〔青豆ハウス〕が教えてくれる人と人がつながる暮らし方

東京都練馬区、平和台駅近くにある集合住宅、〔青豆ハウス〕をご存知ですか? 現代住宅の閉じられたイメージを覆す、シェアハウスのような一面を持った集合住宅です。広い共用スペースで入居者同士が交流したり、地域の人々も交えたイベントを敷地内で開催するなど、今までにないオープンな空間。目の前には区民農園があり、練馬区らしく緑に囲まれた空間となっています。今回はそんな憧れの暮らしについてご紹介します。

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「育つ家」をつくる

目の前に広がる畑、地平線まで伸びる民家、その上には大空が広がっています。そんな美しい環境に囲まれた青豆ハウスのコンセプトは、「育つ家」。

「経年劣化」という言葉もあるように、従来、家とは経年により価値が下がっていくものとして捉えられてきました。しかし、青豆ハウスが目指すビジョンは、時がたつにつれてより愛着が増していく、パートナーのような家。内装の仕上げにも経年により味が出てくるような素材を使用しているのだそうです。大家さんや入居者、地域の人々と一緒に、自主的に「育っていく」。青豆ハウスではそんな空間作りが行われています。

そんな青豆ハウスに住む人々は、単なる入居者ではなく「当事者」として、すでにある住居にただ住むのではなく、青豆ハウスというプロジェクトに参加する仲間の一人のように家をつくりあげてきました。共用スペースや敷地内の緑の管理なども入居者が行い、理想とする空間を自ら育てています。

このように入居者を「当事者」へと変えていく試みは、住宅の完成前から行われていました。たとえば壁の色やキッチンのタイル。これらも各世帯が自由に選ぶというシステムに。さらに壁の色に関しては、調色から塗る作業までセルフで行います。

とくにユニークなのは、その施工を入居者全員で行う会を設けたという点。皆で集まり、ひとつの家を育てていく機会を共有することによって、入居前からすでに密なコミュニティがつくり上げられていきました。


境界線をボカしてコミュニティをつくっていく

多くの賃貸物件・集合住宅などで重要視されているポイントと言えば、プライバシーとセキュリティー。家の様子が外に一切知られないような、まさに閉じられた空間となっている場合がほとんどです。しかし、青豆ハウスは世帯同士の境界線があえて曖昧になるようにつくられています。

たとえば1階にある広い共用庭には手作りのピザ釜が置かれており、入居者たちが不定期に集まりコミュニケーションをとっているのだそう。

また2階にある玄関は、全8戸とも建物の中心に向けて設置。中心にある共用テラスからそれぞれの家に帰っていくような設計です。また、テラスに面する各戸の壁はガラスが多用されており、なんと共用スペースから家の様子が見えるつくりになっています。

というのも、2階部分にあるのはリビングおよびダイニングキッチン。ある程度外へと開かれた場所であってもいいという考えに基づいた設計です。一見、驚いてしまうようなつくりですが、昔の日本家屋を考えると土間や茶の間が外との接点となっているのは普通のこと。青豆ハウスの設計は、本来の日本でのコミュニケーションのあり方を再現しているとも言えます。

さらに玄関前の共用テラスに関しても、単なる「通過点」となってしまわないようにかなり広いスペースがとられています。床には段差がついており、座ってくつろぐことも可能。玄関先で一息ついていたら、それを見かけたお向かいさんも家から出てきて話し込む、というような関係性がつくられていきます。

外へと開かれた空間

境界線がボカされているのは、入居者間のみに留まりません。青豆ハウスには敷地内外を区切る塀がなく、常に地域へ開かれた状態となっています。

座れる設計の玄関先は、地域の人々の憩いの場としても活用されていることも。また、物件の完成前から地域の人々を招いたイベントも行われており、たくさんの人が愛着をもつ場所になっています。

青豆ハウスでは他にも、施工の状況やイベントの様子などをブログなどで世の中に発信するなど、外界とのつながりをつくる試みがなされてきました。その際、ロゴやキャッチコピーにもこだわり、ひとつの大きなプロジェクトとして多くの人を巻き込みながらできあがっていきました。人が暮らし始めて4年経った今でも、入居者の皆さんの手によってブログが更新され続けています。

青豆ハウスを構成するのは、3層構造になった8つの部屋。植物がらせんを描きながら上へ伸びていく姿のようです。まさに青豆ハウスのコンセプトである、人々の生活が、大地から空に向かって育っていくイメージを体現しています。

人と家、地域が一緒に育っていく場所。垣根を作りすぎず、穏やかなコミュニティを築いていける環境。今の社会がもっとも必要としている、暖かみを青豆ハウスから学ぶことができます。

隣人との距離に隔たりが生まれがちな世の中だからこそ、あらためて暮らしのあり方を見直してみませんか?

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