ペット信託の注意点と利用する前に知っておくべきポイント

ペット信託は、飼い主の「もしも」の時にペットの助けになるというメリットがあります。メリットを活かすためには、ペット信託の注意点を知っておくことが重要になります。なぜなら、愛するペットには「個性」があるからです。もしもの時に愛するペットを守るための契約だからこそ、ペットの個性に添った契約を結ぶ必要があるのではないでしょうか。

ペット信託の活用には3つの注意点があります。ペット信託のメリットを活かすために知っておいていただきたい3つの注意点についてお話します。

本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています

  • 788
  • 2
  • 0
  • いいね
  • クリップ

ペット信託の3つの注意点

ペット信託には、飼い主が死や病気によってペットの世話ができなくなった場合に、ペットの命や健康が脅かされないように守るというセーフティ的な働きを期待することができます。財産を残されても、ペットだけで生活することはできません。飼い主がいないと、住む場所すら危うくなる可能性があります。ペット信託はいざという時にペットを守るために飼い主がかけることのできる「保険のような存在」です。

もしもの時に愛するペットを守ることができること。これがペット信託の最大のメリットではないでしょうか。メリットを活かすためにも、ペット信託を利用する際は「安心してペットをお願いすることができるかよく考える」「ペットの個性をしっかり伝える」「信託財産の過不足について考える」という3つの注意点に気をつける必要があります。

①ペット信託の注意点1「世話を託せるか」

ペット信託を利用する時の第一の注意点は、「安心してペットをお願いすることができるかよく考える」ことです。ペット信託では、もしもの時にペットのお世話をしてくれる受託者(もしもの時にペットの世話をしてくれる人や団体)をどうするかが大きな問題になります。

受託者を決める上で最も重視すべきことは、ペットのことを安心して託すことができるかどうかです。ペット信託を結んで守ろうと考えているペットですから、「とにかく誰でも面倒を看てくれればそれでいい」というわけではないはずです。

また、「特に話してないけど、あの人なら大丈夫だと思う」という思い込みは厳禁です。あなたの死後のペットの面倒をお願いしてよいか、具体的にお話しておきましょう。

信頼してペットを託すことができるかよく考えることが重要です。そして何より、自分自身が納得できるかどうかが大切です。せっかくペット信託を利用しても「やっぱり託すのは別の人がよかったかも」と後で後悔することがないように、契約前にしっかりと考えることが1つめの注意点になります。

②ペット信託の注意点2「必要なことは伝える」

ペット信託を利用する時の第二の注意点は、「ペットの個性をしっかり伝える」ことです。ペットの種類だけ伝えて信託契約を結べばいいというわけではありません。自分のペットだけの特徴や個性をしっかりと伝え、契約に活かすことが重要になります。

ペットには、犬や猫といった種の違いがあります。他に、ヨークシャーテリアやスコティッシュフォールドといった、猫や犬の種類があります。雄や雌という区分もあります。ペットの年齢もあります。しかし、ペットの個性や特徴は、種類や性別、年齢だけではありません。一緒に暮らしているからこそわかるペットの個性や特徴があるのではないでしょうか。

お腹が弱いため、よくお腹を壊す。春になると体を痒がることがある。薬をもらうために通院している。健康上の理由から、フードに気をつけるように獣医師から指導を受けており、食事に注意する必要がある。手術経験がある。このように、ペットによって体の状態や持病、病歴は様々です。さらに、日常の中でよく見せる癖や、好きなことや嫌いなこともペットそれぞれです。

ペット信託を結ぶ時は、「ペットの個性」をきちんと伝えて結ぶことがメリットを活かすための注意点になります。伝え忘れてしまうと、最悪の場合はペットの命や生活が危うくなってしまう可能性も考えられます。

癖や病歴、好物や苦手なこと、通院の状況など、気になることは何でも伝えておきましょう。後で後悔しないように、気になることは伝え、疑問点は確認しておくことも注意点になります。細かな心配事であっても、ペット信託の知識がある弁護士に相談し、信託契約に盛り込むなどの対策をしておく方が安心です。

ペット信託の専門家であれば,ペットの性格や好きなごはん、かかりつけの病院の情報、お世話にかかるお金など信託に必要な情報を一冊にまとめることができる「愛情整理ノート」などの冊子を持っています(弊所にもございます。ご要望の方はお気軽にご連絡ください。)。人間でいう終活ノートみたいなものですね。
こういったツールを活用してペット信託の利用を検討してみるとよいでしょう。

③ペット信託の注意点3「財産の過不足」

ペット信託を利用する時の第三の注意点は、「残った信託財産はどうするか」をよく考えておくことです。同時に、「ペットにどれくらいの財産を残すかよく考えておく」ことも必要です。

たとえば、もしもの時にペットが残されたとします。ペットのお世話の費用は信託財産から支払われることになります。しかし、ペットが天寿を全うした時に信託財産が残っていたらどうでしょう。あるいは、信託財産が少なかったため、ペットの世話に不足が出てしまったらどうでしょう。ごはんや病院、トリミング、ワクチンなどペットのお世話にどれくらい費用が掛かっているのか、リストにして把握しましょう。これも愛情整理ノートを使えばそれほど難しくありません。

残った信託財産を誰が受け取るのか、しっかりと考えておくこと。そして、ペットの年齢や健康状態を考え、ペットのために不足なく信託財産を残すこと。きちんと試算してペット信託を利用することが注意点になります。特にペットの生活に不足なく財産を残すことは、ペットの命と生活を守るという意味でも大切なことです。

最後に

ペット信託は、残されたペットを守ることのできる方法です。メリットをより活かすため、そしてペットの生活をより良いものにするためにも、3つの注意点には特に気をつけて契約を進めましょう。

ペット信託の知識を持つ弁護士にも相談して、自分とペットに合ったより良い信託契約について考えてみてはいかがでしょうか。注意点に気をつけ、わからないことや心配事は相談する。これが、ペット信託を活用するためのポイントになります。

  • 788
  • 2
  • いいね
  • クリップ
コンテンツを違反報告する

関連キーワード

関連アイデア

カテゴリ

このアイデアを投稿したユーザー

初めまして。弁護士の中間隼人(なかまはやと)と申します。距離の近い弁護士、お客様それぞれにあんしんを提供できる弁護士を目指し、日々業務に取り組み、みなさんに新し…

なかま法律事務所さんの他のアイデア

コラムのデイリーランキング

おすすめのアイデア