庭木の剪定はいつすればいいの?

植木屋さんが忙しいのは年の暮れ? 夏にばっさり剪定しているのも見かけるけど……。
剪定に適した時期について考えます。
キーワードは、「花芽の分化時期」と「樹木の貯蔵エネルギー量」です。

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花芽ができる時期を知ろう

花が咲く、というと、直前につぼみができて、ふくらんで、咲く……、
そんなふうなイメージを抱いている方も少なくないと思います。 

ところが、植物によっては、花芽(はなめ、花になる芽のこと)を開花よりもずいぶん前に準備しているものもあります。

花芽ができた後に剪定をすると花が咲かなくなってしまう場合があるので、剪定の適期を考えるうえでは必要な知識です。

花芽がつくられる時期について整理してみましょう。
大きく分けると、2つのグループになります。


A 春に伸びた新しい枝に花芽がつき、その年に咲くタイプ
 <キンモクセイ、サルスベリ、バラ、ムクゲ、ハギなど>

だいたい、夏から秋にかけて開花する仲間です。
花が終わってから、翌年の春までの間に剪定すれば、剪定が原因で花が咲かないという事態は避けられるでしょう。


B 春に伸びた新しい枝につくられた花芽が冬を越して、翌年の春に咲くタイプ
 <ツツジ、ウメ、ツバキ、ハナミズキなど>

だいたい、春に開花する仲間です。
花が咲いて数か月で翌年の花芽ができるので、開花の前年の夏には花芽が用意されていることになります。
このグループは花後すぐが剪定適期と言われます。
開花の少し前なら、花芽を確認しながら剪定することもできます。



実際はもう少し細かいグループ分けになりますが、「春に咲く花は前年の夏頃に花芽ができていることが多い」と覚えておけば十分だと思います。

樹木の貯蔵エネルギー量の変化を知ろう

樹木が体内に蓄えているエネルギー量は季節によって増減します。
その変化のパターンを知ると、剪定の時期を決める手がかりになります。

樹木のエネルギー量の変化を、季節を追って見ていきましょう。 


A 春から梅雨 ~芽吹きと成長

この時期は新しい枝葉が出て、ぐんぐん成長していきます。
このとき、貯蔵エネルギーの量は、枝葉の成長に反比例するように減っていくことになります。
この直前の時期、つまり芽吹き前の時期はエネルギーの蓄積が最も多いと考えられます。


B 夏 ~エネルギー生産と貯蓄

春から伸びた新しい枝の成長が落ち着く時期です。
広げた枝葉を使って光合成にはげみ、エネルギーを蓄積していきます。
見た目には勢いがあって元気そうな時期ですが、エネルギーの蓄えは低い状態になっています。
この時期に枝葉がほとんどなくなるような強い剪定をすると、木に大きな負担をかけてしまいます。


C 秋から冬 ~冬越しの準備

夏の間に生産したエネルギーを体内に蓄えて、冬に備える時期です。
落葉樹は、葉っぱを落として休眠に入ります。
常緑樹は冬の間も活動を続けますが、10月頃になると枝葉の成長は止まります。

庭木の剪定はいつすればいいの?

庭木の剪定はいつすればいいのでしょう?
できるかぎりわかりやすく、まとめてみます。
※()内は関東地方における目安の時期です。

A 芽吹き前(3月)
樹木の蓄えたエネルギー量がもっとも多い時期なので、思い切った剪定が可能です。
植えつけや移植もこの時期が適期となります。

B 春から梅雨(3~6月)
春の花木の花後剪定の時期です。
夏ごろまでに翌年の花芽が作られるので、花が終わったらなるべく早く剪定をしましょう。

C 夏(7~8月)
見かけは元気そうな樹木も、貯蔵エネルギーは少なくなっている時期です。
枝葉をほとんど取ってしまうような強い剪定は避けましょう。
ただ、枝葉が茂って込み合ってしまう時期なので、枝葉を透かす剪定はしてもOKです。
風通しのいい、涼しげな木姿にしましょう。
カシなどの樹勢の強い木は、この時期に剪定して枝葉の量を減らすことで、その成長のスピードを緩やかにすることが期待できます。

D 秋から冬(10~12月)
多少の違いはありますが、常緑樹も落葉樹も成長の止まる時期です。
この時期に剪定すれば、翌年の春、新しい芽が動き出すまで整った木姿を楽しむことができます。
庭をきれいにして新年を迎えたいというのも人情でしょう。
葉を落とした落葉樹は芽吹き前の時期と同様、思い切った剪定も可能です。
常緑樹は寒さに弱いものが多いので、極端に枝葉を減らすような剪定は避けましょう。

いかがでしょうか?
もちろん樹木の生態がすべて明らかになっているわけではありません。
よくわかっていないこともたくさんあります。
(たとえば、休眠期の直前に樹木にとって危険な時期があるという指摘がありますが、その原因はわかっていません)。

ですので、これまでの記述は話半分から7割程度でとらえていただき、ご自身で剪定をされるときや植木屋さんに依頼するときの参考していただければ幸いです。
ガーデニングの効用の一つは、「わからないことがある」ということを知ることにあります。
「わからない」ということが、人に自分の目で観察をさせ、自分の頭で考えさせてくれるのだと思います。

なお、剪定作業時に脚立から転落してケガをしてしまったという話をよく聞きます。
作業の際は、安全に十分注意してください。

written by jardinier Kirikui

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ジャルディニエ・キリクイは、神奈川で庭づくり・庭の手入れをしている小さな会社です。

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