退職後のライフプランを考えるタイミングとは?生活費はどのくらい必要?

Sodanを運営しているファイナンシャルプランナー(以下、FP)の平原直樹さんは「将来のことを考えるのに、早すぎるということはありません。」と言います。超高齢化社会に突入した現在の日本。豊かな老後を過ごすために、何かしら始めなくてはと思ってはいても、なかなかはじめの一歩を踏...

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Sodanを運営しているファイナンシャルプランナー(以下、FP)の平原直樹さんは「将来のことを考えるのに、早すぎるということはありません。」と言います。超高齢化社会に突入した現在の日本。豊かな老後を過ごすために、何かしら始めなくてはと思ってはいても、なかなかはじめの一歩を踏み出せないのが現実かもしれません。FPはそろそろ真剣に老後のライフプランを考えようと思っている方の心強い味方。まずは退職後のライフプランを知ることから始めてみましょう。

■人生100年時代、ライフプランは2段構えで

――30代以降の女性にとって、退職後のライフプランはどの程度考えておくべきだと思いますか?

実は女性こそ、男性よりもライフプランを考えていたほうが良いと私は思っています。その理由は、単純に女性のほうが長生きだからです。

既婚の男性に「老後のことを考えなさい」と言うと、自分が死ぬまで、夫婦二人で過ごす期間のことを考える方が大半です。日本のご夫婦は男性が年上の場合が多いので、妻一人で生きていく老後があると考えるべきですが、残された妻について考えている方は少数派ですね。女性は、夫婦であっても、もう一つ先に自分1人の老後があるので、しっかり2段構えで考える必要があります。たとえば、夫の給料が総収入の大半を占めている家庭でも、1人残されることを想定して、自分でしっかり貯めておかないと老後が厳しくなってしまいます。

厚生労働省の発表によると、2017年の女性の平均寿命は過去最高の87.26歳。ところが、実際に90歳までご存命の方は49%にものぼります。なんと、2人に1人は90歳まで生きているわけで、私たちが90歳になる頃には、その割合はもっと多くなると考えるべきでしょう。つまり、100歳まで生きるのが当たり前の時代が来ているのです。

――ライフプランを考え始めたほうが良い時期はいつだと思いますか?

多くの方は、結婚や出産のタイミングでライフプランを見直し、FPに相談することが多いです。独身の方は、社会人10年目などのタイミングで、一度考えてみると良いんじゃないかなと思います。

ライフプランニングという言葉は、最近耳にすることが多いと思うのですが、これからの家族年表のようなものを作って行く作業です。この先、どういうことがあって、どれくらいお金がかかりそうなのかを出していきます。これに関しても、1日でも早く考えたほうがそれだけいろいろなシミュレーションを出せるので、早めにFPに相談しておきましょう。

――30代40代50代と年齢が上がって行くたびに、ライフプランを見直したほうが良いですか?

特に、30代40代の女性は、家庭によってライフプランがかなり異なってきます。女性の場合は、専業主婦の方もいれば、働いている方もいて、働き方も会社員、自営、時短勤務など多様化しています。自分の働き方、暮らし方が変わる度にライフプランを見直すことが大切です。

その際に気をつけたいのは、キャリアチェンジをする場合。生涯賃金にどう影響するのか考えることが大切だと思います。特に、30代40代の女性に多いのが、会社員を辞めてフリーになる方です。収入が見込めていれば良いのですが、「最悪の場合は夫の給料もあるし、固定給がなくなっても良い」という方もいます。しばらくはそれでも暮らしていけるとは思うのですが、会社員を辞めると、年金も厚生年金から国民年金になって退職金もなくなります。今のことだけでなく、将来のインパクトをしっかり考えてみてください。

そのほかに多いのが、子どもの学費がかかるので、「月5万円でも良いから一時的に働いたほうが良いのか?」というご相談です。この場合、10年15年続けることで、どれだけインパクトがあるか?を見て判断してください。10年間、月5万ずつ稼げたら600万円になります。600万円にどういう意味があるのかを考えたら、貯金を5万円ずつ取り崩して10年間使える額ですよね。年金のほかに5万円のおこづかいが10年分ある状態であれば、生活に余裕が生まれますので、ご相談いただいたお客様にはできるだけ長く働くことをおすすめしています。

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■ライフプランは、退職後に必要な生活費の算出から

――退職後の最低の生活費は、ライフプランニングを考える上で欠かせない要素ですが、いくらくらいを考えておくのがベストですか?

まず、退職後にいくら必要なのかを算出してみましょう。よく言われているのが、「夫婦2人、家賃抜きで、最低で25万円」くらいです。ですが、歳を取ってからも健康保険を払わなければならないですし、25万円すべてが生活費という意味ではありません。

基本的には、贅沢しないか楽しく遊びながら暮らしていくのかで、月10~15万円ほど変わってきます。1年間で150万円ぐらい変わってくるので、65~90歳までの25年間で3,000万円は変わります。

でも、退職後に必要な生活費を全額貯めなくてはいけないわけではなくて、退職金から相殺しても良いのです。また、定年後も働く道を選んで、今と同じ給料はもらえないかもしれないけれど、70~75歳まで月5万円でも10万円でも収入がある状態を作ることができれば、貯蓄すべき金額も変わってきます。まずは、必要な額を算出してみることが大切です。

――賃貸と持ち家、どちらを選んだほうが老後のためになるのでしょうか?

それぞれメリット・デメリットがありますが、そこに住むことが前提であれば家を買ったほうが得です。ローンは、長い期間で組んだほうが毎月の返済が楽になるので、35年で組むことが多く、大抵は定年後も支払いが続きますが、賃貸の場合でも住み続ける限り、家賃を払わなければならないですよね。

ただ、いずれにしても貯金をすることが必要といえます。とはいえ、毎月10万円も20万円も貯められないご家庭のほうが多いこのご時世、ただ貯めていても利息がつかず、全然お金が増えないので、難なくお金を増やす資産運用を取り入れたほうが良いとお話ししています。

■銀行預金だけでなく、賢く資産運用の検討を

――どのような資産運用をおすすめしているのですか?

実は簡単で、毎月積み立てていくことをおすすめしています。保険で積み立てる方もいれば、投資信託を使う方もいて、いろいろなやり方があるので、一概にどれが良いのかは言えません。毎月ただ貯金するだけでなく、着実に運用できていれば、退職のタイミングで意外と大きな資産になっていますよ。

たとえば、毎月3万円を35歳から65歳まで30年貯めると1,080万円になります。今は利息がほとんどつかないので、ただ銀行で貯めていても利息は1,000円くらい。それを5%金利がつくような運用商品を選ぶと、1,080万円が2,500万円になっているんです。貯めたお金は毎月3万円で、労力は一緒ですが、ダブルスコアの差が出るのです。資産運用でお金に働いてもらったほうがお得だと思います。

資産運用は資産家が運用するイメージが強いですが、毎月ただ積み立てていくのも立派な資産運用です。将来の資産を作るため、形成していくための資産だと考えていただくと始めやすいでしょう。

――資産形成を目的とした貯金は、いくらずつが理想ですか?

基本的に、手取りの2割を貯めてくださいといつも伝えています。これは何歳から始めても同じです。ただ、20代よりは30代のほうが給料が高いことが多いので、歳を取るにつれて少しずつ貯める額が増えていくことになると思います。そして、そのうちの半分、手取りの1割を将来のための資産形成にまわせば良いでしょう。

特に東京で一人暮らしをしている方だと、家賃が高すぎるので毎月は不可能です。でも手取りは年収を指しているので、ボーナスをうまく使って、年間で貯金するようにしてみてください。

■その他、将来のために今から始めるべきこととは

――将来のためにやっておいたほうが良いことはありますか?

退職後も収入があるようにしたほうが良いと思います。それは、今の仕事と同じ仕事ではなくて良いのです。自分がやっていて楽しいことを見つけてください。月数万円で良いので、自分の趣味がお金になることを目指しましょう。そのために、今のうちに趣味を磨いておけば、将来もっと楽しく過ごせると思いますよ。

たとえば、写真を撮ったり、絵を描いたり、執筆したり、興味のあるもので良いのです。会社員の方だと「私の趣味は仕事になりません」と言われるのですが、年金の足しを月1万円でも2万円でも稼げれば良いという話なんです。

――病気の場合など、突然の出費にはどのように備えたら良いでしょうか?

保険で備えておきましょう。私は、掛け捨ての保険を収入の5%以内でかけておくことをすすめています。保険で資産形成する場合は、保険会社の取り分もあるので、コストが少しかかります。そのコストがもったいないから保険で資産運用はやらないほうが良いという方もいますが、自分で運用ができないのであれば、多少コストを払って保険会社に運用してもらったほうが良いケースもあります。

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――ライフプランに、親の介護を入れる必要があるのでしょうか?

基本的に、親は別世帯だから考えなくて良いはずですが、本当に考えなくて良いのかどうかはそのご家庭の経済状態次第ですので、親の介護についても考えておいたほうが良いと思います。親に介護が必要になりそうな年齢の時、自分はいくつなのかなど、早めにイメージしておくとライフプランも変わってくるのではないでしょうか。

――FPに相談すると考えるべきことがたくさんありますね。

最近、多くの企業では、退職金を自分で運用する制度「確定拠出年金(DC)」に変わりつつあります。同じ年に入社して、同じように出世して、同じ期間働いた人でも運用の仕方によって、退職金の額が変わってくるのです。これを知っているかどうかが、のちに大きな違いになるので、セカンドライフのことを考えるタイミングで、会社の退職金制度をもう一度チェックしてみてください。

また、何から始めたら良いかわからない方ほど、ぜひ一度相談に来ていただきたいです。相談に来る方のほとんどが、漠然とした不安を抱えた方です。相談しようと思い立った時がベストなタイミングだと思いますよ。

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