伝統的なつまみ細工でつくる髪飾りを楽しむ、京都〔おはりばこ〕の世界

カラフルで美しい、つまみ細工の髪飾りは、江戸時代から作り続けられている伝統工芸品。祇園の街を歩く舞妓さんの髪を美しく飾るアイテムのひとつでもあります。今でも手作業でつまみかんざしを作る京都・紫野の〔おはりばこ〕にお邪魔し、つまみかんざしの魅力や、浴衣や着物に合わせる髪飾りの選びかたについてお話をうかがいました。

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〔おはりばこ〕のつまみ細工のこだわり

京都観光で人気の寺院・大徳寺の目の前にある〔おはりばこ〕。もとは70年以上前に西陣で生糸問屋を営んでいましたが、2代目が髪飾りなどを作り始め2003年に直営店をオープン。2013年には、この地で職人が手作業でひとつずつ作る店舗を開き、つまみ細工の髪飾りや和小物などを商うようになりました。

髪飾りの花やブラという三角が垂れるように連なる花びらの「藤飾り」は、正方形にカットした小さな絹布をピンセットでつまみ、糊で貼りつけた「つまみ細工」をいくつも使って作られています。この小さな芸術品は、その作業工程の多さから近ごろは海外での大量生産が増えているのだそう。〔おはりばこ〕はそんな時代にありながら、職人たちが手仕事で作り続ける、稀有なお店なのです。

髪飾りの使われる材料は京都産にこだわり、生地は京丹後産の正絹を京染めと呼ばれる技法で染めて、自社の工房でデザインから製作までを一貫して行っています。

店内に陳列された色とりどりの美しい髪飾りは、そんな手仕事で作られているからこそ、少々値は張っても長く使い続けられるものばかり。たとえば七五三のために買った髪飾りを、藤下がりを取り外して十三参りや成人式で髪に挿す、といったことができます。お直しやメンテナンスももちろん可能で、保管方法などの相談にものってくれるので、普段和装に縁がない人も心強いはず。

結婚式や七五三、成人式などのハレの日を華やかに彩って

〔おはりばこ〕にはハレの日の和装を華やかに彩る、美しい髪飾りが豊富に揃います。縁起の良い鶴をつまみ細工でこしらえたブライダル用や、ガーリーな雰囲気にも、しっとりした和の雰囲気にもできる成人式用、レトロでポップな女学生の雰囲気を醸す卒業式用…と人生の通過儀礼に合わせたラインナップがずらり。

たとえば卒業式の袴といえば、大学の卒業式の定番でしたが、近頃では小学校の卒業式でも袴スタイルが流行中。正絹の大きなリボン《そめはなリボンコーム》だけならトラディショナルスタイルに、梅や桜のUピンと組み合わせればぐっとかわいく現代的なスタイルに、と思い描く雰囲気に合わせて仕上げることができます。

商品のコーディネートに不安がある人は、お店のスタッフに相談することも可能です。

七五三の髪飾りの選び方を、聞いてきました!

今回は特にお子さんのいらっしゃるLIMIAユーザーのみなさんへ、子どものハレの日の代表ともいえる「七五三」の髪飾りの選び方について聞いてみました。

前髪に飾る紐状の「ちんころ」はどんな女の子にも似合う飾りで、子どもらしいかわいさが加わる名アイテム。特に赤い色を選ぶと黒髪にも映えておすすめです。おばあちゃん世代がお孫さんに選ぶことが多い色でもあるのですが、赤い色は古来から厄除けとして重用された色。子どもが3歳、5歳、7歳と無病息災で成長できたことを神仏に感謝し、健やかな成長を祈る「七五三」のお祝い時にはぴったりな色といえそうです。

髪飾りの色選びが悩ましい人もいるかもしれません。着物に合わせてピンク色の髪飾りはもちろん合いますが、着物に描かれた花の色に合わせるなど、差し色に合っていれば大丈夫。もちろん子どもが好きな色をチョイスするのもOKです。

夏に出番の多い浴衣に合わせる髪飾りや、年齢で気をつけること

花火大会や夏祭りといったイベントで、和装を楽しむ人も増えてきました。浴衣はむずかしい着付けのルールを知らなくても比較的着用しやすく、母娘で浴衣を着てお出かけする、という人も多いのでは。

夏のイベントは夜の催しであることが多く、紫色など暗い色を選んでしまうとせっかくの小物も闇夜になじんで見えにくくなってしまいます。逆に白っぽい明るい色の小物を身につけると、暗がりでも目立たせることができます。

そして、母娘でおそろいの髪飾りをつけるときには、つける位置に注意しましょう。小さな子どもは耳よりも上の高い位置にし、年齢によってだんだんと飾りを下につけると年相応の美しさに整います。

むずかしい? つまみ細工の扱い方や保管方法

〔おはりばこ〕では、購入した髪飾りは、希望があればオプションですべての髪飾りを桐の箱に入れてお渡ししているそう(なかには最初から桐の箱に入っているものもあります)。湿気を吸い、なかに入れたものを守ってくれる桐。家の中で過度に高温多湿にならない場所に保管をすれば、長く使用することができます。

また、正絹は水に弱く、つまみ細工は糊を使用しているため濡らしてしまうと型崩れがおきる原因に。夏場の汗がつく程度であれば問題ありませんが、直接雨にあたるとよくないので雨が降ってきたら、傘をさしましょう。お式に参列するなど、自宅や美容院でヘアセットをするときにはヘアスプレーがかからぬよう、スタイリングを先に済ませてから最後に髪飾りをつけて。

お気に入りの髪飾りを見つけたら、大切に扱って、子どもから大人まで長く愛用していきたいですね。

●ライター・写真 大浦春堂
社寺・トラベルライター、編集者。雑誌やWEBマガジンへ社寺参りに関する記事の寄稿を行う。著書に『御朱印と御朱印帳で旅する全国の神社とお寺』(マイナビ出版)のほか、『神様と暮らすお作法(協力:三峯神社)』(彩図社)、『神様が宿るお神酒』(神宮館)、『おいしいお詣りスイーツ』(講談社)などがある。

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