袖ケ浦の家

伸びやかなLDKと6畳の4つの個室、家事室、ウォークインクローゼットがコンパクトにまとまった、自然と共に暮らす家。

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敷地は最寄駅から徒歩10分ほどの新興住宅地内にある。建主は2年にわたり設計者を探し続け、千葉・東京・神奈川と対象範囲を徐々に広げていき、やっとの思いで探し当てたのが私であったという。何と設計者冥利に尽きることか。そんな思いのこもった依頼であったため、何とかこの家族の理想を叶えたいと思い迷わず引き受けることにした。

「大切なお金をハウスメーカーや工務店が建てる家に使う気にならなかった」と言うほど意匠性や機能性にこだわりのある建主なので、全体のイメージや諸室に対する要望は明確であった。

道路面からのプライバシーの確保と南側への開放性を両立させるため、建物は南側に大きく開き1.2mの袖壁を持つ門型形状とした。

LDKは1階にあり、庭にステージのように張り出したタイルデッキとつながっている。随所に室内外の連続性が感じられる工夫をすることで開放感を生み出し、心地の良い空間となっている。キッチンはセミオープンとなっており、リビングやダイニングからは手元の調理台やシンクを隠しつつ、無理なくコミュニケーションが取れるようにしている。

和室は障子を開ければLDKと一体の空間となるが、閉めれば完全個室となるので客間としての利用が可能となる。

手洗いは玄関を入ってすぐのところにあるので、帰ってきて手を洗うことが習慣付いて教育上とても良いと評判だ。

2階は家族のプライベートスペースとなっている。主寝室には2つの窓の間にアクセントとして寄木パネルがはめ込まれている。その他、ウォークインクローゼットと壁掛けテレビ用の端子が備わっている。子ども部屋には床から天井までの大きな窓があり、1階のリビングの窓と位置を合わせることで南面の大胆な立面を形成している。外壁と同じ木板仕上のクローゼットを背中合わせにして2つの子ども部屋が隣接している。

洗面所の壁の仕上には外壁と同じサイディングとタイルが施されており、ベランダと繋がった半屋外的な空間となっている。閉鎖的になりがちな洗面所を開放感あふれる空間としたことで、すがすがしい気分で一日を始めることができる。

今回はかなりシビアに面積効率を追求した平面構成となった。同じような家な立ち並ぶ住宅街の中で、シンプルでかつ控えめに個性を主張するまとまりのある建築が実現できた。

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