自動車保険の走行距離はどうやって申告する?オーバーした場合は?

現在の自動車保険はネットなどで申し込みのできるダイレクト系が主流となっており、TVCMやネットバナーでこういった広告を見ることが多くなりました。そこではよく「保険料は走った分だけ」とうたわれています。これは「自動車保険の保険料が走行距離によって高くなったり、安くなったりする」ということです。「保険料が安くなるならダイレクト系の自動車保険に切り替えようかな」と考える方もいると思いますが、なぜ走行距離と保険料が関係あるのか、走行距離で保険料を決める方法は本当にお得なのかなど、疑問を持つこともあるでしょう。今回はこれらのダイレクト系の自動車保険についての疑問点を詳しく解説します。現在すでにダイレクト系の自動車保険に加入している方も、さらに保険料を安くできるかもしれません。

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なぜ走行距離によって保険料が変わるのか

リスク細分型自動車保険

リスク細分型自動車保険とは、

・年間走行距離
・使用目的
・年齢
・車種、型式

などによって事故の発生率を細かく分類し、事故の発生率=リスクに応じた保険料を設定する自動車保険です。保険会社にとって、リスクの高い人にはお金を支払う可能性が高まるので、保険料を多くもらっておく必要があります。逆にリスクの低い人にはお金を支払う可能性が低くなるので、安い保険料で十分というように考えます。

走行距離が短い人はリスクが低い

走行距離について考えてみると、走行距離の少ない人はそれだけ事故の発生率が低く、保険会社としてはお金を支払うリスクが低いと考えられます。

そのため、走行距離によって保険料が上下するのです。

走行距離で保険料が決まるメリットとデメリット

走行距離で保険料が決まるメリット

●使用目的より実態に近いリスクを反映できる
「業務」「通勤・通学」「日常・レジャー」という使用目的は、運転頻度と走行距離を分類するリスク区分です。ただ実際には、毎日通勤で使っていても会社がすぐ近くという場合と、休日にしか運転しなくても、毎週別荘や観光地まで長距離ドライブをする場合とでは、後者のほうが事故リスクが高いのに、保険料が安いという、「実態に合わない」ケースが起こり得ます。

その点、走行距離は距離という「数値」で表されるものなので、より実態に近い保険料を設定することができます。

●会社や学校が近い人の場合、「通勤・通学」よりも得な可能性がある
上記のメリットにより、使用目的で分類すると「通勤・通学」となり「日常・レジャー」より保険料が高くなってしまうという方も、走行距離で見ると、会社や学校が近い場合は日常・レジャーで利用する人よりも保険料が安くなる場合があります。

●20等級の人でもさらに保険料が安くなる可能性がある
「事故で保険を利用していない」ことを継続することで大幅な割引を受けられるノンフリート等級ですが、20等級が最高でそれ以上の等級はありません。ところが走行距離で保険料を決める保険に入っていて、年間の走行距離が短いドライバーであれば、さらに保険料が安くなる可能性があります。

走行距離で保険料が決まるデメリット

●走行距離が長い人は、保険料が高くなってしまうことも
一般的に、走行距離によって保険料を決定するダイレクト系の保険会社の場合、使用目的によって保険料を決定する従来の代理店型の自動車保険よりも保険料は安くなります。

しかし、年間15,000kmを超えるような走行距離の長いドライバーの場合、かえって保険料が高くなってしまう場合があります。

走行距離でどれくらい保険料が変わるのか?

走行距離によってどれくらい保険料が変わるのかシミュレーションしてみました。

【条件】
被保険者30歳・ブルー免許・配偶者限定・30歳以上を補償・6等級
主に家庭用で使用・トヨタ アクア・車両保険215万円・免責金額5-10万円

走行距離はどのように申告する?

走行距離の申告方法には、

・過去1年間の走行距離を申告する
・これからの1年間の走行距離を予想して申告する

という2つの方法があります。

過去1年間の走行距離を申告する場合

申込(更新)手続きをする日からさかのぼった1年間で走った距離を申告します。実際にオドメーター(積算距離計)を読み取った距離を申告する必要があります。

これからの1年間の走行距離を「予想して」申告する場合

今までの年間走行距離を参考に、これから1年間にどれくらい車に乗るかを予想して申告します。

保険会社別申告基準・距離区分一覧

初めて自動車保険を契約する場合は?

初めて免許を取った、初めて車を買ったというような場合は走行距離のデータがないので、過去の走行距離を申告する保険会社では申告することができません。

そのため年間走行距離を申告する必要はないのですが、保険会社の規定で「勝手に」走行距離を決められてしまいます。走行距離の多い人にとってはメリットですが、たまにしか運転しないような人にとってはデメリットとなります。

距離区分の目安は?

おおよそですが、下記のようなものが目安になります。

走行距離をわざと短く申告した場合

悪質な場合は虚偽申告とみなされ、契約解除になる可能性もある

保険料を安くしようと考え、実際の走行距離より極端に短く申告するなど悪質なものは虚偽申告とみなされ、契約を解除される場合があります。

契約を解除された場合は、他の保険会社でも再契約できない可能性があり、たとえ再契約できたとしても、今までの等級はリセットされてしまいます。

走行距離は必ず適切な距離を申告するようにしてください。

申告した走行距離をオーバーしてしまった場合、余った場合は?

【オーバーしてしまった場合】

●過去の走行距離を申告する保険会社の場合
前年の走行距離を申告する保険会社の場合、走行距離をオーバーしても保険会社に連絡したり、追加の保険料を支払ったりする必要はありません。もちろん事故の際には、きちんと補償が受けられます。

●走行距離を予想して申告する保険会社の場合
走行距離を予想して申告する保険会社の場合でも、走行距離をオーバーしたことを保険会社に報告して、差額の保険料を支払えば問題ありません。

新しいサービスの登場で、さらに無駄のない保険料に

「無駄のない保険料」というメリットを持つリスク細分型自動車保険を売り出し、契約数を伸ばしてきたダイレクト系損保会社ですが、走行距離区分が3,000~5,000km・5,000~10,000km・10,000~15,000kmと3つしかないことなどが原因で、メリットを生かせない場合もありました。

しかし最近では、より細かい走行距離区分を用意したり、申告した距離より実際の走行距離が短かった場合は翌年の保険料から割り引くサービスが登場したりして、さらに無駄のない保険料を実現できるようになっています。

今までダイレクト系の自動車保険に加入していた方でも、新しいサービスによってさらに保険料が安くなる場合があります。ぜひ一度ご自分の自動車保険をチェックしてみてください。

プロフィール

杉浦 直樹
AFP FP2級
元歌舞伎役者のファイナンシャルプランナー。以前ソニー生命に勤務していたため保険商品に強い。

JSA認定ソムリエの資格も持つ

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