太陽光発電と水力発電の違いとは?発電効率や導入コストを徹底比較!

日本に存在する発電システムには太陽光発電のほかに、昔から存在する発電方法として「水力発電」があります。水力発電は、水の流れを利用してタービンを回すことで発電するシステムです。自然界のエネルギーを利用している上、燃やすこともないため非常にクリーンな発電方法でもあります。今回は、そんな水力発電について、身近な太陽光発電と比べながら詳しく解説しましょう。

本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています

  • 4907
  • 11
  • 0
  • いいね
  • クリップ

発電効率は水力発電が圧倒的有利

水力発電は前述したように、水の動く力を使って発電をおこなう方法です。水車の先にタービンがあれば発電できるため、非常に簡単な仕組みで発電ができます。水力発電は仕組みの違いによりいくつか種類があり、河川や農業用水路に発電用水車を併設するだけの「流れ込み式」が、もっとも単純な仕組みの水力発電です。

水力発電の発電効率は、およそ80%と非常に高くなっています。水力発電をおこなう場合の損失は水車の機械と発電機のみなので、この損失以外を全て発電にあてることができます。

太陽光発電の場合、シリコン系単結晶タイプのものでも発電効率は20%ほどです。一般的な火力発電では40%程度といわれていることを考えると、水力発電がずば抜けて高効率であることがわかるでしょう。

ただし水力発電の発電効率は、発電方式によって変わります。もっとも単純な流れ込み式は、発電量が川の流れに依存するため、都合良く調節することができません。そのため水力発電では川の水を溜めるダムを利用し、電力の需要に合わせて稼働させることができる「貯水池方式」や「調整池式」「揚水式」といった方法も利用されています。

また水力発電は5分もあれば稼働が可能です。現在、発電システムのうち大半を占めるのが火力発電所ですが、火力発電は運転開始までに2時間から5時間ほどを要するため、需要に合わせて柔軟に調整するのが難しいというデメリットがあります。

発電効率の良さはもちろんですが、供給のしやすさにおいても、水力発電はかなり優秀なエネルギーといえます。

導入コストは太陽光発電に軍配

では太陽光発電と水力発電の導入コストはどのくらいなのでしょうか? ここからは導入と運用にかかるコストを比較していきます。

【導入コストの比較】
水力発電設備の導入には比較的大きなコストがかかります。貯水池方式ならダムを作らなければなりませんし、複雑な水の流れに合わせて発電施設を作ることも困難でしょう。基本的に設置できる場所は川のため、ある程度限られます。

一方太陽光発電は、設置費用がおよそ1,000,000円から2,000,000円です。ダムを作ったり、水の流れに合わせたシステムを作ったりするよりは、比較的導入しやすいでしょう。また余った電気は売電ができるため、長い期間をかけて導入時の費用を回収することも可能です。

【固定買取価格では水力発電が有利】
太陽光発電では余った電力を売れることが利点の1つですが、余剰電力の販売は水力発電でも可能です。水力発電の売電価格は200kW未満の場合34円(既設導水路活用型の場合25円)で、太陽光発電の28円(2017年11月現在。10kW未満で出力制御対応機器の設置義務なしの場合)と、太陽光発電より高い価格で買い取ってもらえます。

また今後太陽光発電の売電価格が下がっていくのに対し、水力発電の調達期間は20年間と長い間固定となっています。

【個人で利用可能なマイクロ水力発電】
近年では水力発電にも「マイクロ水力発電」という個人利用可能な小規模水力発電の方法が出てきています。マイクロ水力発電は農業を営む事業主が農業用水路に設置するなど、水路さえあればどこでも発電が可能なので、これからどんどん広まっていく可能性があります。

太陽光発電と水力発電の補助金

太陽光発電と水力発電は、どちらも導入時にそれなりのコストがかかります。この負担を少しでも軽くするなら、国や地方自治体の補助金制度を使うと良いでしょう。

【水力発電の補助金】
国は水力発電の設置に対して、補助金による助成をおこなっています。新技術導入部分に対しては、1,000kWから30,000kWの出力規模で50%の補助率です。また、新技術導入部分以外については、出力規模が1,000kWから5,000kWで20%、5,000kWから30,000kWでは10%の補助をおこなっています。

また発電所の運用開始後に、発電所の建設にかかった借入金の利子についても補助を実施しています。

【太陽光発電の補助金】
太陽光発電の補助金があるのは、都道府県や市町村です。基本的に各自治体で受け取るための条件が定められており、それをクリアしていないと補助金は受け取れません。自治体によって条件は異なるため、まずは自分の地域の情報をチェックしてみましょう。

まとめ

太陽光発電と水力発電では、発電効率において圧倒的に水力発電が有利です。しかし導入コストを考えると、やや太陽光発電に分があるといえるでしょう。どちらもこれからの日本を支える発電システムであり、今後とも広く普及していくと考えられています。再生可能エネルギーの導入を考えている方は、個人で利用できる水力発電も含め、良く比較検討しましょう。

  • 4907
  • 11
  • いいね
  • クリップ
コンテンツを違反報告する

あなたにおすすめ

関連キーワード

関連アイデア

カテゴリ

このアイデアを投稿したユーザー

LIMIAおすすめのリフォームやリノベーション、住宅設備に関する記事を中心にご紹介。施工事例や費用相場、リフォーム会社の選び方など、住まいに関する情報満載でお届…

LIMIA 住まい部さんの他のアイデア

住宅設備・リフォームのデイリーランキング

おすすめのアイデア