“飽きないシンプルさ”がいい。キッチンにこだわったリノベーションのお宅を拝見

自由自在にリノベーションできるとなれば「あれもこれも!」と欲張りになりがちですよね。でもちょっと待って。そこは長年生活する空間ですから、「生活のしやすさ」「飽きのこないデザイン」も重要視すべきポイントでは? そこをしっかりと考慮しながら、自分たちのこだわりもたっぷり盛り込んだ〔howzlife(ハウズライフ)〕のリノベーションの実例をご紹介しましょう。

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キッチンが主役を張る部屋に住みたくて

リノベーションの醍醐味は“理想のおうち”を実現できるところ、ですよね。テイストにこだわるのはもちろん、間取りを工夫したり、素材にこだわったり、色合いにこだわったり……。

とはいえ、家は長〜く住むもの。勢いで“そのときに好き”なテイストで隙なく作り上げるのもいいのかもしれませんが、やり過ぎてしまうと飽きがくるのも早かったりします。実はリノベーションは、そのあたりのバランスが結構重要だったりするものなのです。

キッチン背面の壁に設置のこちらの棚はご夫婦がDIYで取り付けたもの。ワイングラスホルダーももちろんDIY!

東京の山の手にある高層マンションを購入して、フルリノベーションをしたSさん宅は、そんな、こだわりポイントと飽きのこないシンプルさがとても良いバランスでリノベーションされたお宅。高層マンションならではの景観とシンプルな素材感を活かした、清潔感あふれるナチュラルテイストの中に、さり気なくこだわりを配した設計プランが、とても実用的で参考になるおうちなのです。

夫婦にジャストな広さと理想のキッチンを求めて中古物件を購入

結婚して賃貸物件で9年ほど過ごしたというSさんご夫妻。以前の賃貸での不満はキッチンでした。夫婦とも料理好きで、一緒に料理をすることも珍しくない2人にとって、自分たちの理想のキッチンは一つの夢だったそうです。

スペース的にもその賃貸は手狭ということもあり、中古物件を購入してのリノベーションを決意。リノベを勉強するつもりでフラッと立ち寄った〔リノベーションブックカフェ〕が、今回リノベーション施工を手掛けた〔howzlife〕との出会いでした。

その〔howzlife〕が運営する〔リノベーションブックカフェ〕のテイストを気に入ったというSさんご夫婦は、物件を購入してすぐに〔howzlife〕に相談したのだそうですが、当初はインダストリアルに傾倒していたのだとか。黒とモルタルを強めに使う予定だったのが、〔howzlife〕のデザイナー・林さんとじっくり相談しているうちに考えが徐々に変化。そして行き着いたのが「理想のキッチンを実現しつつ、飽きのこないナチュラルテイスト」だったのです。

LDK空間のハイライトはL型キッチン&パントリー

壁や天井は一面のみを残して白一色に統一したリビングダイニング。打ちっぱなしの天井も、インダストリアルであればそのまま活かすところですが、そこもあえて白に塗装することで飽きのこない清潔感を追求。全面床暖房を採用したフロアもオーク調の化粧材でナチュラル感を加味させています。

全体的に素材感を大切にしつつ、色合いをシンプルにまとめた“飽きのこない”トーンを大切にしながらも、理想のキッチンにはしっかりこだわりが盛り込まれているのです。

容量たっぷりのパントリー。キッチンから一歩で手が届く絶妙な配置がポイントです。パントリー内の棚もSさんご自身で取り付け。

ご夫婦で料理をされるというSさんご夫妻。一番のこだわりであるキッチンは、きっと料理好きの方なら共感すること間違いなし! のよく考えられた仕上がりとなっています。

まず、奥様が「絶対に欲しい」と希望されていたのがパントリー。趣味が陶芸とのことで食器類がたっぷり収納できるスペースは必須だったそうです。

こちら、物件のスペース的にかなり厳しかったそうですが、動線をシンプルにすることによって十分な容量のパントリーを確保することに成功しています。手を伸ばせば届くところに食器があり、なおかつしっかり目隠しもされているこのパントリーの造りは、ぜひ参考にしたいですね。

L型キッチンは作業がしやすいように奥ゆきをたっぷり取って、動線部分も大人2人が自由に行き来できる広さを確保。使いやすさを徹底して追求しています。

L字型のステンレスキッチンもとってもこだわったポイント。悩んだ末にスペースを食ってしまうアイランド型ではなくL型にしたそうですが、結果的にこちらの方が良かったとのこと。

天板&シンクは使いやすいサイズと配置を考えてツールボックスにオーダーした一品です。たっぷりスペースを取った奥ゆき75cmの天板に、L字の端に位置するように設えたシンクはとても使い勝手が考えられたもの。キッチンに立つと左手にシンク、そして右手側に手を伸ばせばコンロという配置も絶妙! キッチン内側のスペースも大人2人がストレスなく動き回れる空間を確保している点もさすが考えられています。

また、Sさんのこだわりでキッチンカウンター腰壁はモルタルで造作。ウッドのフローリング・ステンレスカウンター・壁床のタイルをつなげる素材はモルタルにしたい!という思いがあったそう。そのあたりのSさんのセンスやバランス感覚が〔howzlife〕の提案とマッチしてこういうキッチンができたわけですね。 

コンロ側には白タイルを採用。こちらの棚は〔howzlife〕で造作・設置したもの。
キッチンフロアのみ本物のタイルを使いたいという要望で〔サンワカンパニー〕製をチョイス。

たっぷりの採光とトーンを変化させた壁が魅力的なリビング

バルコニー側を全面リビングダイニングとした間取りで眩しいほどの採光を実現している点もポイント。以前は区切られていた区画ですが、全面リビングとすることで南東を向いた高層階のバルコニーからは、たっぷりの朝日が望めるのだそうです。

そして、テレビ台側の壁面のみ薄いグレーで塗装されているのもセンスがいいですよね。そう、シンプルすぎても飽きがくるもの。ワンポイントでトーンを変えることでお部屋の空間感覚がよりハッキリするこの手法もオススメなのです。

くつろぎのリビングエリアに面した壁のみ、薄めのグレーに。やさしい空間演出が効いてますね。

よりシンプルに! でもディテールはしっかり凝って!

フロアをブルーのカーペットに。これは旦那様の遊び心からのアイデア。

このおうちの見どころはもちろんリビングダイニングだけではありません。例えば寝室。リビングと同様、白い空間の一面だけトーンを変える手法がここでも活きています。こちらの場合、フロアをブルーにすることで、おしゃれで、それでいて落ち着いた空間とすることに成功しています。

また、インダストリアル風味を少しだけ効かせたブラックのドアや、リビングまで一直線に繋がる動線、自転車が収納できるほどのスペースを確保したモルタルのエントランスなど、シンプルだけどディテールには凝って、なおかつ使いやすい工夫がおうち全体にあふれているのです。

エントランスからの一直線の廊下の先には、リビングに繋がるドア。こちらのドアはインダストリアルを意識したテイストでシンプルな全体のアクセントとしています。
もとの間取りを大幅に変えることでエントランスのスペースを確保。自転車が入るたっぷりスペース。

スペース効率をしっかり考えた、さらなる工夫とは?

さらに細かいところをじっくり観察していくと、60㎡の1LDKスペースを創意工夫で、生活しやすくしている点をたくさん発見できます。例えばトイレ棚。実はこのスペースは、側に配管動線のあるデッドスペースだったのですが、その空間を利用し、トイレットペーパーが3つ入る想定の棚としています。

トイレの壁には、トイレットペーパーがピッタリ収まるようにくぼませた棚が。こちらはもともと配管の関係上、デットスペースになってしまいそうになっていたポイント。デザイナー林さんのナイスなアイデア!

また、お風呂場や洗面スペースも動線を意識して使いやすいように間取りを変更させています。実はこのために廊下部分の動線を、設計上で調整しているのですが、それだけ大規模な設計変更をしたとしてもシンプルに使いやすくする配慮が重要。長く住むとなると、そういった実用部分がよりいっそう気になってくるものですからね。

行き来しやすい動線を確保するため、湯船の位置や洗面台の配置にまで工夫が凝らされた洗面&バスエリア。仕上がりがシンプルで使いやすそうな点こそがこだわりです。

【リノベーション前(before)】

【リノベーション後(after)】

シンプルに見えるけど“生活しやすさ”を第一に間取りを変更

もともと区切られていたバルコニー側を開放感のある一部屋にし、オフセットされていた廊下部分も直線に。これは日々の生活を考えた際に必要な変更だったとのことで、この設計変更の恩恵でお風呂場や洗面所は使いやすく、そしてエントランスを広く取ることにも成功しています。

「シンプル」「理想」「住みやすさ」……三位一体の好リノベ

シンプルに、でもこだわるところはこだわって、しかも住みやすい。それって簡単そうですが、実際はなかなかに難しいもの。長年住むおうちとなればなおさらです。

そこまでしっかり考え抜かれたうえでフルリノベーションされたSさん宅、いかがでした? できあがりを一見しただけではわからない、シンプルさの中に込められたこだわりや使い勝手の良さが理解していただけたのではないでしょうか。

長く、そして自分らしく心地よく住めるのが住宅の第一条件。そんな“おうち”の本質がたっぷり詰まったこのお宅こそ、ぜひリノベーションの参考にして欲しいですね!

●書き手 藤川経雄
●写真 塩谷佳史

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