外壁の劣化の原因からセルフチェックまで!対策・対処法を教えます

私たちが長く暮らす家には、定期的なメンテナンスが不可欠です。普段雨風にさらされている外壁は、なかでも特に大切な箇所です。外壁が劣化してしまうことで、家全体の耐久性にも大きな影響を及ぼす場合があります。劣化に気づいているのに、それを放置しておいては何も良いことはありません。もし劣化に気づいたら、早めに対処することで住宅そのものの寿命を延ばすことにもつなげられます。今回は、どんな原因が考えられるのか、ご自宅の劣化をチェックするためのポイント、どのように対策を行えばいいのかについてご紹介します。

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外壁の劣化を自分でチェックする必要性

外壁の塗装リフォームをするきっかけとしては、以下のようなケースが挙げられます。

・前回塗装した期間から大体の年月がたった
・色があせてきた、くすんできた

上記のように、「なんとなく傷んできたかも……」と感じられるものもあるでしょう。その一方で、以下のような目で見てはっきり劣化がわかるケースもあります。

・外壁がボロボロに剥げてきた
・明らかに壁にカビや落ちない汚れ、変色がある

ご自分で外壁の劣化を見つけて塗装業者に依頼したものの、実は自分たちでは気づかなかった部分の劣化も進んでいる場合があります。塗り替えだけでなんとかなるだろうと予想していたら、見積金額が想定の費用をはるかにオーバーしていて焦ってしまう事態になるかもしれません。それを避けるためにも、やはり定期的にご家族で劣化をチェックしておくことは大切でしょう。

劣化の兆候がご自分で見つけられれば、早めの塗り直しや補修ができます。かかる費用も、大幅な劣化が発生してから修繕するよりはかなり抑えられますし、外壁を綺麗な状態でより長持ちさせられるでしょう。

外壁の劣化をチェックする場所とポイント

ここでは、外壁の劣化を判断するためのチェックポイントについてご紹介します。

【ポイント1】シーリングの劣化
現在、戸建て住宅の中で最もポピュラーな外壁素材はサイディングボードです。建物の骨格に合わせて板状のサイディングボードを貼り付けていき、さらにボードのすき間の目地をシーリング材でつないでいくという手法で外壁が作られています。

シーリング材とは建物の防水性や気密性を保つために、継ぎ目の部分やすき間の部分に埋め込むゴム状の材料のことです。これが劣化すると雨水が壁の中に侵入し、建物そのものの劣化を早めてしまいます。

しかし、このシーリング材は紫外線や雨風などの影響を受けやすく、サイディングボードよりも劣化の進行が早くなる傾向にあります。もし施工されたシーリング材にひび割れや変形などが見られたときには、シーリング材の打ち替えや打ち直しを行わなければなりません。

シーリング材のひび割れなどをそのままにしておくと、ひび割れから水分がしみ込み、外壁の内側にまで侵入してしまいます。こうなると、周囲のサイディングボードの変形を招くだけでなく、建物そのもの劣化にもつながってしまいます。

また、メンテナンスが必要ないといわれているタイル外壁にも、目地の部分にシーリング材が使われています。シーリング材の劣化で建物内部に水分の侵入が起こりやすくなる点はサイディング外壁と変わりませんから、目地部分のチェックは不可欠です。

【ポイント2】ひび割れ
外壁塗装のひび割れには、大きく分けて以下の2種類があります。
小さなひび……塗装の表面あたりのひび。塗膜の下地まではダメージがまだないひび割れのことです。
大きなひび……塗装の下地あたりから割れている。ここまでいくと建物そのものが危険になってきます。
セメントを水で混ぜて作られているモルタルの外壁は、特に表面にひび割れが起きやすいので注意が必要です。ひび割れを見つけたら、ひび割れの程度がどのくらいなのか塗装業者に診断をしてもらう必要があります。

【ポイント3】チョーキング
チョーキングは塗膜が粉状になることを指し、外壁の表面を軽くこすると白い粉が手につくのですぐにわかります。長年紫外線を浴びたり、雨風に打たれたりすることで外壁はダメージを受け、それにより塗膜が劣化します。チョーキングは、塗料に含まれている顔料が劣化により白い粉状になって吹き出している状態です。

【ポイント4】塗装のふくれ
外壁の塗装がぷくっとふくれていて、そこを触ると塗料が剥がれて落ちてしまったり、ふくれた部分が破れてそこから水が出てきたりすることがあります。これは、外壁の内側に水が溜まったために発生します。原因は、塗膜の劣化やひびによって雨水が浸入し、それが塗膜と下地の間の部分に溜まってしまうことにあります。

また、施工不良で中に水蒸気やカビなどが発生し、内側から塗膜を押し上げてふくれが発生したなどの事由が考えられます。これも放置していると建物の内部にまで雨水がしみ込みやすくなり、雨漏りの危険性があります。

【ポイント5】カビやコケによる汚れの発生
外壁の表面が緑色に汚れていたり、黒っぽく変色したりしている場合は、カビやコケの発生が疑われます。特に北側の外壁には日が当たりにくく、これらの汚れが発生しやすくなります。放置しているとどんどん増えて、汚れが落ちにくくなることもあります。これらの目立つ汚れがあったら、早めに対処しましょう。

外壁に劣化があった場合、また自分で判断できない場合

自分でチェックして何かを見つけたとしても、劣化が外壁だけなのか、下地にまで影響しているのかは素人では判断できません。より詳しい状態を把握するために、外壁専門業者に調査の上、適切な処置をしてもらいましょう。

自分の目で見ても特に劣化が判断できないという人もいるかもしれませんが、長年見慣れているだけに色の変化などに気づかないだけかもしれません。外壁は定期的に塗り替えが必要になるものですから、その目安を判断してもらうためにも専門業者にチェックをお願いしてみると良いでしょう。チェックをしてもらう場合、新築から以下の年月の経過が目安となります。

サイディングボードの場合…7~12年
モルタル外壁の場合…8~10年
ALCパネルの場合…10~15年

自宅の外壁の種類を把握し、上記の目安に照らし合わせてみてください。

外壁が劣化する原因とは

ここでは、外壁が劣化する主な原因を5つご紹介します。

【原因1】雨風の影響
酸性雨が外壁に触れ続けてしまうと、外壁の表面を侵し、劣化することがあります。雨だけでなく、風が吹くことで劣化が激しくなります。雨による汚れに加えて、台風の強い風で劣化が加速していき、外壁がはがれてしまうと下地が傷つくこともあります。

【原因2】紫外線の影響
外壁の劣化は紫外線の影響も大きくかかわっています。紫外線が当たりやすい南側は北側と比べて劣化が激しくなる傾向があります。

【原因3】経年劣化の影響
年月の経過とともに外壁は自然と劣化し、汚れたりヒビが入ったりします。経年劣化の目印として、「チョーキング現象」を見つけたら要注意と考えましょう。外壁を触ったときに指に白い粉がついたら、チョーキングの可能性があります。

【原因4】下地の乾燥
外壁塗装の際は塗装下地を施します。この下地には水分が含まれていますが、水分が少なくなり乾燥すると次第に縮んでいき、外壁にヒビ割れが起きます。小さいヒビ割れでも放っておくと大きくなるため注意が必要です。

【原因5】外壁塗料の質が低いこと
外壁塗装の際に質の低い塗料を使うと、劣化しやすくなります。悪質な塗装業者が施行した場合、塗料の濃度を薄めたり工程を省いたりすることがあり、10年くらい持つとされている外壁塗装であっても短期間で劣化するケースがあります。

ヘアークラックができる原因・対処法

外壁にできたヒビ割れは「クラック」と呼ばれるもので、その進行には段階があります。初期段階である小さいサイズのヒビ割れは「ヘアークラック」と呼ばれており、外壁塗装から時間の経過とともに自然とできることが多いものです。

ヘアークラックの特徴

ヘアークラックは、コンクリートおよびモルタルなどの外壁にできるヒビ割れの1つで、「髪の毛くらいのヒビ」という意味があります。ヘアークラックは幅0.3mm以下かつ深さ4mm以下のヒビを指します。

外壁の素材(コンクリートなど)が乾燥し、収縮したり膨張したりするときに表面に現れるものです。外壁のヘアークラックは構造に大きな影響を与えないため、補修の必要はないといわれています。ただし、外見などを配慮して補修する場合はあります。

ヘアークラックが大きいヒビ割れになると雨水などが浸入し、下地にダメージを与える恐れがあり、注意は必要です。一般的に有害とされるヒビ割れは幅0.3mm以上で漏水部分が幅0.2mm程度といわれているため、目安にすると良いでしょう。

ヘアークラックができる原因

外壁にヘアークラックが生じる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、おもな原因を3つ紹介したいと思います。

【原因1】経年による劣化
年月が経過すると、外壁に限らず建物は自然と劣化していきます。外壁の塗膜性能も時間の経過により低下し、塗膜部分にヒビ割れが生じます。

【原因2】天候や地震
外壁は常に紫外線や雨風にさらされ、ダメージを受けます。気温の変化で凍結と融解を繰り返すと、塗膜が収縮し外壁にヘアークラックが生じます。また、地震の影響で建物に強い力が加わり、ヒビ割れができる場合もあります。

【原因3】弾性塗膜(下地)の上に硬質塗膜を塗装
下地に弾性塗膜を、上塗り塗膜に硬質塗膜を選んだ場合、下地の弾性による動きに対応できず、外壁塗膜にヘアークラックが生じます。塗料選定を誤ると、ヒビ割れが生じやすくなるため、慎重に選ぶ必要があります。

ヘアークラックができたときの正しい対処方法

ヘアークラック程度のヒビ割れであれば、外壁の表面だけに生じているケースが多く、補修の必要がない場合がほとんどです。簡単にヘアークラックの大きさを見分けるには、名刺を1枚用意して判断する方法があります。名刺をヒビ割れの部分に差し込んでみて、入らない程度なら特に問題はありません。

ただし、見栄えが気になる場合や劣化が進むことを極力防ぎたいという場合には、塗装などで対応することができます。具体的な対処法を4つ紹介していきましょう。

【対処法1】塗料の重ね塗り
外壁のヘアークラック部分に塗料を重ね塗りし、埋めていく方法があります。ただし、年月が経過するとヒビ割れが浮き出てしまうというデメリットがあります。その防止策として「フィラー擦り込み」という工法があります。下塗り材であるフィラーをヒビ割れに擦り込み、ヒビ割れを浮き出さないようにする方法です。

【対処法2】接着剤を注入する
ポンプ式の注入器を使って、ヒビ割れの間に接着剤を注ぎ込むという方法も有効です。接着剤が水分の侵入を防いでくれるため、雨にも強くなるメリットがあります。

【対処法3】セメントを使う
手軽な方法としては、「スプレー式被覆補修」、「チョーク式被覆補修」があります。少量の細かいセメントの粉をヘアークラック部分に塗り、覆っていく方法です。

スプレー式は作業時間を短縮でき、比較的簡単に塗ることができるメリットがありますが、セメント粉が周囲に飛散しやすいというデメリットもあります。

チョーク式はセメントチョークを手で塗り込む方法です。適量のセメントを使えるため、コストを削減できるメリットがありますが、圧力の加減によってはセメントが定着しにくいというデメリットもあり、やや高度な技術が求められます。

【対処法4】ヘアークラックの数が多い場合は専門業者などに相談
ほとんどのヘアークラックは補修や塗装の塗り直しなどをせずそのままにしていても問題ありません。しかし、外壁のヘアークラックの数が多すぎる場合には、放置しないほうが良いと考えられます。

目安は、横幅1mの範囲内に3つ以上のヘアークラックがあるかどうかです。近い距離に複数のヘアークラックがある場合、住宅そのものの構造上に何らかの問題がある可能性が高いです。建築業者、塗装業者などの専門家に確認してもらい、どう対処すべきかを相談してみると良いでしょう。

サビができる原因・対処法

外壁に生じるサビは、大気中の水分や雨水が主な原因ですが、建物の種類によって発生原因は異なります。木造とコンクリート造ではどのような違いがあるのでしょうか。

サビができる原因

外壁にサビができる原因は、建物の素材ごとに異なります。まず、木造住宅と鉄筋コンクリート造住宅での違いについて見ていきます。

【木造】
木造の場合、外壁のクラック(ヒビ割れ)や軒天井周辺からサビができやすいです。

・モルタル外壁のクラック
木造住宅にはモルタル外壁という部分があり、その内部に雨水が入ることでサビができることがあります。内部にある防水紙が古くなり防水性能が失われてしまっている場合は、防水紙を取り換える必要があります。

・バルコニーの軒天井周辺
軒天井周辺のサビはバルコニーの手すり付近から水漏れしている可能性があります。手すりと固定部品などに防水用シーツをかけるなどの対応が必要です。

【鉄筋コンクリート】
鉄筋コンクリート造は、仮設アンカーからサビができたり、建物内部の赤サビが侵食したりすることがあります。

・施工時の仮設アンカーによるもの
建物工事の際、足場設置に使われた仮設アンカーから、サビができることがあります。工事が完了して数年後にサビが発生した場合、仮設アンカーが疑わしいです。

・水によって建物内部の赤サビが侵食
外壁の内部にできたサビが雨水で流れ出ると、サビがさらに発生します。雨水が入ってくる部分を確認し、防水対策をする必要があります。建築資材にまでサビができると、建物の強度や耐震性も損ねる危険性があります。

サビができたときの正しい対処方法

外壁にできたサビを自力で修繕する方法はあります。大規模な修繕は塗装業者などの専門家に依頼する必要がありますが、小規模な修繕は可能であることが一般的です。

【自分で修繕する方法1】ブラシでこすって洗う
外壁のサビが初期段階なら、ブラシなどで強めにこすり洗いすれば落とすことができます。ただし、時間が経過してサビが繁殖して根を張ってしまったサビはこすっても落ちないことが一般的です。サビが根を張った場合はサビ取り剤で落とさなくてはなりません。

【自分で修繕する方法2】サビ取り剤を使って洗う
ブラシのこすり洗いで落ちないサビは、まず中性洗剤を使ってみましょう。中性洗剤で落ちない場合は市販のサビ取り剤を使用します。サビ部分に洗剤を吹きかけて時間を置くと、紫色に変色してサビが浮き出てきます。水で洗い流せばサビが落ちます。

サビ取り剤の成分が外壁に残っていると変色したり劣化したりするため、薬剤を残さないよう水洗いしましょう。また、サビができた外壁部分は表面が傷ついているため、サビ止め塗料を塗ってから外壁塗料で補修すると効果的です。

【自分で補修する方法3】高圧洗浄する
外壁のサビを除去する方法として、高圧洗浄も効果的です。高圧洗浄とサビ取り剤を併用すると、さらに効果が高まります。ただし、これらの補修で外観はきれいにできても、サビができた建物は塗膜の劣化が進んだままの状態です。サビの範囲が広い場合は塗装の塗り替えが必要になるでしょう。

業者に依頼すべきケース

外壁にできたサビの状態によっては、自分で対処するより業者に依頼した方が良い場合もあります。どんなケースのときに専門家へ依頼すべきか、具体例を4つ挙げます。

【ケース1】外壁塗装の塗り替えが必要な場合
外壁塗装の塗り替えは、当然プロの方がきれいに仕上がります。また、専門知識も豊富なためサビができやすい場合は予防策も提案してくれます。費用は自力で対処した方が安上がりですが、長持ちさせたい場合は専門業者に頼む方が安心です。特に高所など塗るのが難しい部分にサビができた場合、素人では塗れないこともあります。

【ケース2】高圧洗浄に不慣れな場合
市販の高圧洗浄機は素人でも扱えるものが一般的です。しかし、不慣れな人は高圧洗浄の調節を間違えて建物を破損してしまう可能性があります。また、サビをしっかり落とせないとサビがすぐにできるリスクもあります。

【ケース3】バイオ洗浄が必要な場合
高圧洗浄でも落ちないサビは、バイオ技術を使った植物性の洗剤で洗う方法が有効です。汚れの原因になるバクテリアを分解し、発生を抑制します。バイオ洗浄は特殊な薬品を使用するため、専門業者へ依頼します。

【ケース4】ケレンする必要がある場合
ケレンには1~4種まであり、1~3種に該当する場合は専門家に依頼した方が良いでしょう。

・ケレン1種
サビによる腐食がひどい場合に適用されるサビ落としの対処法です。表面に砂などの研磨材(サンドブラスト)を吹きつけ、その衝撃や摩擦でサビを落として金属に光沢を出す方法です。

・ケレン2種
塗膜の劣化が進み、腐食が始まっている場合に用いられるサビ落としの対処法です。パワーブラシ、ワイヤホイール、研磨ホイール、空気を圧縮させた振動を用いるニューマチックハンマーなどを使ってサビを取り除き、金属の光沢を復活させます。

・ケレン3種
塗膜の劣化が比較的進んでいない場合に用いられる対処法です。ワイヤブラシ、やすりなどを使って職人の手でサビを落とします。表面部分にできたサビを落とす方法です。

サビの状態に応じてケレンの種類は異なり、専門的な技術も必要です。少しのサビは自力で洗浄可能ですが、範囲が広くなった場合は専門業者に依頼した方が安心できます。

外壁にコケが発生する原因・対処法

家の外壁にコケがつくと、見栄えが良くないだけではなく気分も悪くなってしまう方が多いはず。見えない部分ならまだしも、見られやすい外壁にコケが生えてしまうと、今すぐ対処したいと考える方も少なくないでしょう。また、洗浄でコケを完全に落とせないときには外壁の塗り直しが必要になることもあり、早めの対応が必要です。

コケができる原因

コケが外壁に発生するおもな原因を、以下に4つご紹介します。

【原因1】屋内と屋外の温度差
最近の住宅は壁内部に断熱材が入っていたり、エアコンで温度管理が可能になっていたりします。その場合、屋内外の温度差が大きくなることで結露が発生しやすい環境になります。外壁に結露が発生すると湿度は高まり、コケが生えやすくなります。

【原因2】外壁のデザイン
表面がザラザラしたデザインの外壁は、水が溜まるためコケが繁殖しやすくなります。いっぽう、表面が平らでつるつるしたデザインの場合は、水が溜まらずコケも付着しにくいです。参考までにコケができやすいとされている外壁を4種ご紹介します。

・モルタル壁
・リシン壁
・ALC壁
・窯業系サイディング

【原因3】風とおしが悪く、日光が当たらない
風とおしと日光も影響します。風がないと湿度は上がり、コケが繁殖しやすくなります。また、コケは日光を嫌う性質があるため、日差しが当たらない外壁にはコケが生えやすくなります。

【原因4】地域性
季節によって気温と湿度は変化します。外壁のコケは地域の気候によって発生しやすい場合とそうでない場合があります。コケが発生しにくい時期は冬です。温度も湿度も下がり乾燥するため、繁殖しにくくなります。
しかし、コケの種類によっては1年中繁殖するものもあります。水辺の近くや雨が多く降る地域に住んでいる方は、定期的なメンテナンスが必要となるでしょう。

コケができたときの正しい対処方法

外壁のコケが狭い範囲の場合、自分で修繕できるのでしょうか。一般的に有効とされている修繕方法をご紹介します。

【自分で修繕する方法1】塩素系漂白剤で除去
塩素系漂白剤の原液を3倍程度に薄めたものをコケにかけ、10分放置します。その後雑巾やスポンジでこすると、コケが除去できます。強くこすると外壁を傷つける可能性があるため、加減しながら除去しましょう。

漂白剤は皮膚や目に付着すると危険なため、作業する際はレインコート、メガネ、ゴム手袋をしましょう。外壁のコケ取り専用クリーナーも便利です。

【自分で修繕する方法2】高圧洗浄
最近は高圧洗浄機が市販されています。それを使ってコケを除去することも可能です。根を下ろしたコケでも、高圧力の水を吹きかけると落ちていきます。ただし、塩素系漂白剤のときと同様、高圧洗浄は外壁に傷がつく可能性があるため、塗装をはがさないよう注意しましょう。

また、高圧洗浄でコケが飛び散り、近所迷惑になる可能性も考慮しなければなりません。圧力を調整しながら、丁寧に洗浄しましょう。

業者に依頼すべきケース

外壁のコケを自分で除去できればコストを削減できるメリットがありますが、手間がかかるうえに除去し残したコケがさらに繁殖する恐れがあります。ここでは、専門業者に依頼した方が良いケースについて解説します。

【ケース1】高所にコケが発生した場合
高所のコケは脚立で届く範囲までなら自力で洗浄可能ですが、届かない範囲は専門業者に依頼した方が安全です。ロングモップを使って掃除をする方法もありますが、取り残す可能性が高く、きれいに落ちない場合があります。

【ケース2】重度のコケがある場合
コケが深く根を張り、自力では除去しにくいときは専門業者に依頼しましょう。重度になると家庭用の洗剤では落ちないことが一般的です。業務用の高圧洗浄やバイオ洗浄などをしてもらいましょう。

コケなどで外壁に黒ずみができてしまった場合、汚れを根こそぎ落とせるバイオ洗浄を検討してみましょう。ただし、費用は高圧洗浄の2倍以上かかるため、予算と相談して決めてください。

【ケース3】コケに強い外壁にする場合
コケが生えやすい外壁の場合、こまめに掃除をするなど、定期的なメンテナンスが必要です。自分できちんとメンテナンスしているつもりでも、除去しきれないところから再度コケが発生するケースは多いです。メンテナンスの頻度が多いと、コストもかかります。

思い切ってリフォームすることで、コケに強い外壁にする方法があります。凹凸のないタイルなど、コケに強い外壁材を使用した外壁にしたい場合は、高度な技術が必要となるため、専門業者に依頼した方が良いでしょう。

リフォームは大きな費用がかかりますが、定期メンテナンスを繰り返すと総合的に費用がかさむ場合が多いです。1度にきちんとリフォームした方が得な場合もあるため、検討してみると良いでしょう。

外壁の劣化予防策

外壁の劣化を未然に防ぐ方法にはどのようなものがあるか、ご紹介します。

【予防策1】定期的な掃除
外壁を1年に1~2回は定期的に掃除しておくと、劣化を予防できます。基本的に水洗いをすれば汚れが付着しにくくなり、きれいな状態を保つことができます。以下に、外壁の清掃を行う際のポイントを解説します。

・柔らかいブラシを使う
外壁の素材次第では、ブラシで強くこすってしまうことで塗膜がはがれることがあります。洗車用などの、柔らかいブラシやモップを使って掃除しましょう。

・風がない晴れた日を選ぶ
外壁を掃除したあとには水分を自然乾燥させます。風があるとホコリやチリが舞って付着する恐れがあるため、風が強くない晴れた日に清掃を行いましょう。

【予防策2】撥水性のある外壁塗料を塗る
定期メンテナンスの際に、撥水性の高い外壁塗料に塗り替えることも汚れ対策に有効です。撥水塗料は汚れだけでなく、カビやコケの発生も防ぐことができます。カビやコケの発生によって外壁が劣化しやすくなるため、草木などを植える際にはなるべく離れた位置に植えることも大切です。

まとめ

外壁は常に外の空気に触れているため、さまざまな理由で劣化しやすい状況にあります。外壁が劣化する原因を知り、予防策や対処法を取り入れて、大事な家を守りましょう。知っておくだけで、塗り替え時期の大まかな判断ができます。比較的簡単な方法ばかりですし、ご自宅をより長く安心して暮らせるようにするためにも、ぜひ参考にしてみてください。

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