新しくても、団地。環境の良さ、お得な制度も健在の「平成の団地」のすすめ
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団地というと「昭和」というイメージがあります。この連載でとりあげた団地も、昭和に建てられたものがほとんどですが、じつは団地は平成になってもつくり続けられていました。そんな「平成の団地」では、現代の生活にあわせて建物は変わりましたが、環境の良さや、お得な制度は健在です。 来年で元号が変わり、そろそろ平成を振り返ることが多くなるのではないでしょうか。そこで今回は、平成に建てられた団地について紹介しましょう。
環境の良さを引き継ぎ、記憶を継承する建て替えパターン
平成の団地の中で多いのが、昭和に建てられた団地を建て替えるパターンです。多くは高層化されましたが、豊かでゆったりとした外部環境は、建て替え前から引き継がれています。 建物の間隔はゆったりと。緑はたっぷり、公園もきちんと。
建て替えですから昔から住んでいた住民が移り住むことも多かったでしょう。記憶を継承するため、元の団地の痕跡を残す例がよくあります。
アルビス旭ヶ丘では、元の団地に生えていた樹木やグランドが残されています。 ユニークなのはサンヴァリエ金岡。建て替え前にスターハウスが建っていたので、集会室と公園の東屋がスターハウスの形をしています。
アルビス旭ヶ丘グランド:訪れたときは少年野球が練習の真っ最中だった
サンヴァリエ金岡スターハウス:公園の東屋はスターハウスの形だけでなくインテリアも再現されている
設備のスペックは最近のマンションとほぼ同じ
平成の団地となると、最近のマンションと設備のスペックはほぼ同じです。 お湯は三点給湯ですし、浴室はユニットバスでキッチンも広い。
昭和の団地でも、折々に最新のものに設備を更新していますが、建物制約上、今のマンションでは当たり前のものがないことがしばしばあります。エアコンを取り付けられる部屋が限られていたり、洗濯機置き場がなかったりなど。 その点、平成の団地は問題ありません。設備的に不満があることはないでしょう。
最も大きなことは、5階建て程度の場合でもエレベーターがつけられるようになったことでしょう。緑が多くて車の危険が少ない団地は子育てに向いているとわかっていても、階段を子どもを抱きかかえて登るのはちょっと……と敬遠されていた方々にはうれしい仕様です。
アーベイン東三国インテリア:昭和の団地に比べてキッチンがゆったりとつくられている
アーベイン東三国インテリア:窓の多さは平成になっても変わらず
アルビス旭ヶ丘浴室:浴室はユニットバス
ペットに優しい団地も
昭和の団地の多くは標準設計と呼ばれる決められた間取り、建物が採用されていました。昭和53年以降はこの決まりが撤廃され、団地ごと独自の設計がなされました。
おかげで平成の団地では新しい試みがなされるようになって来ました。 パークシティーふれあいのまちはペット可の珍しい団地です。単にペットOKなだけでなく自由に散歩させてもOKな公園やエントランスに専用の洗い場を設けるなどペットと暮らすときに便利な設えもされています。
パークシティふれあいのまち:ペットを自由に散歩させることができる公園
パークシティふれあいのまち:エントランス内にペット用の流しが備えられている
有名建築家設計のデザイン性あふれる団地
デザインを世界的に活躍する建築家に依頼するケースもあります。
南船場団地は、安藤忠雄。 東雲キャナルコートCODANは、新国立競技場の設計者隈研吾など、複数の建築家が関わっています。世界的に活躍する建築家に自分の家を設計してもらうことは難しいかもしれませんが、借りて住むことはできます。
南船場団地:設計は安藤忠雄。らしいシンプルな外観。
南船場団地:1階ホールから上を見上げると天井に穴が開いている。これも安藤忠雄らしいデザイン。
東雲キャナルコートCODAN:棟ごとにデザインや間取りが異なる
東雲キャナルコートCODAN:中庭に商店街がある。
昭和の団地に比べると家賃は高めですが、スペックやURや公社が用意しているお得な制度は変わりません。 団地に暮らしたいけど古いのはちょっと……という方にはおすすめの平成の団地です。
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