テーマは「ドイツの古い家」。 -逗子のテラスハウスをフルリノベ-

リノベーションで「こんな空間に住みたかった」という夢を叶えてくれるのも、全てパートナー次第。今回ご紹介する逗子の海岸にほど近い築40年越えのテラスハウスは、施主さんの思いと設計を担当したTato Design・大山さんの提案が合致した、まさに意思疎通から生まれた。

それではそんな2人がどんな会話をしながらこのハイセンスなリノベーション空間を作り上げたのか、そのストーリーを見ていきましょう。

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リビングルームは20畳弱。モルタルの床と白壁にこだわる。そして前の住まいで使用していた家具などに合うようにデザインされている。

イメージの共有ができるということが大切

輸入家具や食品などを扱うライフスタイルショップを数多く経営する会社に勤める施主の鈴木さん。中古物件を購入して自分好みにフルでリノベーションをしようと約6件の建築設計事務所回っていた時に、雑誌「BRUTUS」でTato Designのリノベ物件を見て、これだ!と思い問い合わせることに。

以前ドイツに住んでいたことがあり、今回のテーマとなるその時住んでいた古い家のイメージを伝えると、TatoDesignの大山氏は誰よりも理解してくれたという。そうしてそこから「イメージの共有」がさらに深まり、大山氏に全てをお願いすることを決心した。

まずはベースとなるテラスハウス。実は全然違うエリアで大山氏に物件を探してもらっていたという。そんな中、施主の鈴木さん自身が偶然この物件を見つけ大山氏に相談した。すぐに見学に行った大山氏は、ほぼ当時のままの姿の内装を見て、可能性を感じたという。閑静な住宅街にあって緑に囲まれたその物件は、逗子の海岸までも徒歩圏内。

元々は当時のデザイナーズテラスハウスだったため、作り自体は元からかなりオシャレな雰囲気だったという。それを生かしてフルリノベーションすることで鈴木さんの希望にあった「ドイツの古い家」が再現できると感じたという。配管設備などは全て新品に交換し、この築41年のテラスハウスをさらに20年以上は快適に過ごせる空間へとチェンジしていくのだ。

アンティークを感じさせる空間

玄関を入ると、すぐに4段の階段になっている。今回のテーマでもあるドイツの古い家と同じように白壁に粗めのオーク材という組み合わせで仕上げている

20畳弱の1階のリビングダイニングは鈴木さんのオーダーによりモルタルの床で仕上げた。以前の住居から持ち込んでいるアンティークな家具は最初から大山氏と相談しながら配置なども決めていたという。

ダイニングテーブル上にあるこの照明は、鈴木さんが欲しがっていたもので、TatoDesignの大山氏に相談しようと思っていた矢先に同じものを大山氏から提案されたという奇跡的な出会い。まさに意思疎通が合致し、イメージの共有がなされた瞬間だ。

キッチンは、希望通りにほぼ特注で仕上げた。業務用に近い仕様となっていて、上の食器棚はまさに業務用。ステンレスと無垢材が織りなす雰囲気は抜群だ。ここはパートナーさんの意見を盛り込みながら仕上げられた空間。

ウォークインクローゼットで区切る2ndフロア

2階へと続く階段は玄関から続く粗めの無垢材を敷いている。手すりのイエローが差し色となってワンポイントで効いている。

2階に上がるとまず目に飛び込んでくるのが、この作り付けのワークスペース。二人で並んで作業ができる。チェアは施主の鈴木さんの愛用、デンマークのインテリアブランド「HAY」の作品。

現在は来客用として泊まりに来た方々の為の部屋にしようしているスペース。将来的には子供部屋になることも考慮に入れているとのこと。

来客用の部屋の反対側はベッドルーム。床は無垢材、ドアは特注で海外を彷彿させる雰囲気。

この客間とベッドルームの間はウォークインクローゼットで仕切られていて、双方を行き来できる仕組み。クローゼット内は片側が鈴木さん用、もう片側がパートナーさん用。スライドドアを閉めれば完全に別空間となる。

バスルーム周りはレトロな雰囲気で仕上げる。洗濯乾燥機はドイツの高級家電「ミーレ」製。こういうワンポイントでも全体のイメージを作り上げてくれる。

トイレはCDプレーヤーを備えた快適空間。床のタイルは施主の鈴木さんとイメージを合わせながら仕上げた。

DIYによる+α空間

元々あった広いテラスはなにも手がつけられていなかったが、施主の鈴木さんによるDIYでオシャレな団欒スペースへと変化。周辺の環境もいいので天気のいい日はお庭でランチなんてのも楽しめる。ちなみにこのスペースはリビングダイニングからだけではなく、キッチンからも直接出入りが可能。

設計を担当したTato Design代表の大山氏(左)と施主の鈴木さん(右)。鈴木さん曰く、「一緒にイメージを共有できるパートナー探しが一番重要です。」とのこと。鈴木さん自身もあちこちの建築設計事務所に相談する中で、大山氏と一緒に作り上げていくことを決めた理由はまさにそこだ。この家に住んでからは休日は海で遊んだり、自宅に友人を招いてパーティをしたりと、ライフスタイルも充実しているという。この空間はとにかく気に入っていて、親身になって夢のリフォームを実現してくれた大山さんには大いに感謝しているとのことだ。

<物件概要>
◆所在地:神奈川県逗子市
◆構造:RC造地上2階建て
◆形態:フルリノベーション 築41年 テラスハウス
◆面積:78.61平米
◆間取:2LDK
◆施工時期:2014年11月〜12月
◆施工期間:約2ヶ月
◆費用:約3000万円(税抜) *物件購入費+設計施工費
◆建築/デザイン:Tato Design
◆施工:株式会社ダブルボックス

今回逗子のテラスハウスのインテリアリノベーションをデザイン・設計したのは東京都渋谷区にあるTatoDESIGN。スタイルのあるリノベーションで有名で数多くの住宅や商業施設の設計を担当している。ありきたりではない自慢できる快適空間を目指すなら、一度訪れてほしい建築設計事務所だ。

●取材協力
Tato DESIGN
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-3-8
TEL 03-6721-1985
http://www.tatodesign.jp/

◆Photo:木下誠  
◆Text:小久保直宣(LIMIA編集部)
◆illustration:cocolo design

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