医療保険の受取人は誰でもいいの?どうやって決める?

医療保険に加入していれば、入院したりや手術を受けた際に、保険会社へ受取人から請求することで、給付金を受け取ることができます。中には、子どもや介護している親などが入院し、入院した本人以外が医療費を負担するケースなどもあるでしょう。このようなケースでは、最初から医療費を負担する人が受取人になっておいたほうがスムーズな気もします。はたして、医療保険の受取人は誰でもなれるのでしょうか?

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医療保険の受取人は誰でもいい?

結論からいえば、ほとんどの医療保険については、給付金の受取人は原則被保険者(保障の対象者)と決まっており、契約者が指定することができません(死亡保険金の受取人は、契約者が指定)。

しかし少し前の医療保険などは、生命保険と同じように、給付金の受取人を契約者が指定するものもあるようです。このような保険であれば、被保険者以外が受取人となることもあり、給付金は指定された受取人が請求することになります。ただし、受取人が被保険者となっている医療保険でも、以下のような場合には被保険者以外が受取人となります。

●被保険者が請求前に死亡している場合
生前に入院や手術などの給付金支払事由に該当していたものの、被保険者が請求前に死亡してしまった場合や、死亡保険金については、契約者が指定した死亡保険受取人や遺族が受取人となります。

●指定代理請求により、指定代理請求人が給付金を請求する場合
ここで、医療保険に関わる「契約者」「被保険者」「受取人」「指定代理請求人」について、一度整理しておきましょう。

●契約者:文字通り、保険会社と保険契約をする人です。契約者には、被保険者の同意が必要な一部の事項を除いて、解約や内容の変更など、契約に関する一切の権利があります。そして、契約者には保険料を支払う義務があります。ただし契約者以外、たとえば配偶者や親、祖父母などが保険料負担者となっても特に問題ありません。

●被保険者:保障の対象となる人です。被保険者が、入院したりや手術を受けたなどの支払事由に該当すれば、医療保険から入院給付金や手術給付金が支払われます。

●給付金受取人:医療保険から支払われる入院給付金や手術給付金を、実際に請求し、受け取る権利のある人です。医療保険では、原則被保険者が給付金受取人となります。

●死亡保険金受取人:被保険者が死亡した場合に、死亡保険金が支払われる医療保険で、その死亡保険金を受け取る人です。

●指定代理請求人:被保険者が請求できない場合に、代わりに請求できる人です。契約者が、被保険者の同意を得たうえで指定します。被保険者の同意があれば、指定代理請求人は途中で変更することもできます。

【指定代理請求人となれる範囲】(※生命保険会社によって、違いもあります)
・被保険者の戸籍上の配偶者
・被保険者の直系血族
・被保険者と同居しているか生計を同じくする、被保険者の3親等内の親族

生命保険会社の規定によって違う場合もありますが、最近では事実婚(内縁)の配偶者や、同性のパートナーなどにも対象範囲が拡大されてきています。

【代理請求の対象となる場合】
・被保険者が受取人となっている給付金を請求する場合
・被保険者と契約者が同じ契約で、保険料の払込免除を請求する場合

【代理請求ができる主な場合】
・被保険者の症状が重く、請求する意思を示すことが難しい場合
・被保険者ががんなどにかかり、病名や余命を告知されていない場合

医療保険の契約者・被保険者・受取人の関係は税金に影響する?

医療保険の給付金は基本的に非課税です。ただし、被保険者が亡くなった後、遺族が給付金を受け取る場合や死亡保険金は課税対象となり、契約者・被保険者・受取人の関係によって、かかる税金の種類が決まります。

●被保険者本人が給付金を受取った場合
被保険者が入院給付金や手術給付金を受け取る場合、その全額が非課税となります。

●被保険者の配偶者や直系血族、生計を同じくしている親族が給付金を受取った場合
この場合にも、受け取った給付金全額が非課税となります。被保険者の未成年の子どもの代理人として給付金を受け取った場合、指定代理請求人が給付金を受け取った場合、昔の医療保険などで被保険者以外の受取人が給付金を受け取った場合などが該当します。

●被保険者の死亡後、遺族が生前に支払事由の生じた給付金や死亡保険金を受け取った場合
この場合、契約者・被保険者・受取人の関係によって、以下のように決まります。

【生前に支払事由の生じた給付金】
●給付金受取人が被保険者と同じ場合
死亡した被保険者(被相続人)が受け取るはずだった給付金は、被保険者本来の相続財産とされます。そのため、遺族が受け取る給付金は相続税の課税対象となります。

●給付金受取人が被保険者以外(被保険者の配偶者や直系血族、同一生計の親族)の場合
給付金受取人が被保険者以外となっていれば、もともと給付金は受取人の財産であり、相続税ではなく、所得税の対象となります。ただし、入院などを原因として支払われる給付金は、所得税が非課税となるため税金はかかりません。

【医療保険から支払われる死亡保険金】
●契約者=死亡保険金受取人の場合:所得税の課税対象
契約例)契約者:夫 被保険者:妻(死亡) 死亡保険金受取人:夫
夫(契約者)が受け取った死亡保険金は、一時所得として所得税の課税対象となります。

●契約者=被保険者の場合:相続税の課税対象
契約例)契約者:夫 被保険者:夫(死亡) 死亡保険金受取人:妻
妻が受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となります。

●契約者・被保険者・受取人がすべて異なる場合:贈与税の課税対象
契約例)契約者:夫 被保険者:妻(死亡) 死亡保険金受取人:子
子が受け取る死亡保険金は、贈与税の課税対象となります。

それぞれの税金には控除があり、受取人の所得額、被保険者の相続財産額などによって、実際にかかる税金が決まります。

医療保険の受取人を変更することはできる?

●給付金受取人
最近ではほとんどの医療保険で、給付金の受取人は被保険者と決められており、契約後も変更できなくなっています。被保険者本人が請求できない、あるいは病名や余命を知らせずに請求できるよう、指定代理請求人を指定しておくようにしましょう。

冒頭でご説明したように、少し前の医療保険など、給付金受取人も自分で指定できる医療保険では、被保険者の同意を得て受取人の変更ができます。受取人が被保険者の配偶者や直系血族、同一生計の親族以外の場合、給付金を受け取る際に税金がかかってしまいますので、受取人が変更できる保険であれば、変更を検討しましょう。

●死亡保険金受取人
死亡保険金受取人については、被保険者の同意があればいつでも変更できます。医療保険の死亡保険金は少額であることが多いので、税金についてあまり心配はないといえますが、控除額の大きい相続税の課税対象となるような形(契約者=被保険者≠死亡保険金受取人=被保険者の相続人)としておくのが、税金面では有利でしょう。

医療保険の受取人を確認しよう

医療保険は被保険者が給付金の受取人となり、受取人も変更できないことが一般的です。そのため、被保険者以外は家族でも受取人となれません。ただし、少し前の医療保険など、被保険者以外が給付金の受取人となっているものもあります。被保険者と受取人の関係によっては、給付金を受け取った際に税金がかかる可能性もあるため、確認しておきましょう。

プロフィール

竹国 弘城
証券会社、生損保総合代理店での勤務を経てファイナンシャルプランナー(FP)として独立。金融商品を販売しない独立系FPとして、企業の利益ではなく相談者の利益を第一に考え、その場しのぎで終わらない、自分のお金の問題に自分自身で対処できるようになるためのコンサルティングを行う。1級FP技能士。


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