医療保険は精神科に通院していると加入を拒否されることがある?

医療保険に加入するためには、健康状態に関する告知や、医師の診査を受けることが必要です。このとき、精神科・心療内科に通院していることを告知すると、医療保険に加入するのが難しくなるのが現実です。ただし、精神科に通院している人が利用できる支援制度は、多くあります。医療保険に加入できないなら、他の方法で経済的に備えていく方法を考えましょう。

  • 17278
  • 14
  • 1
  • いいね
  • クリップ

精神科に通院していると医療保険への加入が難しくなる理由

精神科に通院していて、医師から病名の診断や投薬を受けている場合は、「精神疾患にかかっている」ことを理由に、医療保険への加入ができない場合が多いです。

精神科や心療内科の敷居が低くなった現代、「なんとなく、気分が沈む」などの理由で受診する人もいるでしょう。一見して些細な不調であっても、精神疾患のサインであることも考えられるので、医師に診察してもらい、必要であれば服薬をすることに、大きな意味があります。

とはいえ「医療保険に加入できなくなるから、精神的な不調が続いても、精神科に行くのはやめる」というのは、医療との正しいかかわり方とはいえません。

●健康状態の告知について
医療保険に加入する際には、健康状態の告知や医師による診査が必要となります。精神科だけに限らず、一定期間内に医師の診察や検査、投薬などを受けたことがあるなら、生命保険会社に必ず正直に伝えなければなりません。

●告知しなければならない内容
・過去の一定期間内に医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがあるか
・過去の一定期間内に、病気やケガで手術を受けたことがあるか
・がん(悪性新生物)にかかったことがあるか
・過去の一定期間内に健康診断や人間ドッグ、がん検診などで「要再検査」「要精密検査」「要治療」の指摘を受けたことがあるか
・女性の場合、妊娠しているかどうか

厚生労働省が指定する「5大疾患」とは?

厚生労働省は、重点的に対策に取り組むべき5つの疾患として「ガン」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」「精神疾患」を指定しています。このうち、精神疾患は2011年7月に指定の対象となり、それまでの「4大疾患」に精神疾患が加えられた形となりました。

精神科や心療内科を受診する人は、どのくらい増えているのでしょうか?

厚生労働省の「患者調査」、平成26年のデータによると、「精神及び行動の障害」で入院した人は265.5万人、外来を受診した人は257.7万人です。悪性新生物(ガン)での入院は129.4万人、外来受診は171.4万人であり、糖尿病による入院は20.9万人、外来受診は222.3万人なので、精神及び行動の障害の患者数がいかに多いかがわかります。

精神科に通院していても加入できる医療保険はある?

厚生労働省「受療行動調査」の平成26年のデータによると、「精神及び行動の障害」で外来を受診した人の72.7%はなんらかの自覚症状があって受診しています。しかし、どのような病気でもそうですが、自覚症状があったり、健康診断などで指摘された項目があり病院を受診しても、明確な病名がつかないこともあります。

「精神科を受診した」という事実は、生命保険会社に告知しなければなりません。しかし、「病名がついていない」「投薬なども受けていない」ということも含めて記入すれば、医療保険に加入できる可能性が出てきます。

精神疾患と診断されても、加入できる保険はあるのか

精神科に通院している人の中でも、精神疾患と診断されている場合の保険加入は、次の2つの問題をはらんでいます。
・精神疾患と診断された人も契約できる保険は数や種類が少ない
・判断力の低下などを理由に、保険契約を断られる可能性もある

このような点を踏まえて、それでも医療保険に加入したい場合は、次のような商品なら加入できる可能性があります。

●緩和型医療保険
通常の医療保険に比べて、告知事項や診査基準が緩和されたタイプです。保険料は、通常の医療保険より高額になり、保険に加入する時点で診断や治療を受けている疾病(持病)については保障の対象外となるなど、さまざまな条件が設けられています。

●無選択型保険
告知をせずに加入できる保険です。ただし、保険料が割高に設定されていることや、支払われる給付金額も上限が低く設定されているなど制約もあります。

●がん保険
精神疾患の人も、がん保険なら加入できるというケースはあります。

医療保険以外の方法で病気やケガに備える

精神科に通院しながら、仕事を続けている人もいます。でも、精神疾患が理由で、働くことが難しくなったり、医療費がかさんだりする場合に備えて、公的な制度について知っておきましょう。医療保険に加入できなくても、公的制度を利用して、経済的な負担を少しでもカバーする方法があるのです。

●障害年金
病気やケガなどによって、生活や仕事などが制限されるようになった場合に、障害年金を受け取ることができるかもしれません。国民年金に加入している人は「障害基礎年金」、厚生年金に加入している人は「障害厚生年金」の支給を受けることができます。

●障害者自立支援法(自立支援医療費など)
この法律により、ホームヘルプサービスなどが提供されることや、自立支援医療(公費負担医療)の給付が行われることが定められています。

●障害者扶養共済制度(しょうがい共済)
障害のある人を扶養している保護者が加入し、毎月一定の掛け金を支払います。保護者自身が亡くなった場合や重度の障害を負った場合に、障害のある人に一生涯にわたって一定額の年金が支給されます。

●健康保険の傷病手当金
会社員や公務員で健康保険に加入している人は、業務外の病気やケガで仕事ができなくなったとき、傷病手当金制度を利用できます。

●高額療養費制度
入院や手術などのために、高額な医療費が必要となったときは、高額療養費制度を利用することができます。病院から請求される医療費のうち、自己負担限度額を超えた部分について、後に払戻しを受けることができます。また、事前に「限度額適用認定証」を取得しておけば、病院窓口で支払う医療費を、自己負担限度額内に抑えることもできます。

●預貯金による備え
病気やケガの際に必要となるお金を、保険ではなく預貯金で確保するという方法もあります。せっかく貯めたお金を使ってしまわないよう、意志を強く持つことが必要ですが、病気やケガをしなかった場合には、自由に使えるお金が手元に残る、というメリットもあります。

精神科にかかるなら医療保険以外に利用できる制度を活用しよう

精神科に通院していて病名がついている場合や、医師の診察、投薬を受けている場合は、医療保険に加入することは難しくなります。

とはいえ、不意の病気やケガのときに利用できる制度は、ほかにあります。精神科で支払う医療費を抑える方法や、働けないことで途絶えてしまう収入をカバーする方法を知って活用しましょう。別の病気やケガで通院や入院する場合にも、身に着けた知識が役立つでしょう。

プロフィール

河野陽炎
3級FP技能士資格を持つライター、コラムニストとして、生命保険や医療保険、金融、経済などの執筆実績が多い。次々と発売される商品や、改正の相次ぐ税制、法律が1人の生活者にどう影響を与えるかの視点を大切にする。


LIMIAからのお知らせ

【24時間限定⏰】毎日10時〜タイムセール開催中✨
LIMIAで大人気の住まい・暮らしに役立つアイテムがいつでもお買い得♡

  • 17278
  • 14
  • いいね
  • クリップ
コンテンツを違反報告する

あなたにおすすめ

関連キーワード

関連アイデア

このアイデアを投稿したユーザー

暮らしに関するお役立ち情報お届けします。節約や子育て術、家事全般、お掃除や収納の詳しいテクニック、ペットとの快適な暮らしのヒントなど、生活に役立つ情報を見つけて…

おすすめのアイデア

話題のキーワード