これを知っておけば回避できる!太陽光発電のよくあるトラブル事例

クリーンエネルギーを自宅で作れる太陽光発電システムは、現在ではかなり一般的なものとなりました。ですがその裏で、業者や近隣住民とのトラブルなども発生しています。「太陽光発電を検討しているけどちょっと不安」という方や「もう業者を決めてあるから平気」という方も、どのような事態が起こる可能性があるのか、事例を通して知っておきましょう。今回は太陽光発電のトラブル事例から、回避の方法まで紹介します。

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まだまだ太陽光発電のトラブルは多数。よくある失敗って?

2017年度9月時点で、独立行政法人国民生活センターに寄せられたソーラーシステムに関わる相談件数は1,248件です。5年前の2012年は年間で4,463件のため、太陽光発電にまつわるトラブルは5年前と比較すると大幅に減っているといえます。しかし全くないわけではありません。

代表的な失敗例は、費用や業者、設備そのものや発電に関するものです。以下におもな相談をまとめてみました。

・相場よりも高額で設置してしまった
・設置してみたら地域が補助金の対象外だった
・定期メンテナンスがなく、設備が劣化してしまった
・施工保証が付いていなかった
・設置後に業者が倒産してしまい保証が受けられなかった
・設置後に雨漏りするようになってしまった
・台風などで壊れてしまった
・シミュレーションよりも発電量が少なかった
・売電による収入が少なく、ローンの支払額の方が多くなってしまった
・売電手続きが滞り売電契約ができずにローンだけ支払っている

国民生活センターに寄せられた相談を見ると、相談内容は発電量に関するものが多くなっています。クーリング・オフをしようと思っても取り外しの工事費がかさんだり、そもそも売電契約そのものができなかったりするケースも見られるなど、状況は多種多様です。

また「訪問セールスの業者にいわれて現地調査だけをしてもらうつもりが、断りきれずに契約をしてしまった」「解約をしたら高額な違約金を請求された」など、業者とのやりとりに関するトラブルも散見されます。

失敗の原因はほとんどの場合「業者選び」

良い業者を選べば、たとえ知識がなくともわかりやすく事前に説明してくれます。また施工やアフターフォローに関しても、トラブルはほとんど起きないと考えて良いでしょう。

しかし問題のある業者を選んでしまうと、費用、施工、実際の発電に至るまで、前述したようなさまざまな失敗を呼ぶことになります。もし以下のような点が該当する業者がいたら、依頼するのは避けた方が賢明です。

・訪問セールスで契約を強く勧めてくる
・見積もり内容が不透明
・施工事例が少なく経験不足
・相場よりもかなり安い費用で施工をおこなう
・保証がない
・アフターフォローがない
・経営状況が不安定

どれも「そんな業者は選ばない」と思われるかもしれませんが、実際に業者選びをしている際にはついチェックしそびれたり、営業トークに惑わされて「大丈夫そう」と思ってしまったりすることがあります。良い業者を選ぶためには、いくつか要点を押さえて検討することが大切です。

また「保証に関する知識がなかった」「費用相場を知らなかった」など、事前の情報収集不足も失敗の原因となります。信頼できる業者に確認したり、インターネットを使ったりして、きちんとした事前調査も忘れないようにしましょう。

こんなはずじゃなかった!業者とのトラブル事例

【ケース1:契約を急がされる】
「今契約しないと補助金に申し込めない」「他社はこんなに安くない」「キャンペーンの期日が迫っている」と契約を迫られて困ってしまうケースです。

太陽光発電設置のきっかけは、訪問販売や電話営業によるセールスが多いです。そのため、営業トークに押されて成約した事例も多くあります。

注意したいのは、訪問販売が通常の相場に比べて圧倒的に安くなるわけではないということです。なぜなら、自分から工務店などに連絡して太陽光発電の設置をお願いする場合に比べると、どうしても訪問販売や電話営業、さらにショッピングモールに出展する形での販売には人件費などのコストがかかるためです。安さを理由に契約を迫られたとしても一旦は保留にして、他社と比較してから決定するようにしましょう。

また営業トークの一貫として、補助金制度の利用を勧められる場合もあります。しかしあとになって「やはり使えなかった」という発覚することがあります。現在、補助金制度は施行している地域が限られているため、営業トークを鵜呑みにせず、必ず自分の地域で補助金を実施しているのか調べるようにしましょう。

【ケース2:雨漏りなど施工問題が発覚した】
実際に工事をおこなったあとに、施工上の問題が発覚することも多くあります。主なトラブル内容は以下のとおりです。

・工事で屋根に穴を開けたことによって雨漏りが起き、修繕が必要になった
・パネルが屋根からはみ出して不格好になっている、配線がむき出しになっているなどの不具合があっても保証してもらえなかった
・発電量が当初のシミュレーションよりも少ない
・大きな建物があとからできて日陰になり発電量が減った

施工経験が少なかったり、計画や事前の発電量シミュレーションがずさんな業者を選んだりしてしまうと、上記のようなトラブルが発生します。改善してもらうために保証を利用しようと思っても、条件が適用されないこともあります。保証内容には事前に十分目を通しておきましょう。

また、あとからできた建物等の影響によるトラブルは業者の補償義務が発生しないため、注意が必要です。あらかじめ地域の役所で周辺に建築計画がないか聞いておくなど、自主的な情報収集が重要になります。

【ケース3:業者と連絡が付かなくなってしまった】
業者の中には、太陽光発電システムの施工をするだけして、早期に業界から撤退してしまう企業も存在します。太陽光発電システムは定期点検が必要で、長年使い続けるには点検や交換も必要です。災害や事故などで予期していなかった不具合が発生すれば、修理することになるでしょう。

業者と連絡が取れなくなってしまうと、トラブルに対応してくれる業者を再度探すことになってしまいます。補助金や申請、売電契約なども業者がおこなっている場合、内容の引き継ぎなども手間がかかります。そのため信頼度の高い、業績の安定している業者を選ぶことも重要なポイントです。

太陽光が近所迷惑に?近隣住民とのトラブル

太陽光発電は基本的に音も出ず、屋根の上の設置で邪魔にもなりません。近隣トラブルとはほとんど無縁のように思えますが、ごくまれに「反射光」による問題が発生します。

太陽光パネルは太陽光を受け、太陽の角度に応じて光が反射します。南向きの屋根に設置すれば、太陽光がそのまま空に向かって反射するため問題はありませんが、北向きにパネルを設置すると、この反射光が他の住宅に向かってしまう場合があります。

反射した先に窓があれば部屋は当然眩しくなり、多かれ少なかれ迷惑になります。2013年には反射光トラブルによる裁判が起きたこともあるため、反射光については事前にしっかりとシミュレーションをして回避する必要があります。

トラブルに遭ってしまったらどうする?

契約前のトラブルであれば、契約すること自体を取りやめるだけで済みます。では契約後にトラブルに遭遇した場合、どのように対処すべきなのでしょうか?

訪問販売や電話勧誘販売の場合は、契約から8日以内であればクーリング・オフが可能です。もし契約後に内容を確認しておかしいと感じた点があれば、すぐに解約しましょう。

実際に施工をしてから起こったトラブルは、業者に対応を頼むことになります。依頼した業者でカバーできる場合は問題ありませんが、できない場合には別の業者に事情を説明して、アフターケアをお願いしましょう。対応に関して判断が付かない場合は、国民生活センターに相談するのも1つの手段です。

これで失敗しない!太陽光発電導入を成功させるポイント

ここまで具体的な失敗例を紹介してきました。ここからは失敗しないためのポイントを3つ、紹介します。

【ポイント1:太陽光発電の基礎知識を頭に入れておく】
最新の知識を全て網羅することは難しいですが、住んでいる自治体に補助金制度があるのか、太陽光パネルのおもなメーカー、費用相場など、最低限の基礎知識だけでも事前に調べておきましょう。業者のいっていることを全て鵜呑みすることもなくなります。

【ポイント2:複数業者に相見積もりを取る】
太陽光発電は設置するパネルの種類や設置面積によって費用が大きく変わります。そのため、複数の業者に相見積もりを取って比較することは必須と考えましょう。高額になる場合も安価になる場合も、理由をしっかり把握しておくことが重要です。

【ポイント3:現地調査や施工、保証内容などを確認する】
見積もり依頼を通して、現地調査での担当者の対応や詳細なサービス内容、保証などをしっかりチェックしておきましょう。

下記に失敗しないための要点をまとめてみました。当てはまる業者は信頼できる業者といって良いでしょう。業者選びの際の参考にしてください。

・担当者の説明は過不足なく丁寧か
・現地調査を踏まえて発電量シミュレーションをしてくれているか(季節ごとの日照時間や天候を踏まえた内容であるかどうか)
・補助金を利用する場合は、業者が申請をおこなってくれるかどうか
・定期メンテナンスの頻度はどのくらいか。またその内容
・保証がある場合、メーカー保証か独自保証か。またその内容

まとめ

太陽光発電のトラブルを避けるためには、事前の情報収集と信頼できる業者を見つけることがなにより大切です。特に業者選びは、施工が成功するかどうかの9割を担っているといっても過言ではありません。複数の業者に相見積もりを取り、設置のタイミングも含めて十分検討と吟味を重ねるようにしましょう。

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