屋根置き型と屋根一体型。ソーラーパネルを設置するのはどっちが最適?

屋根の上に設置するソーラーパネルには一般的に「屋根置き型」と「屋根一体型」の2つのタイプがあります。それぞれに特徴があり、設置する上での注意点も違います。今回はソーラーパネルの屋根置き型と屋根一体型、これら2つの違いについて説明します。どちらを選択するか、迷った際に参考にしてください。

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屋根置き型は発電効率と費用対効果に優れる

屋根置き型は屋根の上に架台を設置し、その上に太陽電池モジュールを固定するタイプのソーラーパネルです。現在、約8割がこの屋根置き型を採用しており、一般的なソーラーパネルの設置方法といえます。

屋根置き型の最大のメリットは発電効率の良さです。ソーラーパネルは高温になるほど発電効率が悪くなりますが、その理由はソーラーパネル自体に熱がこもってしまうためです。しかし屋根置き型の場合は架台の上に設置するため熱が逃げやすく、発電効率が落ちにくくなっています。特にシリコン結晶型のソーラーパネルは熱の影響を受けやすいため、屋根置き型で設置するのが一般的です。

屋根置き型の場合、架台の上に設置しているため、メンテナンスのしやすさもメリットです。万が一故障があっても比較的容易に取り替えることができます。また中古で買い取ってもらうことができるのも屋根置き型のメリットの1つでしょう。

さらに屋根一体型と比べると、費用の面でも安価です。初期費用を抑えたい場合には屋根置き型を採用するのが最善といえるでしょう。

一方、デメリットは屋根を傷付けてしまうことです。屋根置き型の場合、屋根に支持部材を取り付け、その上に架台とソーラーパネルを設置するため、屋根の劣化を早めることになります。また支持部材を取り付ける穴を屋根に開けるため、雨漏りのリスクも高まります。もちろん開けた穴は充填剤で埋めますが、経年劣化によって隙間ができる可能性があることも忘れないようにしましょう。

見た目で選ぶなら屋根一体型

屋根一体型は文字どおり、屋根材と一体になっているソーラーパネルです。屋根材にパネルを組み込んでいるため、架台を設置する必要がありません。そのためデザイン性にも優れ、住宅の景観を壊すことなく設置できます。また架台が必要ないため、屋根面積のギリギリまでソーラーパネルを乗せられるというメリットもあります。パネルを増やせるため、最大出力量を増やすことも可能です。

また元々屋根材に組み込んであるため、屋根への負担が少ないのもメリットです。屋根に穴を開けることもありませんし、防水処理をした太陽電池セルにより、雨漏りの不安もありません。屋根を取り付けた時点でソーラーパネルの設置も完了するため、設置工事の期間も短くて済みます。ただし既存の住宅に設置する場合は屋根そのものの改修工事となるため、期間が短くなるとは一概にはいえません。

デメリットは屋根置き型に比べて価格が高いことです。またデザイン性には優れていますが、屋根と一体となっていて熱がこもりやすいため、発電効率が落ちてしまうことも懸念材料といえるでしょう。

また屋根そのものがソーラーパネルのため、点検や交換、修理が簡単にできません。ソーラーパネルは長い期間にわたって使うことを前提としているため、使用中にメンテナンスやトラブルが発生することも考えられます。こうした場合に屋根一体型の場合は煩わしさを感じるかも知れません。

さらに忘れてはいけないのが税金です。架台がある屋根置き型は取り外しが可能と見なされ、固定資産税の対象にはなりません。しかし屋根一体型の場合は、ソーラーパネルが固定されていることで高級な屋根と見なされます。そのため固定資産税が高くなってしまうのです。

固定資産税は屋根一体型の場合、1㎡あたり200円ほどかかります。25㎡(およそ4kW)で、5,000円ほどが一般的です。1年間では微々たるものですが、10年間にすれば50,000円にもなり、売電収入にも大きな影響を与えます。屋根一体型を考えている場合は、税金についてもよく調べてから検討しましょう。

置き型と一体型、選ぶ基準は?

ここまで屋根置き型と屋根一体型を紹介してきましたが、結局どちらを選べばいいのでしょうか? 先述したとおり、どちらにもメリットとデメリットがあります。それらを総合すると一般的には下記のような基準があります。

・コストは安い方がいい→屋根置き型
・見た目がスタイリッシュな方がいい→屋根一体型
・発電効率が気になる→屋根置き型
・メンテナンスや交換の際が心配→屋根置き型
・税金はかからない方がいい→屋根置き型
・雨漏りや屋根の劣化が心配→屋根一体型

太陽光発電システムは決して安いものではありません。取り付けて、きちんとメンテナンス等をおこなっていれば、30年ほど設置できます。また電気料金を大幅に削減することができますが、固定資産税や火災保険が変わるなど家計にも大きな影響を与えることになります。

価格だけではなく、さまざまな角度から検討し、それぞれの特徴を見ながら、自身にとってより良いと判断した方を選ぶべきでしょう。

まとめ

ソーラーパネルには屋根置き型と屋根一体型の2つのタイプがあります。どちらを設置するのがベストかは一概にはいえません。それぞれのメリットとデメリットを知った上で検討しましょう。個々の住宅の状態や事情によっても違うため、メーカーや設置業者に十分確認することをおすすめします。

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