都市ガス自由化でどうなる?「12A」「13A」の違いや特徴、買い替えのポイント

2017年4月1日にスタートした都市ガスの自由化は、ガス料金を市場競争によって低くする狙いと、地域の1社独占を解消することで、ガスの安定供給を図る狙いがあります。自由化の恩恵を賢く取り入れるためには、自宅の都市ガスの種類や器具の適合性を知って、安全な利用を心がけることが大切です。そこで今回は、都市ガスを語る上で欠かせない「12A」「13A」の違いや特徴などを徹底解説していきます。

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都市ガスの「12A」「13A」の違いとは?

都市ガスの種類は、原料として産出されるガス田ごとの性質や組織の違いによって「13A、12A、6C、5C、L1、L2、L3」の7つのグループに分かれています。表記につけられた数字やアルファベットにはそれぞれ意味があり、数字は都市ガスの発熱量、アルファベットは燃焼速度を示す値です。燃焼速度はA、B、Cの順に速くなります。都市ガスの主流は発熱量が高い13A、12Aで、経済産業省は、最も熱量の高い13Aへの統一を推進しています。

【12Aと13Aの違いとは?】
都市ガスの12Aと13Aは、どちらもメタンが約90%、それ以外の成分であるエタン、ブタン、プロパンがあわせて約10%です。この2つの違いは、含有成分の違いによって生じる発熱量にあります。

発熱量は12Aよりも13Aの方がやや高く、発熱量がわずかに劣る12Aは、長期的にコストパフォーマンスを悪化させることになります。エネルギー資源の乏しい日本では、1980年代から都市ガスの12Aから13Aへの転換が政府の主導で徐々に進められ、2000年に入って急速に進みました。現在、都市ガス会社のほとんどが13Aを取り扱っています。

「12A」と「13A」のガス機器を使う際の注意点

12Aを使っているところは現在ほぼありませんが、地域によってはこのガスを使っているエリアもあります。わずかですが発熱量が違うため、基本的に使用できるガス器具は違います。

【新しい機器なら両方に使えるものも】
新しい都市ガス対応のガス器具や設備では、12Aと13Aのどちらにも対応できるものも増えています。ただし器具によっては、部品交換などの器具調整が必要な場合があるため、不具合を感じたら、すぐにガス会社に見てもらいましょう。10年以上使っている旧型のガス調理器具は、部品交換などで思わぬ金額になってしまう場合もあります。よほど愛着がある器具を除いて、新しいガス器具への買い替えをおこなう方が安全性は高いといえるでしょう。

【ガス器具とガスの種類の適合性をしっかりチェックして安全な利用を! 】
全国の都市ガス会社が13Aへの変換を進めていますが「P13A」といった高カロリーのプロパンガスとの混合系もあり、13Aであっても地域によっては統一されていない場合があります。ガス機器には必ず使用するガスの種類の記載があり、メーターにも表示されているため、選ぶ際には必ずチェックしましょう。企画の合わないガスとガス器具は、重大な事故につながります。特にLPガスから都市ガスへの変更の場合には、使用前に必ずガス会社に確認・点検をしてもらい、安全な利用を心がけてください。

ガス自由化による影響は?

2017年4月1日に都市ガスの自由化がスタートしました。ガス自由化によって変わることを以下で解説します。

【自由化で変わること】
・自由にガス会社を選べる
従来は、居住地域によって大手のガス会社の管轄が決められていました。自由化によって、エリアに埋設されたガス管は、すべてのガス会社が共同利用となるため、エリア外のガス会社でも自由に選ぶことができます。

・さまざまなサービスの選択肢が増える
自由化によって1つのエリアで複数のガス会社が競争することになるため、さまざまなサービスや料金プランが生まれています。公開された各社の料金プランには、設備によるお得なプランなども用意されますが、設備やガス器具によって割引率が細かく分かれている場合も多いです。特にガス料金が多くかかる器具が割引対象かどうかなどもチェックしておきましょう。

・契約ガス会社によるガス機器の点検
これまでは、エリアのガス会社がおこなっていた室内のガス機器の点検を、契約したガス会社がおこなうことになります。

・13Aへの統一が進む
都市ガスの自由化によってガスを販売する会社が同じラインを共有することになります。そのためには同じガス種である必要があるため、12Aの地域でも現在主流になっている13Aへの統一が進むと考えられています。

【自由化で変わらないこと】
・ガスの安全性
ガスを取り扱うには、「ガス事業法」という法律を遵守しなければなりません。そのため乗換によってガスの品質が劣化する心配はありません。ガス自由化後はすべての会社がガス管を「共有」するため、保有するガス会社は従来以上に厳格な安全性や管理体制を取っています。共有のガス管で異種のガスを配給することはありませんから、ガス器具も従来のものをそのまま使えます。

・新たなガス管の必要はない
ガス管が共同ですから、使っていたガス管をそのまま使うことが可能です。他社に乗換える場合は3,000円程の契約事務手数料がかかる以外、工事費も必要ありません。

・ガス管のメンテナンスや緊急時対応は引き続きエリアの導管部門がおこなう
自由化後も、地域の安全なガス配給のためにガス管のメンテナンスは保有するガス会社の導管部門が責任を持っておこないます。これは自由化後もガスの保安規制にのっとったものです。

まとめ

転居などでエリアが変わる場合には、古いガス器具の場合は12A、13Aの調整が必要な場合があります。そのためガスと器具の適合性を入念にチェックして、安全に使うことが求められます。また都市ガスの自由化によって、12Aの地域でも今後13Aへの統一がされていくでしょう。

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