雪が積もる地域の太陽光発電で注意したいこととは?ポイントや対策法を紹介

冬になると、日本各地で雪が降り積もります。真っ白な雪景色は、日本の美しい風景の1つでもありますが、雪の重みで太陽光パネルが壊れてしまったり、落雪によって事故が発生したりと、太陽光発電にとっては危険な季節です。雪の影響による発電量の減少を心配する方もいることでしょう。そこで、この記事では降雪量の多い地域での太陽光発電について、注意すべきポイントや対策法を紹介します。

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雪が降ると発電量が減る?

太陽光発電はその名の通り、太陽光を確保することで発電される仕組みです。そのため、北海道や東北などをはじめ、降雪量が多い地域では発電量が減少してしまうのではないかと、心配されている方も多いのではないでしょうか。

ところが、国内でも特に冬場の気温が低く降雪量の多い北海道を例に見ても、関東や関西、九州などと比べて発電量に大きな違いはありません。まずは太陽光発電協会が提示している日本国内各地の年間予想発電量を比べてみましょう。
なお、観測地の日射量は太陽光パネルを真南に向け、傾斜を30°に統一して観測した数値です。

【北海道札幌市】
・年間平均日射量/3.93kWh/㎡/日
・年間予想発電量/1047kWh/年/kW

【青森県】
・年間平均日射量/3.66 kWh/㎡/日
・年間予想発電量/975 kWh/年/kW

【東京都】
・年間平均日射量/3.74 kWh/㎡/日
・年間予想発電量/997kWh/年/kW

【岐阜県】
・年間平均日射量/4.25 kWh/㎡/日
・年間予想発電量/1132kWh/年/kW

【大阪府】
・年間平均日射量/3.92kWh/㎡/日
・年間予想発電量/1044kWh/年/kW

【高知県】
・年間平均日射量/4.32 kWh/㎡/日
・年間予想発電量/1151kWh/年/kW

【熊本県】
・年間平均日射量/4.05kWh/㎡/日
・年間予想発電量/1079kWh/年/kW

【沖縄県】
・年間平均日射量/4.09kWh/㎡/日
・年間予想発電量/1090kWh/年/kW

このように、年度によって多少の誤差は考えられるものの、日本国内においては降雪量による発電量の差はあまりないと言えます。そればかりか、北海道のように梅雨の時期がなく、夏場も気温の上がらない地域では、発電量の損失を防ぐことができるため、他の地域と比べて安定した発電量が期待できるのです。

雪の重みでパネルが破損する!?

日本国内には数10cmの積雪を記録する地域が複数存在します。雪は太陽光パネルの熱で溶けるので大丈夫だろうと、安心している方もいるかもしれません。しかし、厚く積もった雪は溶けにくいだけでなく、太陽光を確保できず発電量が減少してしまったり、雪の重みで太陽光パネルを破損させてしまったりするリスクがあるため、注意が必要です。

1㎡の範囲に1cmの雪が積もった場合の重さは、約3kgだと言われています。したがって、仮に1㎡の太陽光パネルに10cmの雪が積もると約30kg、20cmの雪が積もると約60kgもの重さがかかる計算になります。パネルの大きさや積雪量によっては、さらに大きな負担がかかってしまうでしょう。また、積もった雪は時間とともに隙間がなくなって締まり、固まる性質があるのも特徴のひとつです。降ったばかりの新雪が最も軽く、だんだんと固まり重たくなるため、固まる前に積雪を取り除く必要があります。

太陽光パネルの雪下ろしは、パネルの傾斜を利用して自然に落下させることが最もスピーディですが、のちに紹介する落雪事故などの原因になるケースも少なくありません。そこで、太陽光パネルを支える架台の数を増やし、雪の重さを分散させることが効果的です。

ただし、降雪量などによっては太陽光発電を設置できない場合もあるため、あらかじめメーカーや設置工事業者などに確認しておくことが望ましいでしょう。

雪止めで落雪事故を防ごう

これまで紹介したように、積雪は太陽光発電にとって大きな負担となるため、約15~30°の傾斜を付けて、積雪しないように設置することが一般的です。しかし、太陽光パネルは凹凸のない加工が施されているため、雪が滑りやすく、屋根からの落雪よりもスピードが出やすいことが特徴です。わずかな積雪でも重みがあるため、万が一落雪した先に隣家や通行人の姿があれば、大きな被害につながる恐れがあります。

落雪による事故を防ぐためには、きちんと雪止め対策を行うことが大切です。たとえば、屋根に設置する雪止めを使用すれば、太陽光パネルから雪が滑り落ちてきても食い止めることが可能です。

雪止めは瓦屋根やスレート屋根など屋根の形状に合わせて、金具タイプやネットタイプなど、さまざまな種類から選ぶことができます。雪止めを設置しておくことで落雪を防ぐことはできますが、必ずしもその危険性がゼロになる訳ではありません。万が一の落雪に備え、屋根の下には物を置かず、なるべく近寄らないようにしましょう。

まとめ

今回は、雪が積もる地域で太陽光発電を使用する場合の注意点や対策方法を紹介しました。降雪量の少ない地域では意識されにくい問題ですが、積雪・落雪の危険性を知ることは、家族や近隣住民の安全を守るためにも大切です。太陽光発電を設置する際にはしっかりと安全対策を施し、安心して冬を迎えられるようにしましょう。

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