複数の生命保険に加入することのメリットとデメリットとは?保険の基礎知識

生命保険は1つしか加入してはいけないという決まりはなく、目的に応じて複数の商品に加入することもできます。ただし、複数の生命保険に加入すると支払うべき保険料の額も高額になる傾向があります。

「自分の生命保険契約をよく知らないまま、たくさんの保険に加入し続けている」「生命保険料が多額になり、家計の資金繰りが苦しくなっている」という場合は、保険契約全体の見直しを行いましょう。

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複数の生命保険に加入することのメリットとデメリット

生命保険は複数の商品に加入することもできます。1つの商品だけに加入する場合と比べて、複数の商品に加入することには、どんなメリットとデメリットがあるか確認しましょう。

メリット:満期を迎える時期をずらすことができる

保険は「部分的に解約する」ということができません。例えば、600万円分の保険のうち300万円分だけを解約するということができないのです。

例えば複数の子どもがいる場合は、高校や大学の入学資金が必要となる時期が異なることも多いでしょう。そこで、それぞれの子どものために満期のタイミングが違う保険に加入しておくという方法があります。

デメリット1:契約内容を把握しきれなくなる場合がある

複数の生命保険契約について、正確に把握するのは大変です。知らぬ間に保障の重複が起こり、必要以上の保険料を支払う状態になるかもしれません。

また、万が一の事態が起こって保険金を受け取りたい場合にも、連絡する窓口が多くなってしまいます。生命保険の契約者が亡くなった場合は受取人がさまざまな手続きを行うことになるので、契約内容や必要な手続きについて正確に伝えておかなければなりません。

契約の数をあまり増やしすぎると、管理が行き届かなくなるので注意が必要です。

デメリット2:保険料の総額が割高になる

1つの保険契約で必要な保障を得る場合と、同じ保障内容を複数の契約で得る場合では、後者のほうが保険料の総額が割高になることが多いです。

複数の生命保険に「そうとは知らず」に加入しているかも

ケース1:人から勧められるままに生命保険に加入してしまった

加入している生命保険の内容を把握できていない人ほど、そうとは知らずに複数の生命保険に加入してしまっている可能性が高いです。

「生命保険会社の担当者に勧められるまま、契約内容をよく理解せずに契約してしまったことがある」「契約したのが何年の何月だったか、すぐには思い出せない」そのような覚えがある人も意外に多いのではないでしょうか?

思い当たることがある人は、まず現在の契約内容を把握しましょう。保険証券を探し、現段階でどのような保障が受けられるのかをしっかり理解することから始めましょう。

ケース2:就職、結婚などライフステージに応じた見直しをしていない

ご両親のもとから経済的に自立することができたとき、結婚するなど新しい家族ができたときには、生命保険で得るべき保障が変わるので生命保険の見直しをすべきです。見直しをしたことがない人は、まず「自分に必要な保障は何か?」を把握することから始めましょう。

ケース3:医療保険や団体信用生命保険についてよく理解していない

生命保険に医療特約をつけている場合、その医療特約の内容を理解しないまま別の医療保険に加入すると、保障が過剰となります。生命保険の保険証券などで医療保障の有無について確認し、それ以上の医療保障が必要かどうかを検討しましょう。

住宅ローンの契約をしたときに団体信用生命保険にも加入したなら、生命保険の契約内容を見直しましょう。住宅ローンの契約者に万が一のことがあった場合は団体信用生命保険が適用されるため、住宅ローンを支払う必要がなくなります。別の生命保険で、住宅費用の保障を得る必要がなくなりますので、保険金額の設定を見直すと良いでしょう。

複数の生命保険をムダなく活用するためにはどうしたらいいか

複数の生命保険に加入することは「絶対にやめたほうがいい」というわけではありません。必要に応じて複数の生命保険を有効に活用する方法もあります。

問題は、保障の重複や過剰が起こっているのに気づかないまま、必要以上の保険料を支払っている場合です。このような状態を解消するにはどうしたらいいのでしょうか?

ステップ1:保険証券や約款で「現在受けられる保障」について確認する

現在、生命保険の契約がどうなっているのかを、保険証券や約款などで確認しましょう。保険証券を紛失している場合も、生命保険会社から送られる「契約内容のお知らせ」で確認できます。保険会社によってはインターネットで契約内容を確認できるシステムや、担当者から説明を受けたい旨を依頼できる仕組みもあります。

ステップ2:重複している保障を洗い出す

理由もなく複数の生命保険に加入していて、必要以上の生命保険料を支払っていないか、各種の特約が重複していないかを確認しましょう。

・医療特約と医療保険の重複
・団体信用生命保険に加入しているのに、生命保険で過剰な生命保険金額を設定している
・学資保険に加入しているのに、生命保険金額の設定が子どもの学費も考慮したものになっている
・勤め先で共済に加入しているのに、医療特約や傷害保険などにも加入している

このほかにも様々なケースが考えられます。保険証券や約款などで保障内容を理解することが難しいときは、ファイナンシャルプランナーなどの専門家の力を借りるのも良い方法です。

ステップ3:重複している保障は解約する

重複している特約は一方を解約しましょう。保険金額の設定も必要に応じて見直しましょう。

複数の生命保険を活用するなら契約内容を把握しよう

複数の生命保険に加入するなら、「何のために複数の保険を利用するのか」を明らかにする必要があります。そして保険契約の内容をしっかり把握し、保障の重複や過剰を避けて、必要以上の保険料を支払うことがないようにしましょう。

複数の保険に加入するときも、1つの保険に絞って利用する場合も、「自分と家族にとって必要な保障をまず把握し、ニーズに合わせて生命保険を選ぶ」という考え方が大切です。必要以上の保障や、少なすぎる保障は見直していきましょう。

プロフィール

河野富有
3級FP技能士資格を持つライター、コラムニストとして、生命保険や医療保険、金融、経済などの執筆実績が多い。次々と発売される商品や、改正の相次ぐ税制、法律が1人の生活者にどう影響を与えるかの視点を大切にする。

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