから「食」と「農」を大切にしている小池さんに、家庭菜園について教えてもらいましょう。マンションのベランダなどでできるベランダ菜園では、どういった野菜がおすすめですか。

小池さん:今回は、初心者でも育てやすい、おすすめの野菜を4つご紹介しますね。一番簡単なのは、ベビーリーフです。この野菜は、種が安くてたくさん入っているし超簡単! 無駄がなくて経済的だから、主婦にもぴったりです。

――どうやって育てるんですか。

小池さん:育て方は、プランターに土を敷き、種を巻いたら、後は表面が乾かないようにお水を1日1回やるだけ。野菜って、種を巻いてから食べられるまでが長いんです。だから、途中で飽きたり、食べ頃を逃してしまったり……。その点、ベビーリーフは、種を巻いてから3日~1週間ほどから食べられます。お好みのサイズになったら適宜収穫しましょう。毎日少しずつ目に見えて大きくなるので、毎日楽しいですよ。

――ベビーリーフは、サラダにしたり、お皿のはしっこに添えるだけでもかわいいですよね。これはチャレンジしてみたいです!

小池さん:次におすすめなのが、小松菜や水菜。この2つは、種自体が発芽する力が強く、多少水やりをさぼっても、芽がちゃんと出てくれます。種が安いので惜しみなく蒔けるのもいいですね。

――簡単に育てられて大きくなるんですね。それは楽しそう!

小池さん:小松菜や水菜は、発芽率が良くて生命力が強いから、肥料がなくてもすくすく育ちます。ほったらかしが効く野菜と言えますね。

――味も大きく変わるのでしょうか。

小池さん:例えば、スーパーなどで新鮮な水菜を手に入れるのは難しいけれど、ベランダ菜園で作れば、驚くほどみずみずしい水菜が食べられます。採れたての水菜は、レタスに負けないくらいシャキシャキ。特に茎の水分が多くて、噛むとジュワジュワ水分が出てくるくらい! 感動のおいしさですよ。

――3つめの野菜を教えていただけますか。

小池さん:見た目のかわいさとインスタ映えでおすすめなのが、ラディッシュです。とにかく家庭菜園で大切なのは発芽率。ラディシュは種が大きいので発芽率がよく、目に見えて毎日成長するので、お水をあげにのぞくのが楽しみになります。

――ラディッシュって難しそうなイメージでしたが、意外と育てやすいんですね。

小池さん:「はつか大根」と呼ばれるくらいなので、成長が早くて通常20日位で食べられます。食べごろになると、自分で「今、食べごろだよ!」と言わんばかりにひょっこり顔を出すんですよ。それに、かぶ菜と同じように葉っぱも丸ごと食べられます。

――それはすごい。新鮮な状態だからこそ! ですね。それでは、最後のひとつを教えていただけますか。

小池さん:最後にご紹介するのは、ほったらかしが許される系、ただし種を巻いてから食べられるまで2年かかるユニークな野菜です。しかも、一度種を巻けば10年から15年ほど食べられます。

――そんな驚きの野菜があるんですか!?

小池さん:実はニラなんです。ニラは多年草なので、枯れない程度でお水をやれおば、何年も生えてきます。でも、1年目のニラは筋っぽくて、あまりおいしくありません。2年目以降から美味しく食べられますので、1年目は我慢してくださいね。

――ニラって、少しだけ使いたいときが多いですもんね。これは実用的ですね!

小池さん:収穫は適宜、葉っぱの下の方をはさみで切って、必要な分だけ使えます。「株分け」という作業をすると、本当に長く食べられるので、色んな意味でエコですよ。

ベランダ菜園に必要な土と道具とは

――実際にベランダ菜園を始めるとき、どのような土を選べばいいのでしょうか。

小池さん:土は、「培養土」を使いましょう。最近は「培養土」も進化していて、お花用、野菜用、果樹用など、作りたい品目ごとに適した配合の「培養土」が売られています。

――プランターにどのくらい土を入れるべきですか?

小池さん:ついついパンパンに土を入れてしまいがちですが、7分目から8分目で大丈夫です。土を入れすぎてしまうと、風で土が飛散してベランダも汚れてしまいますしね。土を買う前に、プランターが何リットル用なのか把握して、土の量を計算しておきましょう。

それから、量がすくない100均の「培養土」もおすすめです。小分けになっているから、持ち返るのも重くありません。女性だと大袋の土を抱えて持ち帰るのはきついですもんね……。

――なるほど! 100均を活用するのもひとつの手ですね。

ベランダ菜園には「おいしくて経済的」というメリットがありますが、それ以外にも、命を育ててそれを食べることで「心の豊かさ」を感じられるはず。ベランダ菜園をするなら、ぜひ子どもたちと一緒にチャレンジを。収穫し終えた野菜はやがて朽ちて土になる……。そんな循環を自ら知ることで、「命の大切さ」「感謝の気持ち」を育むことができますよ。


●写真・文 安藤美紀

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