東西「インドカレー」対決(コラム:マッキー牧元×門上武司の往復書簡)

日増しに夏感高まる今日この頃、自然と体が欲するのは辛さも香りもシゲキ的な「インドカレー」。東西ともに、香り高いスパイス使いが自慢の両店、<チキン>でいくか<キーマ>にするか……う~ん悩ましい!

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今回のお題【インドカレー】

インドカレー対決 東/Venu’s South indian Dining vs. 西/スパイスチャンバー

【東】マッキー牧元 Venu’s South indian Diningの「チキンウプカレー」

門上様、僕は普段カレーを食べません。いや、仕事としては食べません。

しかしふとした拍子で、カレーの三文字が頭をよぎると、居ても経ってもいられなくなる。
特にこれからは、この発作が激しくなる時期ですね。

そんな時に走り込むのは、インド料理屋です。
なにしろ食べたくて、インドまで旅したくらいですから、インドカレーを至上として崇めています。

なかでも一番はまっているのが、当店『ヴェヌス』です。
シェフは、銀座にある名店『ダルマサーガラ』出身の名人、ベヌゴパール氏。

メニューはなんと、50種類上。
タマリンドの酸味が利いた煮干しとナスのカレーなど、珍しい料理も多くありますが、おすすめは、スペシャリテの「チキンウプ(塩チキンカレー)」です。

少量の砂糖で味の骨格を広げ、生のカレーリーフをどっさり使うなど、調味と香りの支配に類まれなるセンスがあり、食べれば、さりげないのに、しみじみとうまい。
淡い味のようで実は濃く、食べ進むにしたがって、味わいと香りが深くなって抜け出せなくなります。

さらにこれを、ほの甘く酸っぱい、タマリンドライスにかけたら、たまりません。
門上さんでも、もう戻れませんよ。

南インド出身のシェフが生む、さりげないのにしみじみ旨い奥深い香りとコクに包まれたシンプルなチキンカレー

▲チキンウプカレー 1000円
ホールスパイスをふんだんに使い、香りをじっくり引き出す。
「スパイス以外は、少量の砂糖と塩のみのシンプルな調味。シェフほどの腕を持つとレストラン料理のみになりそうなのに、敢えて家庭料理を出しているのが素晴らしい」(牧)

相性抜群のタマリンドライス 800円

Venu’s South indian Dining
[住所]東京都墨田区錦糸2-6-11
[TEL]03-6284-1711 
[営業時間]11時~14時半、17時~22時(21時半LO)
[休業日]無休
[席]テーブル24席、カウンター4席/計28席 カード不可/予約夜のみ可/サなし 
[交通]JR総武本線錦糸町駅から徒歩1分

【西】門上武司 スパイスチャンバーの「キーマカレー」

牧元さん、カレー粉の誕生は大阪らしいのです。

薬の街として名高い道修町で、とある会社が英国から輸入されていたカレー粉に、漢方薬の原料と近い香りを発見。
数種のスパイスを混ぜ作り上げたのが1905年のことでした。

ちなみにインド総領事館が近くにあったことも起因しているのかもしれません。

スパイスをいかに調合するかが、カレーの肝です。
今回ご案内する『スパイスチャンバー』の店主・阿蘓慎太郎さんは、カレー好きが高じてカレー店を開業することになった人物。

2010年開業で、最近までチキンカレーとキーマカレーの2種を提供していましたが、「いまはチキンカレーは改良中で、キーマだけです」と話していました。
常に自分の仕事に対して疑問を投げかけ、修正を加えるのです。

17種類のスパイスを混ぜるのですが、一緒に煮込む玉ネギの甘みなどを考えながら、スパイスの配合や分量の調整をこまめにおこないます。
重層的な辛味が、むしろ爽やかな印象を与え、辛さの中にスパイスの息遣いを感じることができるのです。

阿蘓さんは、元レコード会社の宣伝マン。
牧元さんとの共通項も多い人です。

是非ともお出かけください。

スパイスの配合が最大の肝。そこに細心の配慮を払った重層的かつ爽快な辛さの研ぎすまされたキーマカレー

▲キーマカレー 1000円
「スパイス17種類、鶏の胸肉、淡路島産玉ネギ、ヨーグルト、ニンニク、生姜が入るキーマカレーは梅干しがトッピングとなります。この酸味もいいアクセント。かなり辛いので、和らげるにはチーズをプラスするのがおすすめです」(門)

お弁当もある(こちらは予約可)

スパイスチャンバー
[住所]京都府京都市下京区室町通綾小路下る白楽天町502 福井ビル1F 
[TEL]075-342-3813
[営業時間]11時半~15時(月~土)、18時~20時(火・木のみ)
[休業日]日・祝
[席]カウンター7席のみ カード不可/予約不可/サなし
[交通]地下鉄烏丸線四条駅・阪急京都線烏丸駅か
*お弁当のほか、テイクアウトのカレーもある

プロフィール

マッキー牧元/タベアルキストを自称して早30年、ひたすら美味しいものを食べ歩き、それを生業とすべく、各誌への寄稿に励むコラムニスト。東の食雑誌『味の手帖』編集主幹でもある。

門上武司/小誌でもおなじみの、あらゆる食情報に精通している西のグルメ王。食関連の執筆・編集を中心に、各メディアに露出多数。関西の食雑誌『あまから手帖』の編集顧問も務める。

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