ベニヤと1×材で窓廻りの雰囲気UP。木製内窓をDIY。

薄いベニヤ板は加工は容易ですが反りやすく、たわみも大きいものです。
ところが、ベニヤ板を重ね貼りすると反りが軽減され、しっかりした板材に生まれ変わります。
また、切り欠いたりなどしたベニヤを貼り合わせることで、特殊な工具が無くても彫り込みや溝加工など形造ることが可能です。
このようなベニヤ板の特性を利用した引違い内窓の作成を紹介致します。

本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています

  • 11063
  • 119
  • 0
  • いいね
  • クリップ

引違いサッシに内窓を取り付ける際の注意点

内窓作成に入る前に幾つか注意点、確認点を紹介致します。

①既存サッシの取り外しが可能か確認。

メンテナンスのために既存サッシが外せるようにしておきたいところです。
一般的な引違いサッシの取り外し方法は、サッシを持ち上げてサッシの下側を室内側に引き入れます。
その際、サッシが内窓敷居に干渉しないように内窓敷居の厚みや敷居取り付け位置を検討しました。

写真はサッシを持ち上げてサッシ下側を室内に入れた状況です。
我が家のサッシでは上記の状態で窓台からサッシ下端までのクリアランスが約10ミリありました。
内窓敷居の厚みをこれ未満にするか、内窓敷居を既存サッシから離しておかないと、既存サッシが内窓敷居に当たって室内から外せなくなってしまいます。

②既存サッシのクレセント操作に支障がないかを確認。

内窓を既存サッシに近づけ過ぎると、クレセントを回したときに内窓に干渉してしまう恐れがあります。
既存サッシ開閉の支障にならないように、既存サッシと内窓は離した方が良いでしょう。

③内窓本体を容易に外せるようにしておく。

木製建具は使用と共に建付けが悪くなる場合があります。
また、掃除やメンテナンスのことを考えると、内窓本体は簡単に外せる方が良いでしょう。
外し方は既存サッシと同様に、内窓本体を一度持ち上げてから手前に引き入れます。
そのためには、敷居(下枠)溝は浅く、鴨居(上枠)溝は深くします。

引違い内窓の設計

引違い内窓を閉じている状態で、左右窓枠の重なりが前後ズレずに重なっていると綺麗な仕上がりに見えます。
窓開口Wと内窓本体枠幅Aを決めて、下記の式から内窓本体横幅寸法Bを割り出すことが出来ます。
B=(W+A)/2

高さ方向の納まりは下図の通りとしました。
ホームセンターで入手出来る材料で納まるように検討しました。

内窓本体枠のベニヤカットはホームセンターにお願いしました。
ベニヤの切り方を予め検討しました。
ノコ厚によるカット欠損は3ミリとしました。

内窓本体は下記のようなベニヤ貼り合わせにしました
表面に12ミリシナベニヤ
中間に4ミリラワンベニヤ

下枠は戸車彫り込みのため表面に5.5ミリシナベニヤ2重貼り。
中間に4ミリラワンベニヤ

使用した材料は

既存窓開口おおよそH1300×W1600、内窓引き違い2枚で使用した材料です。
但し、窓位置が壁の入隅なので窓額縁が入隅の部分だけ細くなってます。
額縁とは窓枠に付ける化粧板のようなものです。

以下、単位はミリです。

窓本体の枠材
▪シナベニヤ
 1820×910×12×1枚
 910×910×5.5×1枚
 6ミリ厚を探しましたが見付けられませんでした。
▪ラワンベニヤ
 910×910×4×1枚
 シナベニヤでサンドイッチされて見えないので見た目が悪くても大丈夫です。

窓格子の材料
▪角棒
 10×5×900×18本
 10×2×900×19本
▪隠し釘
窓枠と水平に格子の角棒を固定するために使用。

窓外枠材料
▪1×4材 8本
 1本は定規として使いました。
▪1×1材 8本
▪1×2材 1本

敷居材料
▪リフォームフロアパネル
 厚み3ミリ×幅150×長さ1000×4枚
 ラバーゴム状の柔らかくカッターで容易に切れる素材のものにしました。

窓採光部
▪ポリカーボネート中空板
 1820×910×厚み3×2枚
▪中空断面からのゴミ侵入防止として
 キッチンアルミテープ

▪戸車4個
 タイヤがフラットで高さ調整出来るもの

窓間と窓下の隙間解消
▪モヘアテープ
 脚長さ4ミリと10ミリ

▪マスキングテープ

▪クッションフロア用強力両面テープ
 
▪塗料
 窓枠類
 デコアート ヴィンテージエフェクウォッシュ ホワイト

 窓格子
 ターナー アイアンペイント ブラック

1×4材以外の規格材が無い場合は、1×4材をホームセンターでカットしてもらうと良いでしょう。
カットしてもらう場合は端を捨て切りしてもらう方が直線が出て良いのですが、カット代が増えてしまいます。
捨て切り代をサービスしてくれるところもありますので、交渉しても良いでしょう。

断面の小さい材料ほど反りが激しいので、選別して購入しました。
写真は1×1材で、反りはマシな方です。
木製建具は建付けが悪くなりやすいので、メンテナンスしやすいように調整式の戸車を使いました。
タイヤ右に見えるネジを回すとタイヤ高さを調整出来ます。
建具の反りを考慮して建具の召合わせの隙間を大きくしました。
その隙間を解消するために足の長いモヘアを付けました。
戸車を使うと引戸下に隙間が出るので、そこを埋める隙間テープとして使用しました。
LIMIAでよく見掛けるので、初めて使ってみました。
窓格子をロートアイアンのように見せたい。

窓枠、鴨居、敷居の作成

窓開口廻りにマスキングテープを貼ります。

マスキングテープの上に両面テープを貼ります。

上枠(鴨居)を用意します。
1×4材を窓開口幅にカットしました。

鴨居(外枠の上枠)に使用する材料の断面を見て、木表(きおもて)木裏(きうら)を確認します。
写真の下面(年輪の外側)が木表、上面(年輪の内側)が木裏です。
鴨居は木表が下(内側)に向くように使います。
木材表面は木裏側に反り出ますので、木裏を内側に向けてしまうと建具が外れなくなったり最悪動かなくなる恐れがあるためです。

外枠の左右縦枠を用意します。
壁開口高さ寸法から上枠厚みを引いた寸法でカットします。

上枠、縦枠の室内側角裏に1×1材を短く切って両端と中間あたりに付けます。
こうすることで枠を壁から均一に出します。

上枠、左右縦枠の順に貼り付けます。
一人で作業する場合は、上枠を貼り付けたあとに左右どちらかの枠を上枠の中心近くに仮置き突っ張り棒のように使いながら、片方の縦枠を付けると良いでしょう。

縦枠は弓形に曲げながら押し込み、端材を当てながらハンマーで叩き入れました。

我が家の窓カウンターは壁から16ミリ程出てます。
これを隠したいので、内窓外枠を壁より19ミリ出してから額縁をつけるために、1×1材(約19ミリ)を枠裏に付けました。

上枠の額縁を用意します。
1×4材を使用しました。
額縁と壁の間に1×1材の隙間が生じるので、額縁に予め1×1材を付けておきますが、両端19ミリ短くしておきます。

上枠の額縁は鴨居溝を兼ねるようにしたので、上枠表面から19ミリ出るように取り付けます。
上枠は自重で下に湾曲している状態なので、このまま額縁を付けるとうまくいかないと思いました。
そこで、額縁取り付け位置の直下に1×4材を縦枠に仮付けして、そこに額縁を乗せて上枠を下から押さえながら、額縁と上枠をビス留めしました。

額縁の取り付け位置を決めるために、仮の板を付けます。
仮板取り付けビス跡は縦の額縁を付けると隠れます。
写真では上枠が下に若干湾曲してますが、額縁を付けると平らになります。
上枠のビス穴は、後でダボ埋めの予定です。

次に、縦枠左側の額縁を用意します。
壁との隙間埋めの1×1材は、上下枠の額縁横の隙間埋めを兼ねるため、縦額縁から両側89ミリ計178ミリ長いものを付けました。

下写真のように上枠の横隙間に差し込み、縦枠を横から押さえながら額縁と縦枠をビス留めしました。

1×4の小口を切り捨て忘れて印字が見えてます。
サンドペーパーで削りましたが、消えませんでした。

右側の額縁は壁の入隅なので幅が細くなります。
丁度1×2材で納まりました。

下の額縁を付けます。
壁との隙間は下から覗かないと見えない位置なので、1×1材の切れ端を適当に入れました。
下の額縁の固定は、左右の縦額縁に下からビス留めしました。
下の額縁に予め深目にビス頭が埋まる穴を開けました。

下側額縁の上端に厚み6ミリの棒を付けて、敷居板のエンド見切り兼、敷居溝の立ち上がりとしました。

棒はボンドと隠し釘で付けました。
隠し釘とは釘頭が取れる釘で、見た目がスッキリします。

ピンク色の点が隠し釘です。
釘のサイズによって色が違います。
細い棒への打ち付けなので下穴を開けました。
隠し釘のゴム頭が若干横に広がるまで打ち込み、ボンドがある程度硬化してから隠し釘の頭を横から軽く叩いて釘頭を取ります。

鴨居溝を作るために1×1材を付けました。
溝幅にカットした木材を挟みながらビス留めしました。

取り付けた1×1材は左2本です。
右端は額縁兼、鴨居の一部となります。

敷居は、厚み3ミリのリフォームフロアを2重貼りにして溝付きに加工しました。
接着は両面テープを使いました。

リフォームフロアを片方切り出して仮置き
もう片方の材料を先に置いたフロア材の下に入れて切り出し位置を確認
リフォームフロア2重貼りで敷居溝を作成

既存サッシを外せるか試したところ、大丈夫でした。

ビス穴が目立つところは予めダボ穴を開けてダボ埋めしてから塗装しました。

敷居材は元々白いリフォームフロアなので無塗装です。
戸車で塗装が剥げる心配も少ないと思います。

枠と既存サッシ間の隙間(黄色いマスキングテープが見えている部分)は、リフォームフロア残材を貼りました。

既存サッシとの隙間黄色部分に
リフォームフロアの残材を貼り付けました。

内窓本体の作成

内窓本体は4ミリラワンベニヤを12ミリシナベニヤでサンドイッチにして作成しました。
内窓本体下枠は戸車を埋め込むための彫り込みを、切り欠いたベニヤの組み合わせで作成するため、4ミリベニヤを5.5ミリシナベニヤ2枚重ねでサンドイッチにしました。
本当は6ミリシナベニヤ2枚重ねで12ミリにしたかったのですが、6ミリシナベニヤを見付けられませんでした。

内窓本体の下枠
長方形のカットはホームセンターに任せて、凹型切り欠きのみセルフ加工
切り欠き線にカッター溝を入れて
ノコギリで切れる線は切って
コの字型に切り欠くには、ノコギリで千切りして
ベニヤの細い不要部分にノコギリの歯を引っ掛けて折り
カッターで形を整えました。
ラワンベニヤは柔らかいので、切り欠き線に沿って両面にカッター溝を何度か入れてからカッターを押し込み、不要部分を折り曲げて除去しました。
切り欠いた4ミリベニヤを5.5ミリベニヤでサンドイッチにして、戸車が納まる形に加工。
更に5.5ミリシナベニヤを両面貼って内窓本体下枠は完成です。
室内側の12ミリシナベニヤ上枠と縦枠を配置して、この3方枠と先程組み立てた下枠及び4ミリベニヤをボンド貼りで繋げます。
4ミリベニヤは中心の層なので長さが足りなければ継ぎ足しでokです。
コーナーの重ね部は重要なのでしっかり接着させます。
外側(既存サッシ側)の3方枠12ミリベニヤはビスで付けました。
ポリカーボネート板の脱着のためです。
枠の片面において、下枠は5.5ミリシナベニヤ2重貼なので11ミリ厚。
縦枠は12ミリ厚なので枠の段差が気になるかと思ってましたが、逆に段差がある方が立体感が出て良い感じでした。
上枠も5.5ミリ2重貼にすれば良かったかなと思ってます。
窓枠の塗装
側面をしっかりサンディングすれば綺麗に仕上がるのですが、省略しました。
これは後で後悔することに。

戸車を取り付け。
ベニヤの断面にビス留めはベニヤが裂けやすいので要注意。
下穴必須です。

下枠の底面に隙間埋めテープを貼りました。
縦枠と下枠が分離出来るように隙間テープもカッターで切り分けました。

ポリカーボネート中空板の加工

ポリカーボネート中空板をはめ込み内側寸法より2ミリ程小さくカッターでカットしました。

中空板内にゴミが入らないように中空断面部にアルミテープを貼りました。
セロテープでもいいかなと思いましたが、ポリカーボネート板の説明書き通りとしました。

アルミテープは幅広なので、一度貼ってからカッター線を弱く入れて不要テープ部分を取りました。

窓格子の取り付け

5×10ミリ角棒を窓枠内側でポリカーボネート板差し込み溝際に付けます。
ボンドを付けて下穴開けて隠し釘打ち。
隠し釘を打ちやすくするため、ポリカーボネート板は外しました。

ベニヤまでの下穴必須です。
1ミリドリルを使いました。

角棒の小口断面にボンドを付けながら格子を組み立てます。
格子が崩れないようにポリカーボネート板を入れて作業しました。

格子の1層目完了。
小口断面のみの接着では壊れやすいので格子2層目に取り掛かります。

格子2層目は格子1層目の継ぎ目を跨ぐように付けます。
10×2ミリの角棒を使いました。

格子2層目の完成です。
ポリカーボネート板が無くてもしっかりしています。

格子直ぐ横の窓枠をマスキングします。
マスキング位置は格子から1ミリ程離すと直線の塗装となって綺麗に見えます。

マスキングの入隅は浮きやすいので要注意です。
カッターの背などでしっかり押さえると良いでしょう。
マスキングは格子からほんの少しだけ離して貼ると、直線の塗装になって綺麗に仕上がります。

塗装完了次第、マスキングを剥がします。

塗料を多目にトントンするように塗ってみました。
角棒の継ぎ目が隠れてロートアイアンっぽく見える!?

トラブル発生。
ベニヤ断面をサンディングしなかったため、
マスキングをしっかり貼っても凹凸隙間が発生して、塗料が回り込んでしまいました。

ポリカーボネート板と枠を戻して内窓本体完成。

裏は割り切って仕上げ無し。

内窓の召し合わせ部にモヘアテープを貼ります。

モヘアテープの上端は鴨居溝を避けるように少し下げます。

内窓をセットして最終確認。

内窓召し合わせの隙間埋め。ok
敷居上の隙間埋め。ok
内窓を閉めると縦枠と隙間が生じてるので、戸車の高さを調整します。
タイヤ右のプラスネジを回してタイヤ高さを調整
隙間解消
内窓横幅寸法を間違えたようで、窓枠重なりが20ミリズレてしまいました。
このようにしたかったのに...

格子が意外にしっかりしたので、引き手は付けずに格子に手を掛けて開閉することにしました。

以上、ベニヤと1×(ワンバイ)材を使った内窓DIY の紹介でした。

非常に長い投稿を最後まで御覧頂き、ありがとうございました。

  • 11063
  • 119
  • いいね
  • クリップ
コンテンツを違反報告する

あなたにおすすめ

関連キーワード

カテゴリ

このアイデアを投稿したユーザー

主に戸建分譲ディベロッパーの仕事をしているサラリーマンです。色々な職種、職人さんとお付き合いしていくうちに自ら物造りに目覚めてしまいました。宜しくお願いします。

yassanさんの他のアイデア

DIY・工具のデイリーランキング

おすすめのアイデア