【小さなお店 #9】パリッ! サクッ! 甘じょっぱくて香ばしい揚最中

小さなお店が好きです。とあるお店をだれかに紹介するとして、「小さなお店(なんだけど)」に続くのって、だいたい「おいしいの!」とか「素敵なの!」とか、ポジティブなセリフですよね。小さいことに愛情と誇りを感じられるお店。小さいからできることを大切にしているお店。この連載では、そんな小さなお店を紹介しています。

今回ご紹介するのは、駒込の小さな老舗和菓子店。これまでも数々のメディアで紹介されていますが、わたしも公私ともに何度もお世話になっている、大好きなお店です。

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駒込駅からすぐ。知っててよかった〔中里〕

御菓子司〔中里〕は、明治6年(1873年)に〔三河屋安兵衛〕として日本橋で創業しました。現在店を構える駒込へと移ったのは、大正12年(1923年)のこと。

それから長きにわたり、街の和菓子屋として愛されているだけでなく、三代目によって考案された《揚最中》と《南蛮焼》をはじめとしたお菓子を求め、遠方から訪れる人も後を絶ちません。

現在は、新しく建て直されて、きれいなグリーンのビルに。商店街の十字路の角にあり、どの方向から来ても、迷うことなく到着できると思います。

旧店舗の古い看板が大切に飾られる店内は、ショーケース越しに4人ほど入ればいっぱい、という感じでしょうか。お店の正面からちょっとのぞけば全貌がわかるようなオープンなつくりなので、通りすがらに混み具合をみて立ち寄るご近所さんも。

手土産にするとハマる人続出の《揚最中》

《揚最中》186円(税込)

わたしが〔中里〕を訪れる理由は、ほぼ100%《揚最中》。手土産を調達するためだったとしても、絶対に自分用も購入します。「贈りたいとき」も「食べたいとき」も、わたしにとって、代打がきかないお菓子なんです。

最大の特徴は、その名の通り、上質な胡麻油で揚げた、厚みのある平らな皮。この皮の香ばしさと、北海道十勝産の小豆で練り上げたおぐら餡の甘さを、伊豆大島産のやきしおが引き立て、かつ絶妙なバランスでつないでおり、素朴でいてとても洗練された味わいに仕上げられています。

こちら、できるだけ早く、つまりパリパリサクサクのうちに食べられるのがベストなのですが、ちょっと湿度を含んでしまってもご心配なく。フライパンで両面を軽く焼いてみてください。食感がよみがえり、あたたかいことで香りもよりたつので、パッケージにもどこにも書かれていないけれど、差し上げるときには勝手におすすめしちゃってます。

もうひとつの人気者は濃厚むっちりな《南蛮焼》

《南蛮焼》248円(税込)。おぐら餡のほか、期間限定で、うぐいす餡も。

軽くて何個でも食べられそうな《揚最中》に対し、もうひとつの名物《南蛮焼》は、お味も食感も重みのあるタイプのお菓子。むっちりとした大ぶりで厚みのある生地は、沖縄産黒糖のコクや甘みもしっかりと主張していて、食べごたえばつぐんです。

そのほか、お店で手作りしている季節限定商品の水羊羹や、季節ごとに入荷する可愛らしいお干菓子など、日本の四季を感じられるお菓子も。

取材時には、息子の習いごと仲間に、夏らしい和三盆糖菓子のセットを買いました。すべてが見やすい距離感で置いてあるので、《揚最中》を包んでいただいている間にササッと選べますし、うん、やっぱり小さなお店っていいですね。

【中里菓子店】
●住所:東京都北区中里1-6-11 中里SUZUKIBLD
●電話:03-3823-2571
●営業時間:月〜金曜10:00〜18:00、土曜・祝日10:00〜17:00
●定休日:日曜
※「揚最中」と「南蛮焼」は大丸東京店でも販売

●文 醍醐由貴子
ライター。女性誌から男性誌まで、ジャンルはフードからライフスタイルまで、幅広く活動中。すっかり意見するようになった息子に助けられつつ、日々奮闘しています。

●写真 さくらいしょうこ

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