急勾配の傾斜地で、景色と暮らす!山の中腹に浮かぶ家
急勾配の傾斜地だからこそ、目の前に広がる素晴らしい景色。
そんな景色と暮らすための、山の中腹に浮かぶ箱のような住宅。
OT-House のストーリーです。
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緑の多い山の中腹に浮かぶ箱
緑の多い、山の中腹に浮かぶ箱。
敷地全体が急勾配で傾斜している中に、
上下に積まれた2つの箱が、
まるでそこに浮かんでいるかのように、
建築しました。
この家では、
敷地のどこにも、平らな部分はありませんでした。
すべて急勾配の傾斜地です。
そこで、斜面上に、
コンクリートの箱を浮かべるようにつくることで、
その上に、平らな空間を確保しようと考えました。
斜面上に、箱を浮かべるようにつくったことで、
平らな部分が全くない急勾配の傾斜地の中に、
唯一の平らな庭となるテラスをつくり出しています。
そして、眼前には、
遮るもののない景色が広がっています。
玄関から中へ
2つの箱が、
まるで積み重なるようにして、建てられています。
コンクリートの箱の上には、鈍く光るアルミの箱。
中へは、このアルミの箱から入ります。
アルミの箱の中に入ると、
道路に面する側が窓一つない閉じた雰囲気だったのとは対照的に、
二方向の壁が取り払われて、
前面に広がる景色に向かって大きく開かれています。
さらに、床も、天井も真っ白で、
目の前には素晴らしい景色だけが広がっています。
真っ白な床・壁・天井は、
ガラスを突き抜けて、
そのまま、屋外のテラスへと連続しています。
山の中腹に、
一枚の平らな面が浮かんでいるように見えます。
そして、
その上にもう一枚の平らな面が浮かんていて、
その下の部分が室内。
緑の中に浮かんでいるような、
リビング・ダイニング・テラス。
テラスに立つと、
目の前には、この絶景。
屋内と屋外とは、
屋根が架かっているかどうかの違いでしかなく、
同じように、
前面に広がる山の景色に向かって大きく開かれているような家。
それぐらい開放的な家にしたいと思いました。
急勾配の傾斜地の途中にあるため、
周囲からの視線も気になりません。
家の中にいても、外にいても、
まるで、空飛ぶ絨毯で、
緑の上に浮かんでいるみたいな感じです。
周囲が暗くなると、
昼間は隠れていた灯りが、天井に浮かび上がります。
景色の邪魔にならないように、
照明器具はすべて、
天井に掘り込むように設置されています。
そのため明るい間は、その存在が気になりませんが、
夜になると、
光源の見えない光のかたまりとして、
天井に浮かび上がります。
ガラスの際には、
カーテンボックスの中に設置された照明が、
光の帯をつくります。
室内の灯りが、テラスを明るく照らし、
その先には、
山の麓の家々の灯りが、夜景となって瞬いています。
何もない広々とした場所で、
必要なものを、必要に応じて、
取り出せるようになっています。
この素晴らしい景色の邪魔にならないように。
黒く塗られた引き戸の奥には、
大きな収納スペースが確保してあり、
冷蔵庫までが、その中に収められています。
レンジフードも、吊戸棚の中に隠れていて、
使う時だけ、姿を現します。
照明や天窓も、
天井に開いている穴の中に隠れています。
2階のリビング・ダイニングから、1階の個室へ
傾斜地に浮かぶように建っているため、
普通の家とは逆になっていて、
2階にあたるアルミの箱の方に玄関があります。
そして、
このガラスの引き戸を開けると階段があり、
そこから、まるで地下に降りていくようにして、
1階にあたるコンクリートの箱の中へと入っていきます。
階段の上部には天窓が付いていて、
下の方まで光が降り注ぎます。
アルミの箱は、木造であるにもかかわらず、
その中は真っ白で、無機質な感じの空間になっていましたが、
コンクリートの箱の方は、
コンクリート打放しの、硬い外観の印象に反して、
中に入ると、
木を多用した、柔らかい雰囲気の空間になっています。
屋内と屋外の雰囲気を、あえて逆にしました。
そのイメージのギャップを利用して、
それぞれの空間を、
より印象的なものにしようと考えました。
コンクリートの箱の中の寝室には大きな窓があり、
風景を絵のように切り取っています。
周囲が暗くなると、
天井のそこかしこに、
昼間は隠れていた照明の光が浮かび上がります。
寝室の照明は、
カーテンボックスの中に隠れています。
光源が見えない上に、カーテンの方を照らしているため、
ベッドで寝ながら天井を見上げても、眩しくありません。
急勾配の傾斜地だからこそ出来た家
急勾配の斜面の途中に、
浮かぶように建っている家です。
景色を遮るものはなく、
また、周囲からの視線を気にする必要もありません。
春になると、
傾斜した庭に桜が咲きます。
夏になると、
緑に埋もれます。
他の場所ではなく、
この場所でこそ実現出来るような家にしたい、
と考えました。
家づくりには、
敷地の状況から、家族構成、予算など、様々な条件があります。
そうしたことを、単なる制約と捉えるのではなく、
その場所、その時でしか出来ない、
個性的なものを実現するためのキッカケと考えて、
取り組みたいと考えています。
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