ヴィンテージとスチームパンクをミックスした男前インテリア【我が家の暮らし #2】

昨今、注目を集めている“男前インテリア”。アイアンやウッドなどが生み出す無骨な雰囲気や、使い込まれたヴィンテージスチールの無機質なたたずまいは、男性だけでなく女性にも人気のスタイルです。今回、そんな“男前”な部屋づくりをしている、岡部徹郎さんのお宅にお邪魔してきました。空間に個性をプラスしている“ひと手間”や、オブジェにも注目です。

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基本の色はブラウン、シルバー、ブラックの3色

5年ほど前に新築の戸建てを購入し、現在は奥さまと3歳の娘さんと3人で暮らす岡部さん。現在の部屋づくりをはじめたのは2年ほど前。

18歳の頃にひとり暮らしを始めたときから、自分の部屋をアレンジして楽しむなど、DIYが好きだったという岡部さん。バンドを本格的にやっていた頃は、部屋中にフライヤーをビッシリ貼って、ライブハウスの楽屋のようにしたりしていたこともあったのだそう。

「アメリカンダイナーのような派手なロックテイストの雰囲気が好きで、そういう感じにしていたこともあったのですが、子どもが生まれたのをきっかけに、落ち着いたアメカジテイストにしました。この部屋をどんな風に作っていくか、構想には2年ほど時間がかかっています」と岡部さん。

岡部さんの部屋づくりをする際のこだわりは“色”。ブラウン、シルバー、ブラックの3色を基調色にして統一感を出しています。「基本的に使う色は、ブラウン、シルバー、ブラックの3色です。そこにグリーンを差し色にしたり、ところどころに赤を足したりして、あまり無機質にならないようにしています」と岡部さん。

岡部さんがこだわっている部分はまだあります。“無骨さ”は男前インテリアの魅力のひとつですが、無骨さを意識しすぎると、どうしても金属的なものを多く取り入れてしまいがちです。岡部さんは、木目やレンガ、植物のグリーン、やわらかい光の照明などをバランスよく取り入れて、部屋全体に“温かみ”が出るようにしています。

既製のアイテムには必ずひと手間“サビ”加工を施す。

インテリアのひとつひとつを細かく見ていくと、岡部さんの手が入っています。「そのままディスプレイはしません。サビ加工をしたり、擦れた感じのキズや汚れを描いたりして、ひと手間加えています」と岡部さん。棚の上のディスプレイは、空き缶を塗装。サビ加工を施し、ステッカーでヴィンテージ感を出して、多肉植物のグリーンを組み合わせたアレンジが絶妙です。

お子さんの名前を文字った「217」のディスプレイもサビ加工を施しています。赤と黒の水彩絵の具で“サビ色”を作り、スポンジでポンポンと叩き、色=サビをつけるのだそうです。

フォトフレームもそのまま飾ることはしません。こちらは〔ダイソー〕で購入したというフレームを、銀色で塗装し、黒色の水彩絵の具でダメージ加工を施しています。

〔セリア〕のエンボスプレートもこの通り、サビ塗装を施しています。

一時期ブームにもなった100均グッズで作るLEDランタン。岡部さんもボウルや空き瓶、ボルトなどを利用してランタンを作りました。ランタンにもサビ塗装し、使いこまれてイイ味が出たランタンに仕上がっています。

電球を覆っているのは、工事現場などで使う電球ガードです。ホームセンターで30円ほどで購入し、サビ塗装を施しています。シェードはホームセンターで購入した漏斗(じょうご)を銀色に塗り、こちらもサビ塗装。

ヴィンテージ感のあるインダストリアルランプ。こちらも漏斗をシェードに利用して作っています。電球ガードに使われているのは、なんと泡立て器のシャカシャカする部分。これらは電気としては使用していません。インテリアのひとつとして、味のある空間づくりにひと役買っています。

雑貨や、電話、時計などのインテリアは、サビ塗装されたものと合うように、レトロでジャンク、ヴィンテージな雰囲気のもので統一しています。

照明のスイッチにはマスキングテープを貼り、違和感が出てしまうのを抑えています。「本当はインターフォンもやりたかったんですけど……さすがにモニターが見にくくなってしまいます。奥さんが使いにくくなってしまうといけないで、ここはあきらめました(笑)」と岡部さん。

子どものモノも部屋になじませる。

3歳の女の子がいる岡部さん。お子さんが使うものも、部屋の雰囲気に溶け込むように、ブラック、ブラウン、シルバーを基調にしています。こちらは、岡部さん作のおままごとセット。「作ったときは、娘がどんな反応するか心配だったんです。でも、すごく喜んでくれて、毎日ここに立って遊んでいます」と岡部さん。

カラーボックスを土台にし、その周りに木を貼り付けています。リメイクシートで仕上げ、ヴィンテージ感を出します。

シンクには、ボウルを使い、蛇口は塩ビパイプを塗装して作っています。壁面にはタイル柄のリメイクシートが貼られています。

コンロは、木のコースターを塗装し、五徳(ごとく)は木片で作っています。ラックに置かれている調味料もヴィンテージ感のあるものが並んでいます。

お父さんが作ってくれたキッチンで、お子さんが「おとーさんに、おべんとうをつくってるの!」と、トントントントン、野菜を刻んでいます。お父さんがお子さんのために作ったキッチンなので、サイズ感もバッチリです。ちなみに、奥さまが日々、使われているキッチンも、岡部さんの手によって“男前”に仕上がっています。

キッチンの壁はレンガ模様のシートを貼って、もとの白壁から一新、リビングの雰囲気と合わせています。

コンロの周りはレンガ模様とコンクリート模様のシートを貼っています。シンク周りは、お子さんのおままごとセットと同じタイル模様のシートを。

最初にDIYをしたのはこちらのキッチンで、おままごとセットは、奥さまの台所とイメージを合わせて作りました。これにはお子さんも「ママの台所とおんなじ!」と大喜びだったそうです。

キッチンカウンターから見えるリビングの様子です。カウンター越しには、古い倉庫をリノベーションしたインダストリアルスタイルのカフェのような光景が広がります。

キッチンカウンターの脇に棚が設置されています。「娘がまだ赤ちゃんだった頃に、オムツをしまっておくために作りました」と岡部さん。小さい子がいると、とっさに使うものなどは、すぐ手の届くところに置いておきたいものです。「子どものアイテムや生活感が出てしまうようなモノはなるべく見せたくなくて。そういう物をオシャレに、カッコよく隠せないかなと思っていろいろ作りました」

この棚は、木材を床と天井につっぱらせることで柱を作ることができるアイテムを使い、市販の2×4(ツーバイフォー)材をセットして作っています。

木にはリメイクシートを貼り、オイルの染み込んだ木材から漂う独特な風合いを演出しています。扉のガラス部分にはガラスシートを使用。ガラスシートには、バーベキュー網を茶色く塗装し貼り付け、工場などの窓に使われている網入りガラスのように仕上げています。

おままごとセットの横に置かれている2つの棚も、お子さんの物を収納するためのもの。奥さまから、幼稚園に持って行く物や洋服などを入れるための棚を作って欲しいというリクエストを受けて作ったそうです。

この棚はカラーボックスにリメイクシートを貼り付け作っています。扉部分はセリアの鉄板風シートを用い、ヴィンテージ加工し、無骨な感じを演出。たとえお子さんが使うものであっても、岡部さんのDIYに抜かりはありません。ちなみに奥様は「〔イケア〕のカタログを見せて、こういう棚が欲しいと伝えたんですけど……朝起きたら、この棚ができていました」と苦笑。

こちらの棚は、カラーボックスに木を貼り付け、塗装をしています。リメイクシートとはまた違った、ナチュラルな重厚感が出ています。扉部分はバーベキュー用の網とガラスシートで作成。よく見ると、ところどころに赤サビが。

「赤に黒を少し混ぜで、スポンジでポンポンと叩いて赤サビ塗装をしました。コーナー金具にも、水彩絵の具で、サビやスレ、キズ塗装しています」と岡部さん。経年変化でくすんだペンキの色味や、使い込むことで剥き出しになった金属の表情が絶妙に再現されています。

こちらはカラーボックスで作ったおもちゃ箱です。セリアで購入したというプラスチックのボックスも、現職の赤・青・黄ではなく、少しグレーが入ったような落ち着いたカラーのものにして他との調和を取っています。

“スチームパンク”でさらに自分らしく。

岡部さんが想い描く世界観をつくるアイテムとして、ひときわ存在感を放っているのが、壁に配されたインダストリアルな配管インテリアです。これは、アートやデザイン、ファッションなどの分野でも人気のある“スチームパンク”の世界観を取り入れたものなのだそうです。

産業革命の時代の社会を舞台にした、SFファンタジーな世界観をもつ“スチームパンク”。産業革命の原動力になった蒸気機関車が、代表的なモチーフとして使われます。蒸気機関車の蒸気や配管、真空管、歯車……そういったものがインテリアにも取り入れられています。

これは空き箱に鉄板風シートを貼り、蚊取り線香が入った缶のフタや湿度計を組み合わせ、塗装し、サビ塗装を施しています。鈍色を帯び、朽ちた鉄の深い味わいが感じられます。

リビング全体に配管を飾っています。ここには、朽ちた鉄のような塗装をした歯車のオブジェも。

コンクリート調の壁紙と相まってスチームパンクの雰囲気をさらに醸し出しています。

部屋の随所に配されたこの配管。どのようにして作ったのか岡部さんに聞いたところ「ホームセンターで買った塩ビパイプを銀色に塗装して、サビ塗装をして作っています」とのこと。塩ビパイプにはまったく見えず、重厚感があり、どこからどう見ても鉄の配管です。

「持ったらすぐわかりますよ」と岡部さん。試しに持たせていただくと、おっしゃる通り、軽い。この軽さは塩ビパイプです。

よく見ると、配管を壁に留めているのも、釘ではなく、画びょうのようなものです。「これは《ニンジャピン》というもので、壁にさしてもピン跡が目立たないんです」

聞けば、岡部さんのDIYは“現状復帰”できるようにしているのだそう。《ニンジャピン》で留めるのは、あとで外した時に跡が目立たないようにするため。壁一面に貼った壁紙も、壁に直接は貼っていません。幅の広いマスキングテープを壁紙の辺に沿って貼り、壁にも同様にマスキングテープを貼って、そこに両面テープを貼り、壁紙を貼り合わせているのだそうです。

ちなみに壁に掛けられている岡部さんの宝物のギターも、固定する際、壁に大きな穴をあけてしまう釘などは使用していません。

ホチキスで留めることができる《壁美人》という壁掛けフックを使っています。

間接照明を取り入れ温かみを出す。

友人を招いて、ここでお酒を飲む時間が最高に楽しいと言う岡部さん。「家にいながらもお店にいるような気分になれ、居るだけで楽しくなりますよ」。落ち着いた雰囲気や温かみを出すために、岡部さんは間接照明を上手に取り入れています。

「間接照明であえてぼんやりと照らすようにしています」と岡部さん。ぼんやりと照らすことで、金属的なオブジェや無骨なインテリアに、温かみを加えているのだそうです。

棚の上に置かれた球体の照明。この照明を点けると、部屋全体をやわらかな光で包み込みます。

天井にも陰影ができ、部屋に立体感が生まれます。

岡部さん自作の照明もあえてぼんやり照らし、温かみを作り出しています。

「この部屋は8割くらい作れたかなというところです」と岡部さん。これだけのインテリアなので、相当お金がかかっているのではないかと思い、DIYにかけた総額をお聞きしたところ「15万円くらいです」とのこと。いかにお金をかけずに作るかが岡部さんのこだわりでもあるそうです。そんな岡部さんの次の課題は、まだ手をつけていない部屋なのだそう。「どんな風に作ろうか、いろいろと練っています」。

●ライター 忍章子

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