自動車保険の弁護士特約は必要なの?メリットと使い方を徹底解剖

自動車保険は、交通事故での相手の損害費用や自分の車の修理費用などを補償してくれる保険です。多くの方が加入されていますが、自動車保険につける「弁護士特約」とはどういうものか知っていますか?

弁護士特約をつけるか迷っている、または弁護士特約をつけたが実際にどのように使うか分からないという方も多いと思います。今回は、弁護士特約のメリットや必要性、そして使い方について解説していきます。

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自動車保険に弁護士特約をつけるメリット

弁護士特約とは?

弁護士特約は任意の自動車保険につけられます。交通事故に遭って示談交渉や賠償金などの交渉を弁護士に依頼することになったときに、その費用を保険会社が補償してくれる特約です。

弁護士特約を使うと、弁護士費用を1回の事故につき1名ごとに最大300万円、法律相談費用は保険期間を通じて1名ごとに10万円までもらうことができます。

どのようなときに弁護士特約を使えるのか?

弁護士特約は、

・保険契約者
・同居の家族
・別居の未婚の子ども
・契約自動車に同乗していた人

が使うことができます。無免許運転や酒気帯び運転など自分自身に重大な過失があったり、自分が加害者の場合は使えません。しかし自分に過失割合がついていたとしても、それが重大な過失でなければ使用可能です。

弁護士特約を使えるケースは

・事故の相手が任意保険未加入で修理費の支払いに応じない
・事故の相手の保険会社から提示された金額に納得ができない

主にこのような場合に弁護士特約を利用される方が多いようです。

弁護士特約をつける具体的なメリット

●示談交渉にかかる時間や精神的負担の軽減
交通事故の示談交渉を自分で行うのは時間的にも精神的にも非常に負担がかかります。
交通事故に遭うとケガをして病院に通うこともあるので、示談交渉はできるだけ弁護士にお任せして自分は治療に専念したいものです。

●弁護士費用で赤字になることがない
弁護士に頼んで実際にもらえた示談金の額が小さい場合、弁護士に支払う費用で赤字になってしまうことがあります。小さな事故では示談金の額も小さくなるので、赤字になることも多くあるようです。弁護士特約を利用すれば、弁護士費用が300万円以下なら全額を保険会社が負担するので、受け取った示談金はすべて自分の手元に残ります。

●もらえる賠償金や慰謝料の大幅アップ
弁護士に依頼をすると、もらえる示談金は大幅に上がるケースが多いです。弁護士は法律のプロですので、示談を有利に進められるのです。弁護士特約に入っていれば弁護士費用は保険会社が負担し、アップした分の示談金は全部自分の手元に残ります。

弁護士特約は必要なの? 自動車保険に付帯

弁護士費用はどのくらいかかるのか

弁護士へ交渉を頼むと、「着手金」と「報奨金」を払うことになります。

着手金とは、成果にかかわらず交渉を頼んだ段階で払う費用のことです。金額は弁護士によって異なりますが、交通事故での着手金は10〜20万円としているところが多いようです。最近は交通事故に関しては「着手金無料」としている弁護士も見られます。

対して報奨金とは、事案を解決した結果によって払う費用のことです。例えば、報奨金が15万円+発生した賠償額の10%だとしましょう。この場合、例えば弁護士が交渉して100万円の賠償金がもらえることになったとすると、報奨金は15万円+100万円×10%=25万円となります。もし着手金が10万円、報酬金が上のように25万円なら、合計で35万円を弁護士に支払います。

本当に弁護士特約は必要なの?

弁護士特約が特に役立つのは、相手の過失が100%のいわゆる「もらい事故」のときです。駐車中や信号待ちなどで追突されたときなどがこれに当たります。

普通、交通事故での相手との示談交渉は保険会社が行いますが、「もらい事故」では保険会社は示談交渉をすることができません。このとき、相手が十分な示談金をスムーズに支払ってくれるのであれば問題ありません。しかし実際には示談に応じないケースも多く、自力での示談交渉は大変なので弁護士に頼む人が多いのです。

交通事故は気をつけていてもいつ起こるか分からないもの。もし弁護士特約をつけていれば弁護士費用に関して頭を悩ませることがありません。

弁護士特約をつけたときの保険料

弁護士特約の値段は多くの保険会社で年間1,500〜3,000円程度です。月に125〜250円程度の出費なので、そこまで大きいものではありませんね。自動車保険に加入されている方のうち、7割程度が弁護士特約をつけているそうです。

弁護士特約の使い方

弁護士特約は、正しい使い方をしなければ無駄になってしまいます。使い方を自分で把握して、うまく活用していきましょう。

1. 保険会社に事故を報告する
交通事故に遭ったら、まず保険会社に連絡をしましょう。
・事故を起こした日時や場所
・事故の状況
・相手(加害者)の名前や住所といった情報
などを報告し、弁護士特約を使いたい旨を忘れずに伝えます。保険会社から今後の流れや書類について説明があると思いますので、分からないことがあれば質問してみましょう。

2. 弁護士を探す
雇う弁護士は保険会社から紹介を受けることもできますが、自分の好きな弁護士に頼むことができます。ストレスなくスムーズに解決するために、弁護士の選定はとても重要です。

●交通事故で弁護士を選ぶときのポイントは
・交通事故の専門知識を持っていること
・交通事故を多く取り扱っていること
・自分が信頼できること

といった点を特に考慮しましょう。交通事故に強く、解決実績が多い弁護士を探すのがおすすめ。経験が多い分、専門知識もあり解決までスムーズにいくことが多いです。インターネットでも弁護士を探すことが可能なので、良さそうな弁護士が見つかったら実際に会ってみましょう。「この人に依頼したい」と思えるような弁護士に依頼することが大切です。

もし、一度頼んだ弁護士に納得がいかなかった場合、保険会社に相談して途中で他の弁護士に変えることも可能です。

3. 弁護士と委任契約をして保険会社に報告する
頼みたい弁護士が決まったら、弁護士と委任契約書を交わしましょう。委任契約書とは、弁護士にどんな案件についてどのくらいの契約で委任するかを書いた契約書です。委任契約を結べば、その弁護士があなたの代理人として示談交渉などの交渉を進めていくことができるようになります。

契約できたら、着手金や報酬金を保険会社に報告します。このとき、先ほどの委任契約書を提出することもあります。

弁護士特約を利用! 自動車保険料に変化はあるの?

自動車保険の保険料は「等級」によって決まっています。等級は1〜20の20段階あり、1等級が最も保険料が高く、20等級がもっとも安くなります。初めて自動車保険を契約するときには「6等級」からはじまり、無事故が続けば等級が上がって保険料は安くなり、事故を起こすと等級が下がって保険料が高くなっていく仕組みです。

●弁護士特約を利用するだけなら等級に影響はない
弁護士特約だけを利用するときには「ノーカウント事故」で等級には影響がありません。もしこのとき相手への損害や自分の車の修理について保険を利用すれば、もちろん等級は下がることになります。

自分にも過失があるときには、相手への損害に保険を利用するか、示談で相殺して処理するか選ぶことができます。もし保険を使うときは、等級低下による保険料増加についても考慮にいれて検討しましょう。

もしものために「弁護士特約」を自動車保険につける

年間1,500〜3,000円でつけられる弁護士特約は、もらい事故をしたときなどとても役に立つ特約です。弁護士特約をつけていれば、気軽に弁護士に相談できます。加入済みの自動車保険にもあとから特約をつけることができますので、ぜひご契約の自動車保険を確認してみてください。

弁護士特約は規模の小さな事故でも使えますし、補償を適用させてもその後の保険料が高くなることはありません。必要になったら積極的に使っていきましょう。

プロフィール

清水みちよ
学生時代にアジア滞在中、現地で感染症を患い生死をさまよう。奇跡的に生還するも保険の大切さを痛感し、卒業後は保険の代理店窓口等で働く。趣味は懲りずにアジアの発展途上国を訪れて刺激をもらうこと。犬好きのアラフォー女子。

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