こんなアイデアと暮らしたい。@東京デザインウィーク2015

今日も朝起きて顔を洗って目覚めのコーヒーを入れて身支度を整える…そんないつもと同じ日常のルーティンにちょっとした新しい切り口を加えるだけで新鮮な自分を発見できる。TOKYO DESIGN WEEK 2015で見つけてきた、そんなイノベーティブなデザインをLIMIA的視点からチェック。

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TOKYO DESIGN WEEKで見つけたライフスタイルを豊かにするアイデア

年に一度行われるアンテナ感度に優れたクリエイティブデザイナーの祭典、TOKYO DESIGN WEEK。アート、ファッション、建築、ミュージックなど様々な分野のクリエイター達が参加し、一歩二歩先のライフスタイルを提案してくれる展示が満載。と聞くと新し過ぎてあまり一般人には関係ないのでは…と思われる諸兄もいらっしゃるかもしれないが、そこは心配ご無用。先ほども書いたように”一歩二歩先”にある「あ、こんなのあったらいいな」「こういうのを求めてたよ」といった、私たちの日常を豊かにしてくれるイノベーションをちゃんと具体的に提示してくれる。

敷居が高いなどという事は一切無く、機会があれば来年も是非気軽に足を運んで欲しいイベントだ。2015年も多数の企業やクリエイターが参加し「インタラクティブ(相互作用)」をテーマとしたコンテンツを展開。その中から我がLIMIA編集部的に気になったコンテンツを紹介してみよう。

道具として人に馴染むデザインを燕三条の優れた金属加工技術で具現化

質の高いハンドメイドの刃物など、古くから金属加工技術に優れた新潟県燕三条市に住むクリエイター、荻野光宣氏デザインの掛け時計を始めとした金属製のキッチン用道具各種。鋼独特の質感を活かした風合いの掛け時計に、思わず触れてみたい使ってみたいと思わせる、人の手で使われる事をイメージしてデザインされた道具達。

視覚だけでなく触覚でも感性を刺激し、まさに生活の中にある何気ない日常の行動をも豊かにする…そんなコンセプトが伝わってくる。思いがけない発想で斬新な料理が生み出せそうな道具達である。トッププロ展に出品。

クリエイターの荻野氏は、作り手とデザイナーとのコミュニケーションを重視し、日本の道具のあり方を世界に伝え続ける事を信条にデザイン活動を行ってる。

漆塗りと素朴な手触りを融合し、グローバルな和食器のあり方を表現。

漆塗りと木目を活かした仕上げという2つの質感を組み合わせ、木を使った”和”食器。漆特有の絢爛さと暖かみのある素朴さを融合。

それだけでなく欧米的な食器スタイルである”ワンプレート”の発想も盛り込む事で、昨今の世界的日本料理ブームをも見据えたグローバルな視野も内包。デザイナーの吉田貴子氏は、インテリアデザインを中心に、商業施設の環境デザインなど、人とスペースの相互作用を意識したデザインを得意とする。トッププロ展に出品。

木目そのままの風合いを楽しめる全体の中に、黒や赤の漆塗り部分をデザインすることで和のテイストながらワンプレートディッシュをイメージさせる欧米風スタイルを構築した一品。

空間に溶け込む”見えない”LEDテーブルライト

いわゆるテーブルライトのボディを吊り下げ式にしたらどうだろう。というシンプルなアイデアながら、そこにデザイナー個人のエッセンスが注入されることで新たなライフスタイルが見えてくるイノベーティブな作品「i-v LED PENDANT LIGHT」。

吊り下げられるアルミフレームボディをLEDを埋め込んだ状態で厚さ8mmと極限まで薄くデザインしたことにより光が浮遊しているかのような錯覚を起こさせる。味わった事のない不思議な感覚が斬新。デザイナーは窪田 茂氏。トッププロ展に出品。

既存の造形技術の枠を越える、3Dで出力するテーブルランプ

フェイバーワーク、いわゆる既存のプラスチック造形の製造工程では不可能な造形でも3Dプリンターで出力すれば可能。そんな3Dプリンターの特性を活かした、従来では考えられなかった造形=デザインを施したテーブルランプ「Dress」。

このような技術革新によってデザイナーの自由な発想がスポイルされずにカタチとして具現化できる。更にそこからまた新しい技術が生まれる。その連鎖こそがイノベーションの本質だ、ということを教えてくれる作品ではないだろうか。デザイナーは阿武優吉氏。トッププロ展に出品。

あの”ベッド”のシモンズがソファに進出! ブランド名は”blinka”

独自のポケットコイルを採用したマットレスで極上の睡眠を提供するシモンズが、新たなカテゴリへ進出する第一弾としてソファブランド”blinka”を発表した。TDWでは「まず来場者に体感して欲しい」とブース出展。シモンズマットレスと同様に独自開発されたポケットコイルを内蔵し、オリジナルのテキスタイルとトップ面のキルティングパターンによってポケットコイルを可視化したようなデザインの2タイプのスツールと2タイプのソファで構成。

これら4アイテムと背もたれや肘掛けなどの各種オプションを組み合わせ、よりダイナミックなレイアウトを可能とした事で、エントランスロビーやオフィスでのレイアウトや使い勝手など、これまでにない柔軟な発想での癒しの空間演出が期待できる。住空間にも新たな”価値”を見い出すヒントを与えてくれるアイテムであるのは間違いない。クリエイティブライフ展に出展。

大小のスツールにI型とシェブロン(山型)タイプソファの計4タイプをラインナップした、いわゆるコンヴァーティブルベッドに位置づけられるソファシステム。コイルの上には発泡ビーズクッションを採用し、座っても寝転がっても快適な新感覚の座面を実現した。
シモンズ独自の技術、ポケットコイルのサイズや形状を選択することで、座り心地を左右するコイルの硬さや長さを変更。その形状にあった快適な座り心地を追求している。

伝統の和柄を今に伝える「着物アート」

世界的な和柄ブームの継続とともに、和柄を使ったアート作品などが注目を集めるようになっている昨今、本物の着物を使い、「畳み込み」という技法を用いる「着物アート」の和宝もブースを出展。加えて100人のクリエイター展示エリアにも選出された。「畳み込み」は直接着物を加工するようなことはせずビジュアルアート作品として生まれ変わらせる、製作者である金森美穂さん自らが編み出した技法。

この技法の素晴らしいところは、裁断などの加工が伴わないので着物として再び復活させる事が可能だ、という点。元々の着物としての価値を削がずにアートとしての新たな価値、生命を吹き込み再生させることができ、加えて日本古来の着物、という文化を文字通り”そっくりそのまま”次世代に遺せるという点では最良の保存形態の一つとも言える。伝統文化の継承といった的な面から見ても大変意義のあるアートとして話題となっている。クリエイティブライフ展に出展及びNEXT の100人展に選出。

着物を畳み込み、ひとつの額縁に収める。着物が痛まないような保存に適した方法を試行錯誤の末編み出した。
金彩を等間隔で縫い付けている。伝統の技術がそのまま反映されたクオリティの高さには目を奪われる。

普通の水を炭酸水に変える! シュワーッをご家庭で簡単に楽しめる

昨今では飲み易く、健康にも良いとの理由からコンビニでの売り上げもうなぎ上りという炭酸水。それがご家庭で簡単に作れるとしたら? 実はこのお洒落なマシンがその炭酸水メーカー、ソーダストリーム。炭酸水には疲労回復、血行促進、整腸作用といった効果があると言われ、海外では昔から炭酸水を好んで飲む文化がある国も多いという。このソーダストリームはいつも飲んでいる水にガスを溶け込ませるだけでそんな炭酸水を作れる、手軽さが魅力のアイテムだ。

しかも電源も不要なのでランニングコストは500mlあたり18円。コードもなくスリムな形状なのでキッチンの狭いスペースに滑り込ませたり、アウトドアに持ち出す事だって可能だ。また様々な味の専用シロップもオプションされているので、好きな味のソーダをいつでもご家庭で楽しめる。ホームパーティの時などにあると場が盛り上がる事間違い無し。

ソーダメーカー本体は仕様が違う4タイプをラインナップ。1本のガスシリンダーで約60l(弱炭酸設定時)の炭酸水が作れる。

アートの遊園地「teamLab Islands」企画展がTDWに出現!

プログラマー、エンジニア、CG、アニメーター、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、エディターなど、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されるウルトラテクノロジスト集団、チームラボが提唱するアートを遊び尽くす企画展、「teamLab Islands」。

自分が描いた絵がデジタル水族館で実際に泳ぎ出す「お絵描き水族館」を始め「天才ケンケンパ」「まだかみさまがいたるとこにいたものがたり」など、実際に動いて触って楽しめる、チームラボの代表的な体感型イベントをワンフロアまるまるを使って展開。CGアニメーションとのインタラクティブ(対話)が楽しめるイベントの数々はまさに未来の遊園地を想像させてくれる。

自分で描いたお魚の絵をスキャンして取り込むと、なんと壁いっぱいに展開される「水族館」で自分の絵が泳ぎ出す「お絵描き水族館」。
フロアのスクリーンに出た絵柄に従ってケンケンパ。デジタルグラフィックに従って身体を動かすアミューズメント「天才ケンケンパ」。

今回のTDWは、最先端を走るテクノロジーやアート、デザインにインタラクティブ(対話、相互作用)というテーマをクリエイターに与える事で現実社会で生きる私たちとの接点が見え易くなり、結果として理解しやすい方向性で打ち出していた作品が多かったように思う。

その中でもリアルな日常生活と密接にリンクしつつもそこに新たな視点、切り口を与えてくれそうなデザインを今回はピックアップしてみた。明日からの私たちの生活が豊かになりそうな、そんな夢のある作品は自分の感性で見つけてこそ。来年のTDWには是非足を運んでみて欲しい。日常の色を変えてくれるデザインに出会えるかもしれないから。

Photo:木下 誠
Text:藤川経雄

●取材協力
TOKYO DESIGN WEEK

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