医療保険の解約返戻金とは?メリットや活用法などを詳しく解説!

1泊2日の入院手術、外来の手術など。万が一、病気やケガで病院にかかったときに活用できる医療保険。一般的に発売されている医療保険の多くは、掛け捨てタイプの保険です。掛金を保険会社に支払い、保障を準備するのですが、さまざまな環境変化に伴い保険契約を辞める際、基本的に解約金はありません。

しかし種類によっては、解約返戻金といって保険を辞めたときに掛金の一部が戻ってくるタイプの医療保険も。そこで今回は、解約返戻金のある医療保険についてご紹介していきましょう。

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医療保険の解約返戻金とは?

あまり聞きなれない「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」という言葉ですが、保険の世界では、とても有名な名前として知られています。意味は文字通り、契約を解約した場合に契約者へ払い戻すお金のことを指します。

基本的に掛け捨てタイプの保険は、保険会社が契約者から預かった保険料について、解約返戻金として備蓄し、運用するシステムを取っていません。保険会社としての医療保険の考え方については、不特定多数の加入者へ保険制度の加入を募り、ひとつのお財布に全員の掛金をまとめて、保険金請求者へ保険金・給付金の支払いを行います。

国の調査を参考にしたり、自社で管理している保険契約の年齢・性別ごとの病気・ケガの罹患率と保険金・給付金の支払い金額を計算したり。年齢・性別ごとにどれくらいの保険料を預かれば、大規模な自然災害などが起こったときに、保険会社が破綻することなく制度を運用できるか、ということを考えて保険料を作成しています。

その上で、加入者の負担をできるだけ少なくするために、保険料をぎりぎりまで押さえ込んで一般販売を行っていますので、基本的には貯蓄目的ではないのです。

しかし近年では、貯蓄性を備えて欲しいといったニーズが増え、保険会社は別の財布を創り貯蓄のニーズに応える保険商品を販売するようになりました。そして、こういった特別な商品については、制度開始から解約返戻金の機能を持たせています。

ただし、保険契約というのは、はじめに約束した期日まで保険料を契約者に支払ってもらうかわりに、支払保険料総額と同額または少し多めに契約者にお返しをしますというもの。保険料払込期間中に任意で契約を解約してしまうと、契約当初と約束が違うことになりますので、お戻しする解約返戻金は、保険料払込総額よりも少なくなる傾向にあります。

医療保険で解約返戻金が発生する可能性

医療保険で解約返戻金が発生するパターンは、大きくわけて3種類。ひとつは、貯蓄性を兼ねて設計をされた医療保険の場合です。このタイプは、保険制度に加入時に保険料の払込期間、または積立金のキャッシュアウト時期をあらかじめ設定して契約を行います。

設定した日が到来すると、契約時に約束した積立金を契約者に支払います。この際、保険料払込期間中に病気やケガで保険金・給付金を受取った場合は、積立金から差引いた金額を支払うことが一般的です。

中には、設定した日よりも前倒しで保険契約を解約した場合にも、積み立てた保険金の一部を解約返戻金として契約者へお返しする制度を設けている保険会社もあるようです。

続いては、掛け捨てタイプの医療保険に、オプション(特約)として一生涯の死亡保障となる終身保険特約というものをつけている場合です。保険会社が預かる終身保険特約の保険料については、将来の保険金・給付金を支払うための財源として責任準備金を積み立てなければなりません。

年齢が高くなるにつれて死亡のリスクは高くなりますが、加入時から保険料が変動しないように設計されているため、年齢が若い時期に保険料を前払いしている形になります。保険料の払込期中、または保険料の払込が終了したあとも責任準備金は積み立てられているため、解約をした場合に解約返戻金として契約者にお戻しする内容になっています。

もうひとつが、終身医療保険の保険料の払込を早期に完了した場合です。この場合メインの主契約(入院日額1万円など)の設定金額によって、保険会社の所定の料率で解約返戻金が設定されます。

一概に、解約返戻金のある保険を選ぶべきとはいえませんが、家計の状況や、将来に残しておきたいお金と、いま使いたいお金のバランスを見て、保険を検討することが大切です。

貯蓄にもなる積立型の医療保険を探すには?

貯蓄型の医療保険を探したいのであれば、まずはいくつかの保険を取り扱っている保険代理店のようなところに行くといいかもしれません。いくつかの保険を比較して選べば、きっと納得のいく積み立てができることでしょう。

ここでは簡単に、どんな人にどんなタイプの積立型医療保険が向いているか、解説していきましょう。たとえば、年齢が若い方で、大きい死亡保障が必要ではないが、死亡した場合に、自分のお葬式代くらいは自身で用意しておきたいと考えられている方の場合。

終身型の掛け捨てタイプの医療保険に終身死亡特約をつけて、60歳までに保険料の払込が終了するように設定し、加入するというのはいかがでしょう? 急な資金需要が発生した場合、医療保険の終身死亡特約のみ解約、または減額して積立てた保険料をキャッシュアウトすることが可能です。

お子様がおられるファミリー層の方には、貯蓄性を兼ねた終身医療保険が適切であるといえます。お子様が成長される任意のタイミング(成人、大学卒業、結婚時期)に保険料の払込が終了するように設定しておけば、任意の時期に積立金を受取ることができますし、急な資金需要が発生した場合には、保険契約そのものを解約して積立てた解約返戻金をキャッシュアウトすることができます。

ご自身で銀行預金などが難しい方も、口座やクレジットカードで毎月の支出として保険の制度を活用することで、狙った時期や急な入用の際に、積立てたお金を活用することができます。資金需要が無くとも万一があったら保険として有効に活用することが可能なので、生活に対する不安がよりいっそう解消されることでしょう。

解約返戻金が発生するものなど医療保険はさまざま 見比べてみよう

医療保険ひとつでも、さまざまな契約手法があり、医療保険に望む保障や貯蓄性については十人十色です。保険会社も、より良いサービスや商品を開発し日進月歩していますので、どの保険会社が、どんな商品を開発しているのかに興味を持っていただければと思っております。ぜひ、お気に入りの保険を見つけて制度加入を検討してみてください。

プロフィール

松田 俊一
通信インフラ設計会社、インターネット通販会社を経て、2010年より保険代理店FPとして勤務。個人・法人を問わずリスクマネジメント、福利厚生、資産形成、資産運用について相談・提案を行っています。お金にまつわるさまざまな悩みの相談役になれるよう、社会的使命を持って自己研鑽に努めています。

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