ダブル発電のメリットやデメリットは？太陽光発電の売電価格が下がるってホント？

ダブル発電とは？

ダブル発電とは、太陽光発電システムと、創エネ機器を併用して発電している状態のことを指します。創エネ機器とは、蓄電池や住宅用バッテリー、エネファームやエコキュート、電気自動車などのことです。太陽光発電を蓄電池や住宅用バッテリーと併用している場合、ソーラーパネルによって作られた電気は住宅用蓄電池やバッテリーに貯めて、夜間に使用することができます。

あるいは、エネファームとの併用なら、太陽光発電でも電気を作り出せる一方で、エネファームがガスに含まれる水素と空気中に含まれる酸素から電気を生み出し、その際の排熱を利用して給湯をおこなうことも可能です。さらに、電気自動車なら、バッテリーを蓄電池代わりに活用し、電気代の安い深夜電力をバッテリーに貯めておいて、電気代の高い日中の電気をまかなうこともできます。

ソーラーパネルの規模にもよりますが、ダブル発電ができれば自宅の電気のほとんどすべてをまかなえるようになるため、完全な自家発電で生活することもできるのです。

ダブル発電のメリットは？

ダブル発電のメリットは、省エネと電気代を削減できることです。ダブル発電を導入することにより、4人世帯の一般的な家庭なら、年間で約50,000～60,000円の光熱費を削減することができます。

自立運転が可能な製品なら、停電時や災害時にも大きな活躍をすることでしょう。また、ダブル発電には、送電ロスが少なく電気を効率よく利用できるメリットもあります。

たとえばエネファームとの併用の場合、発電時に二酸化炭素や有毒ガスを排出せず、クリーンなエネルギーを使用できることも大きな魅力です。発電量や使用電力量はリモコンモニターで把握できるので、家庭の電気の使い方を考えるきっかけにもなります。

ダブル発電のデメリットは？

メリットが多そうなダブル発電ですが、まだ一般的に普及しているとはいい難い状況です。普及を阻む原因のひとつは、初期費用の大きさです。たとえばエネファームなら、導入には1台あたり2,000,000円程度かかります。太陽光発電システムも同じくらいの初期費用がかかるので、両方を合わせると4,000,000円程度を見ておかなければなりません。

エネファームの導入に際しては補助金を受け取ることもできますが、上限を450,000円としているケースが多く、負担が大きくなることは否めません。初期コストが高くなってしまうことから、ダブル発電の導入による電気代の削減効果に疑問を感じる方もいるようです。

また、エネファームの場合、設備は永久的に使用できるわけではなく、寿命が最長20年ほどであることもネックになっています。最長で20年ですから、現実的にはもっと短いスパンで交換が必要となると、一般家庭では導入にためらいを感じるのもうなずけます。

また、売電価格が下がってしまうのもデメリットです。実は、ダブル発電した電気の売電価格は、ダブル発電せずに、太陽光発電システム単体で発電した電気の売電価格よりも下がってしまいます。

その理由のひとつは、ダブル発電で生み出された電気が、純粋に再生可能エネルギーのみで作られたものではないためです。そもそも太陽光発電において電気を買い取ってもらえるのは、再生可能エネルギーの普及率を上げたいという目的があるため。

太陽光は再生可能エネルギーですが、ガスやエネファームの発電する電気は再生可能エネルギーにはあたりません。本来であれば、太陽光パネルで発電した電気とそれ以外の電気を分けることができたらよいのですが、回路の仕組みとして難しいので、ダブル発電にすると買い取り価格は下がってしまうのです。

まとめ

ダブル発電には、初期コストの増加や売電価格の低下というデメリットはありますが、家庭ですべての電気をまかなえる発電システムを持っておくことは、単純なコスト以上のメリットもあるといえます。災害などが発生した際の非常時、あるいは、石油や天然資源の高騰で電気料金が大幅に値上がりした際のリスクヘッジになりますし、環境にやさしいクリーンエネルギーを利用したライフスタイルには魅力も感じられます。

ダブル発電の導入を検討している方は、シミュレーションサイトを活用したり専門業者に相談してみたりして、ぜひ情報を集めてみてください。