都市ガスとプロパンガスって何が違うの?それぞれの特徴と家まで届く仕組みを解説!

私たちの生活に欠かせないガス。普段はそれほど意識せずに使っているかもしれませんが、各家庭で使われているガスには、主に2つの種類があることをご存知でしょうか? 一般の家庭では、地中の配管などを通して運ばれる都市ガスか、ガスボンベを設置して供給されるプロパンガスのどちらかが使用されています。今回は、都市ガスとプロパンガスの違いと各家庭に供給される仕組みについてご紹介します。

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都市ガスとプロパンガス、成分や特徴はどう違う?

まずは都市ガスとプロパンガス、それぞれの成分と特徴についてご紹介します。

【都市ガス】
都市ガスの主な成分はメタンです。液化天然ガスやナフサを原料に作られ、空気よりも軽く、常温では液化しにくい特徴があります。そのため、都市ガスのガス漏れ警報器は天井付近に設置されます。

また、都市ガスは、供給するガス事業者によって種類が異なり、都市ガスの種類によって標準発熱量にも差が出てきます。現在主流なのは「13A」と呼ばれるタイプで、標準発熱量は10,000~15,000kcalです。東京ガス、大阪ガス、東邦ガスなどの主要ガス事業者を含む全国の都市ガス事業者がもっとも多く取り扱っており、都市ガス全体の約90%はこの種類になります。

続いて「12A」と呼ばれるタイプの都市ガスが多く扱われており、標準発熱量は9,070~11,000kcalとなります。そのほかには「6A」「5C」「L1」「L2」「L3」といったタイプの都市ガスがごく一部のガス事業者により供給されていますが、標準発熱量が3,600~7,000kcalと低いため最近では「13A」へと転換が進んでおり、現在ではほとんど使われなくなりました。

このように、都市ガスにはいくつか種類があるので、都市ガスの供給事業者が変わると、ガスコンロなどのガス設備が使えなくなるケースがあることに注意が必要です。

【プロパンガス】
プロパンガスの主な成分は、プロパンやブタンです。液化石油ガスを原料として作られ、空気よりも重く、常温でも圧力をかけることで比較的容易に液化することができます。空気より重いことから、プロパンガスの場合は、ガス漏れ警報器は床付近に設置されています。

また、圧力をかけて液化することで体積を250分の1まで減らすことができるので、ガスボンベにより供給されるのがプロパンガスの大きな特徴です。さらに、都市ガスとは異なり、プロパンガスは全国で規格が統一されているので、プロパンガス事業者を変更しても、ガスコンロなどの設備はそのまま使用することができます。

加えて、プロパンガスの標準発熱量は24,000kcalと高く、都市ガスの2倍以上あることから、火力が必要とする飲食店などで多く用いられています。

都市ガスの採掘から配給までの流れ

都市ガスの原料となる天然ガスは、地中の深い場所にある岩石の中に含まれています。この岩石に含まれる天然ガスが地下にたまっている場所に、井戸を掘り採掘します。

採掘には「リグ」と呼ばれる大きなやぐらやポンプを備えた設備が必要で、大きなドリルで天然ガスがたまっている地下深くまで掘り進み、パイプを通して天然ガスを採掘します。採掘された天然ガスは、プラントという設備で水や炭酸ガス、砂などの余分なものを取り除き、精製されます。

こうして精製された天然ガスはパイプラインなどにより運ばれますが、日本では都市ガスとして利用される天然ガスの約90%を輸入によって賄っているので、海外で採掘された天然ガスを-162℃まで冷却し、特殊なタンカーで国内に運び入れています。輸入された天然ガスは再び気体に戻され、地中のガス管を通して各家庭に配給されます。

プロパンガスの採掘から配給までの流れ

プロパンガスの原料となる液化石油ガスは、天然ガス田や油田から採取できるほか、原油を精製する際にも発生します。

プロパンガスは天然ガス田や油田の内部にメタンガスやエタンガスなどと混じった状態で存在しているので、プラントによりプロパンガスとブタンガスをほかの気体と分離してから回収し、さらに不純物を取り除いて精製されます。

天然ガスと同様、プロパンガスも約75%と多くの割合を海外からの輸入で賄っています。そして、残りの25%は、国内に輸入された原油を精製する過程で作られています。

プロパンガスと都市ガスとの最も大きな違いは、ガスを届ける仕組みです。プロパンガスの場合はガスボンベにより運搬し、プロパンガス事業者が各家庭までボンベを運んで設置したあと、そこからそれぞれの家庭まで届けられています。

まとめ

ここまで、都市ガスとプロパンガスとの違いと、各家庭に供給される仕組みについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? 普段なにげなく使っているガスですが、日本の場合、その多くは海外からの輸入に頼っているのが現状です。都市ガスもプロパンガスも、地中から採掘される大切な資源です。限られた地球資源であることを意識しながら利用したいですね。

また、天然ガス(都市ガス)とプロパンガスではその特徴も大きく異なります。ガス自由化にともなって事業者を変更する際は、安全にガスを使用するためにも、必ずご自宅のガスがどちらなのか確認するようにしてください。

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