住宅のような診療所を|府中の診療所

女医さんの要望は「住宅のようなクリニックにしたい」
閑静な住宅地の景色に溶け込むこと、患者さんがリビングで寛ぐかのようにリラックスできることがその狙いです。

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しばらく工事中の様子を伝えてきましたが、ここで設計中の話を紹介します。
初めのヒアリングでお施主様が話していたのは「住宅のようなクリニックにしたい」ということでした。閑静な住宅地の景色に溶け込むこと、患者さんがリビングで寛ぐかのようにリラックスできることがその狙いです。そして診療所の設計の経験のない私たちに設計を依頼してくださった最大の理由も、私たちが「住宅メインでやっているから」だったとのこと。それならば!ということで、住宅をイメージしながらの設計がスタートしました。(今回の計画地、建て替え前の写真。築50年のお施主様のご実家がありました。)

設計の目指す方向はすぐに見えたものの、プランをつくるのはひと苦労でした。敷地面積143㎡、建ぺい率40%の条件では、1階床面積は17坪ほどしか取れません。バリアフリーの点で患者さんが使う部屋を2階に入れるのは無理なので、診療に係るすべてを1階の17坪に納めなければなりません。しかも、待合室・診察室・処置室・レントゲン室は、ある一定の面積と形を確保しなければ成立しないので、実際にスケッチをしてみると、あらゆるところがギリギリにしかできない、しかも部屋どうしをつなぐ通路も最小面積にしなければならないということが見えてきました。スタッフが動きやすい空間にできるか、患者さんとスタッフの動線をうまく整理できるかという条件も加わります。プランをつくる作業は「トライ&エラー」の繰り返しとなりましたが、ようやく一つのプランにたどり着きました。

一方で2階は院長室、スタッフルーム、備品庫、スタッフ用の水廻り程度なので、法的に許容された面積いっぱいにつくらなくても事足りそうです。ということは一部平屋の2階建てになります。平屋部分の屋根が外観の表情に色を添えてくれるはず。外観や断面のイメージも固まっていきました。

かくして昨年の夏、ファーストプランを提案。設計の時間が限られており、ファーストプランが全くのNGだった場合に根本的に作り直す時間もない状況だったので、ドキドキのプレゼンとなりましたが、幸いお施主様にはたいへん気に入っていただけました。さらにはお施主様が契約していた医療の開業支援のコンサルタントさんからも、「受付にもっと余裕が必要、その代わり処置室のベッド2台は1台でいい」とアドバイスをもらい、つまり逆を言えば、「プロの目線で見ても大筋ではOK」だったわけです。

アドバイスをもとにプランを修正して、本格的に設計をスタートさせることになりました。
(上の図面上:ファーストプラン、下の図面:修正後のプラン)

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白崎泰弘・白崎治代のパートナーシップによる設計事務所。男女両方の視点から設計し、機能的でありながら、住み手の心に響くデザインを心がける一級建築士事務所です。

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