作品を「売る」ではなく、想いを「伝える」ために 〜クリーマの中の人に聞く Creema STORE 遠藤さん〜

新宿ルミネ2にある、クリーマのリアルショップCreemaSTORE。オープン当時からスタッフとして働いている遠藤さんに、働く上での想いを聞きました。作家さんの想いを一緒に背負うつもりで「伝える」ことをモットーにした、そのこだわりに迫ります。

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こんにちは。クリーマ編集部の柏村です。

みなさんは、Creemaにリアルショップがあることをご存知ですか?新宿ルミネ2の2階にあるCreema STOREは、2週間ごとに作品が変わる入れ替わり式のユニークな仕組みを採用しており、訪れる度に楽しい発見をもたらしてくれます。

今回は、2014年のストアオープンからスタッフとして参加してくれている遠藤さんに、Creemaで働き始めたきっかけから、販売についての細かな気遣いまで教えていただきました。

▲インタビュー前に、あれもこれも、と伝えたいことをたくさん用意してくれた遠藤さん

CreemaSTOREに訪れてみたい方や出展してみたい作家さんにはもちろん、実際にハンドメイド作品を販売する、ということについても、参考になることがあるかもしれません。

作品が好きも、作るのが好きも、活かせる仕事へ

-まず、ストアで働き始めたきっかけを教えてもらえますか?

「学生時代は服飾の専門学校・文化服装学院に通っていて、学校を通じてものづくりに関連したイベントの告知が結構あったんです。その時にHandMade In Japan Fes(※)のチケットを手に入れる機会があったのが、一番に思い出すきっかけです。」

※Creema主催のイベント。毎年夏にビッグサイトで開催され、2017年で5回目を迎えた

-Creemaというサイト自体よりも、イベントが先ですか?

「いえ、その前から、SNSなどでCreemaのこと自体は知ってはいました。ハンドメイドが元々好きだったということもあるんですが、専門学校の文化祭では学生同士で、学生が制作したものを別の学科の学生がマネジメントして販売して、という企画があって。

そこでは自分は制作として参加していたんです。そこからハンドメイドサイトでの販売などにも興味が出てきて、サイトで販売を実際することはなかったんですけど、購入してみたり、情報源として使用したりしていました。

その後、就活をする時期になって、その時にたまたま3月からCreemaがリアルショップを出す、ということを知ったんです。

そのショップ自体に興味がありましたし、ハンドメイドが好きなのはもちろん、作ることも好きだったので、販売にあたって制作側、購入側とどちらも気持ちが分かることが活かせるのではないかな、と思って応募しました。そこから、今に至ります。」

作品を預かることへの責任と、共感の喜び

-自分の興味とタイミングが重なって、という感じだったんですね。それから4年ほどスタッフとして働いているわけですけれど、実際のストアでのお仕事を教えてもらえますか?

「仕事というと本当にたくさんありますが、お客さまへの接客などの販売業務や、作家さんへの出展対応に加えて、ストアは2週間で入れ替えがありますので、そういったストアのレイアウトを一気に変える業務もありますね。

後は、作家さんによっては店内でのイベントを行える方もいらっしゃるので、例えば最近ですとジュエリー作家のV&SSSさんが指輪のセミオーダー会を行ったり、ナガキパーマさんが似顔絵を書いて下さるワークショップを行ったりと、そういった企画もスタッフ全員で行っています。」

▲過去に実施したイベントの様子

-そういった企画については、こちら側から提案することが多いのですか?そうなると、事前の作家さんのリサーチなんかも大変そうですね。

「そうですね、こちら側からこういった企画が出来るかも?とご提案をすることもありますし、作家さん側からご提案いただくことももちろんあります。

会期の数か月前に作家さんが決まるんですが、Creemaのサイトに掲載された時点からは、来店されたお客さんに「次はこんな作家さんの作品ものが来ますよ」とお伝えして、次の会期にも来ていただけるようにアプローチしたりもしています。

もちろん、会期が始まる前には作家さんに作品の説明やアピールポイントを共有いただきますので、その内容については事前に頭に叩き込んでおきますね。」

-正直、かなり大変なんじゃないかと思うんですが…。

「使っている素材や製法などの一般的な知識については、長く働くうちにだんだんと身についてきたなと感じます。でも、やっぱり作家さんについてはそれぞれのこだわりがあって、ご自身が作られたものの世界観を共有いただいているので、そこはきちんと伝えるために頭をフル回転させています。

お客様に質問された時に「ちょっとわからないです」とは答えられないですし、作品を預けている作家さんからしたら、そのような対応は納得がいかないと思いますので。」

▲この日も次の会期から扱うBELLEZZAさんの作品を身に着けて、接客のきっかけに

-作品を預かっている以上、雑な対応は出来ないということですよね。色々ある中でも好きなお仕事はありますか?

「いつもサイトで見ている作家さんと直接お話しする機会があるのはやっぱり嬉しいです。

あとは、接客の際にお客さまに対して「この作品はここがすごいんです!」と自分でも実際に思っていることをお伝えした時に、そこに共感していただけるとすごく嬉しいです。店頭に並んだ作品は個人的にも欲しいと思う作品ばかりですので、それを気に入っていただけると、まるで自分の持ち物を友達に褒められたみたいな気持ちになります。

他には、お客さまと話していて出てきた要望や意見を、作家さんにお伝えする、というつながりの役目を果たせる部分でしょうか。

もちろん作家さんのこだわりの部分についてどこまで踏み込んでいいか、という点は私たちにとっても難しいですが、私たちもプロとして対応していますので、多く聞こえた声についてはきちんとお伝えしていきたいと思っています。」

-作家さんに直接要望や意見をお伝えすることにも遠慮が出てしまう、という方もいらっしゃると思いますが、ここはスタッフという他者を通すことで、そういった会話がしやすいという点もあるのかもしれないですね。

作家さんの想いを一緒に背負い、伝えるチーム

-話を聞いていると仕事の中で嬉しさだったり楽しさだったりとは別に、気を遣ったり注意している部分もかなり多いような気がしますが、遠藤さんだけでなく、スタッフ全体で気を付けている部分はありますか?

「スタッフの中でモットーとしているのは、「伝える」を第一に考えるということです。もちろん販売することが私たちの目的のひとつでありお仕事なのですが、それを一番に考えるのではなく、作品の想いやストーリーを伝えて、その上でそこにお客さまが共感してくださってから購入に至ってほしいと考えています。

この点については、スタッフ全員の気持ちどこのお店にも負けないと思っていて、ただ作品を置く、売る、ということだけではなく、作家さんが背負っている想いを一緒になって背負って、伝えるつもりで動いています。」

-それは、ハンドメイドやCreemaの作品が好きだからこそ、特に強いのかもしれないですね。

もちろん買ってほしいという思いはあるけれど、作家さんを知っているからこそ、何も知らずに買われていくよりは、背景や意味を知った上で購入してもらった方が嬉しいという思いは分かります。

そうなんです。

▲遠藤さんの好きがつまった、これまで出展された作家さんの作品たち

-他にスタッフ全体として気を付けていることはありますか?

「作家さんの目線になって考える、ということです。例えば会期が終わって作品を返送する際には、送っていただいた時よりもきれいに返す、といったような細かな所からですね。

作家さんも対面だと話しやすく思ってくださっているのかフラットに対応してくだる方も多いですが、その中でも、サイトを含めたCreemaのスタッフである、という意識はいつも思うようにしています。」
 

ハンドメイド作品だからこその販売の気付き

-作家さんの思いを伝えるということ以外にも、作家さん、お客さんどちらとも直接関わり合う中で、ハンドメイド作品の販売について気付いたことはありますか? 

「会期の前に作品の特徴などを共有いただく、というお話はしましたが、それ以外で例えば作家さんが直接お店に来て下さったときなどに、ふとお話しされていた苦労話や大変だった経験が接客に役立ったことはありますね。

作家さんとしては、どこまで私たちに伝えても良いのかな、と遠慮される方もいらっしゃるようなんですが、作品ごとに本当に細かく共有いただいたりすると、やっぱり私たちもそれに応えなきゃ!と、思わされます。」

-その点は、サイトでの販売に関しても同じかもしれないですね。やっぱり短く簡潔に、と分かりやすさを優先する方もいて、もちろんそこは大事だと思うんですけど。

でもやっぱり実際に作っている作家さんにしか分からない作品の隠された魅力や、制作の苦労が伝わってくると、その分魅力的に感じられますもんね。

「あとは、これは少し難しいんですが、マイナス面を否定しないことでしょうか。リアルなことを伝えてあげることが大切だと思っているので、例えば少し重いとか繊細なつくりだとか、それこそ価格帯とかが、お客さまによっては、気になってしまうことがあります。

そんな時に「そんなことないですよ」と否定せずに、お客様の気持ち理解した上で、「そういう部分もありますよね、でも…」とそれに付随する理由や使い方をご説明することで、納得していただける場合も多いです。

例えば価格であれば、「確かに通常よりはお高いかもしれないです、でも、この形を作るのにはこんな苦労があって」とお話しすると、「そうなんですね、それだったら…」と言ってくださる方もいらっしゃいます。」

これからCreema STOREへの出展を考えている方に

-これからCreemaSTOREへの出展を考えている作家さんや、迷っている方にお伝えしたいことはありますか?

「ただ作品を委託する、というだけでなく、スタッフみんな作家さんと同じものを背負う気持ちでいますので、これまで出展示されたことがない方にも、応募いただきたいですね。

売上という部分ももちろんなのですが、その期間中のお客さまの様子をはじめ、接客していた中でのご要望やご意見もお伝えするなど、作家さんが思っている以上のことは返したい、という気持ちでいますから。
 

▲実際のCreema STOREの様子。様々な作品が出展されている

実際にご出展いただく際には、ストアでは直接作家さまに店頭に立っていただくことも可能ですので、そちらもぜひご検討いただきたいです。

個展やイベントでの販売をされている方もいらっしゃると思いますが、CreemaSTOREはルミネの中、という立地上ハンドメイド作品に始めから興味のある方ばかりじゃないんです。なので、フラットな目線の中で販売が出来る場として、活用していただければと思います。」

ハンドメイド作品を売るということと、伝えることへの想い

4年間もの間、作家さん、お客さんと接し続けてきた遠藤さん。どちらの思いも分かるから、と言いながら、その両方に寄り添った接客や対応への気遣いは、初めて聞くことばかりでその細やかさに驚きました。

実際の接客の場面では、自分自身も楽しみながらお客さんと話しているように見え、そんな遠藤さんだからこそ、お客さんも作家さんも、心を開いて一緒にどちらを購入するか悩んだり、苦労話を思わず話したりしてしまうのかなと、その魅力を改めて実感することが出来ました。

CreemaSTOREでは、現在12月25日までクリスマスをテーマにした作品を販売中。した作品を26日から1月15日までは新年をテーマにした作品の販売を販売中です予定しています。わくわくするような作品ばかりですので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

今後出展される作家さんも随時募集していますので、こちらから要綱を確認の上、ぜひご検討ください。

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