医療保険は訪問看護を利用していても対象になるの?万が一に備えた医療保険の知識

「訪問看護」という言葉を聞いたことがありますか? 訪問看護は在宅医療を支える制度のひとつですが、ご家族に在宅医療を受けている方がいない方には、馴染みがない言葉かもしれません。訪問看護とは何か、そして訪問看護を受けた際に公的医療保険、民間医療保険の対象となるかについて確認しておきたいと思います。

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訪問看護とは何か

訪問看護は、地域包括ケアシステム(※1)の根幹を成すサービスのひとつです。看護師等(保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が、訪問看護を利用する方の療養上の世話又は診療の補助(医師の指示が必要)を行います(※2)。

※1:地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制(国土交通省の定義より)。

訪問看護で受けられるサービスは多岐にわたります。たとえば、血圧・体温などのバイタルチェックを行い、利用される方の健康状態を観察したり、QOL(生活の質)が低下しないように助言や対応を行ったりします。

また、医療的ケアが必要な場合には、主治医と連携を図りながら医療処置を行うこともあります。どのようなサービスを受けられるかは、利用される方の病気や症状、日常生活動作のレベル、介護できるご家族がいるか、などによって、一人ひとり異なっています。

訪問看護の対象となる方は、介護保険法を根拠とする場合と健康保険法を根拠とする場合によって異なります。

●介護保険法を根拠とする場合
介護保険法に基づく訪問看護の対象者は、第 1 号被保険者と第 2 号被保険者の人です。 
・第1号被保険者:65歳以上の方で、要支援・要介護と認定された人。
・第2号被保険者:40歳以上65歳未満の方で、特定疾病疾患(16種類)の対象者で要支援・要介護と認定された人。

介護保険に基づいて訪問看護を利用する場合は、まず主治医に相談することが必要です。その上で、医師が必要であると判断した場合に利用することができます。実際に利用開始となるのは、要支援・要介護認定を受ける手続きを経てからです。要支援・要介護認定の度合いに応じて、ケアマネジャーが作るケアプランに訪問看護を組み入れてもらい、そのケアプランに沿った訪問看護計画に基づいて、訪問看護を利用することになります。

●健康保険法を根拠とする場合
医療保険の対象者は、小児から高齢者まで対象ですが、以下の様に年齢によって条件がともないます。

・40歳未満の方
・40歳以上65歳未満の方
・特定疾病疾患(16種)の対象者でない方
・40歳以上65歳未満の方
・介護保険の第2号被保険者でない方
・65歳以上の方
・要支援・要介護に該当しない方(※介護保険を利用しない方)
・要介護・要支援の認定を受けた方
・精神科訪問看護が必要な方(認知症は除く)
・病状の悪化等により特別訪問看護指示期間にある方
・厚生労大臣が定める疾病等で特別な看護が必要な方

健康保険に基づいて訪問看護を利用する場合も、介護保険と同様に、主治医に相談する必要があります。その上で医師が必要であると認めた場合に訪問看護を利用することができます。介護保険のように、要支援・要介護認定を受けるといった手続きは必要ありません。主治医の作成する訪問看護指示書をうけて、訪問看護師等が作成する計画に基づいて、訪問看護を利用することになります。

平成24年介護サービス施設・事業所調査によると、訪問看護(予防含む)の利用者数は約44万人となっています。その8割近くが介護保険法に基づく利用、残り2割程度が健康保険法に基づく利用となっており、利用者数は年々上昇しています(※3)。

訪問看護は公的医療保険の対象?

訪問看護の費用は、所要時間によって決められています。所要時間は人によって異なりますが、20分以上30分未満である場合は3,800~4,700円程度の費用となり、訪問看護を利用される方がどの法律に基づいて利用しているかによって、その自己負担額は異なります。

介護保険法に基づく利用であれば原則として1割の自己負担となりますが、要支援・要介護度によって支給限度額(保険から支給される金額の上限のこと。つまり1割負担で利用できるサービス量)が決められています。その限度を超えて利用した費用については、全額自己負担となります。

また、健康保険法に基づく利用であれば原則として医療費の1~3割が自己負担となります。なお、利用回数や利用時間は医療保険制度で定められています。それを超えて訪問看護を利用した分については、全額が自己負担となります。

訪問看護を受けたら医療保険からお金がもらえるの?

訪問看護には医療行為が含まれていますので、民間医療保険に加入していたら保障が受けられると考える方もいらっしゃるかもしれませんね。民間医療保険は、入院したときや手術を受けた場合の保障を受けられる保険です。結論からいうと、医療保険からは訪問看護に対する保障を受けることはできません。

民間の保険から、訪問看護に対する保障を受けられるように備える場合には、民間介護保険に加入しておく必要があります。民間介護保険とは、保険会社が定める要介護状態となった場合に一時金等を受け取ることができる保険商品です。保険会社が定める要介護状態とは、公的介護保険に連動している場合もありますし、保険会社が独自の基準を定めている場合もあります。民間介護保険を検討される場合にはどのようなときに、給付金の支払い対象となるかを確認しておきましょう。

原則として、訪問看護は、介護保険や健康保険の対象となりますので、全額自己負担する必要はありません。しかし、訪問看護が必要な状態になったときに、面倒を見てくれる家族がいなかったり、収入が途絶えて自己負担分のカバーができない可能性があったり、という場合には、予め介護費用に使えるお金を積み立てておいたり、民間介護保険で備えておいたり、ということも必要です。

年を重ねたときだけに限らず、若くても事故や疾病によって介護状態になる可能性は誰にでもあります。訪問看護というキーワードをひとつのきっかけとして、将来の介護に対する資金準備について考えてみてはいかがでしょうか。

プロフィール

キムラミキ
株式会社ラフデッサン代表取締役。外資系生名保険会社での営業経験を経て、FPとして独立。保険代理店のスタッフ指導を行うなど企業アドバイザリー業務に携わる他、保険や住宅ローンなど身近なお金についての執筆、講演も多数行っている。


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