子どもも飲みたくなるお茶を目指して。伊藤園《氷水出し緑茶》の開発ストーリー

お茶はお湯で入れるもの。そんな“当たり前”といえるイメージを見事にくつがえし、水どころか氷水で作った〔伊藤園〕の《氷水出し 抹茶入り お〜いお茶》が今、大人から子どもまで飲みたがるおいしいお茶として、ファミリー層に人気です。氷水出し緑茶の開発者の方に、その秘密とおいしい飲み方を教えていただきました。

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子どものお茶ぎらいは氷水出しで軽減

氷水出し緑茶を企画・開発したのは、〔伊藤園〕のマーケティング部で緑茶・紅茶飲料ブランドを担当する相澤治さん。伊藤園ティーテイスター1級の持ち主です。

——氷水出し緑茶が子どもにも人気となった理由はなんですか?

相澤治さん(以下、相澤さん):低温でお茶を入れると、苦みや渋みが出にくく、あまみが前に出るので、苦みが理由でお茶を飲まないお子さんでも、飲みやすいのだと思います。

——どうして低温だと苦みや渋みを感じにくいのでしょうか。

相澤さん:お茶の味には、あまみと渋みと苦みがあります。このうち、あまみの成分であるアミノ酸は、水で入れてもお湯で入れても茶葉から出てくるのですが、苦み成分のカフェインと、渋み成分のカテキンは、ある程度の高い温度でないと出てこないんです。

——なるほど! その仕組みを利用して作ったから、苦さを感じないんですね。

相澤さん:そうなんです。さらに抹茶を加えることで、より甘みを引きたたせ、美しい緑色が実現しました。

お茶嫌いなわが子にもお茶を好きになってもらいたかった

——それにしても、氷水でお茶を入れるなんて普通は考えないと思います。その発想はどうやって浮かんだのでしょうか。

相澤さん:マーケティングの一環で、ティーテイスターとしてスーパーの売り場に立っておいしいお茶の入れ方などのデモンストレーションをすることがあるんです。スーパーなので、お子さん連れのお客様も多い。そこで、お子さんも飲みやすいように氷水出しのお茶を提供したところ、みなさんビックリした顔でおいしいって言ってくださったんです。「これはもしや、お茶を飲まないわが子も喜ぶかも!?」と、私の子どもに飲ませたら、おいしいって。「これは商品化したら売れるぞ!」と思い、すぐに会議で企画提案しました。

——長年、現場でお茶に携わっている相澤さんならではのひらめきですね。

相澤さん:実は他の社員にもお茶を飲めない子どもが以前はいたんです。理由はやはり、苦いから。ところが氷水出し緑茶ができてからは、おいしいと言って飲むようになりました。お茶は日本食に合いますし、健康的な飲み物ですから、お子さんが飲んでくれるのはうれしいですね。

——実際に氷水出し緑茶をいただいてみると、本当に苦くなく、甘みが印象的でおいしい! 後からだしのようなあまみが余韻になって残り、高級茶をいただいている気分です。

氷水を入れて3分でおいしいお茶に

——この甘みが引き立つおいしさは、茶葉やティーバッグを購入して自宅で入れてもこうなるのかが気になります。せっかくなので、おいしく作る方法を教えてください。

相澤さん:急須で2〜3杯を入れる場合、茶葉は6g。お湯で入れるときの約1,5倍です。そこへ、水と氷を入れます。3分待ったら飲みごろです。

最後の1滴にも旨みがあるので余さず入れましょう。

——たった3分! それなら、飲みたいときにすぐ飲めて便利です。

相澤さん:いま話題の水出し用のボトルは、注ぎ口に茶葉を入れるフィルターが付いているので作り置きに便利ですよ。寝る前に作っておけば、翌朝にスッキリとした甘みの緑茶を楽しめます。

氷水出し用のオリジナル茶葉を開発

相澤さん:《氷水出し 抹茶入り お〜いお茶》は、氷水出しの甘い味わいと抹茶のきれいな色のために契約農家様と一緒に原料から作っているんです。茶葉は、渋みを抑えて甘みを引き立てるため、カテキンが生成しにくいよう日光を遮る「かぶせ茶」を主体に使用しています。11月に発売する商品では、春に採れた旨み豊かな一番茶をじっくりと寝かせ、晩秋の訪れとともに封切りした、口切り抹茶を使用しました。春の採れたて一番茶はまだシャープな味。秋まで寝かせることで、味に丸みが出てくるんです。

——手間をかけて作られていることがわかると、さらにおいしく感じるから不思議ですね。

相澤さん:実は、「氷水出し」とうたっていますが、ホットでもおいしいんですよ。

——氷水出し緑茶をホットにする!? えっと、一度は氷水でお茶を入れて、それを温めて……それなら最初からお湯で入れればいいんじゃ……うーん、混乱してきました!

相澤さん:お湯出しではできない、氷水出しならではの甘み引き立ったお茶をホットでいただく、ということですね。

——なるほど、理解できました。氷水出し特有の、苦みや渋みがなく甘さの引き立つ味わいをホットにすると、お湯出し用とは異なる味わいが楽しめるんですね。たしかに、お湯で入れたときとは違う、甘みを持ったやわらかな香りを楽しめ、気持ちまでほんわかと温かくなりました。

ティーマニアたちの氷水出し緑茶アレンジ方法

相澤さん:SNS上で、みなさんのさまざまなオリジナルレシピを見ていると、例えば氷の代わりに凍らせたイチゴやブドウなどのフルーツを使ってフレーバーティーにされていたり、ゼリーにされたり、アイデア豊富で勉強になります。

——フローズンフルーツと氷水出しのお茶の組み合わせは、見た目がキレイで写真映えも良さそう。氷水出し緑茶のゼリーは、ヘルシーな子どものおやつとしても使えそうです。相澤さんのおすすめアレンジ方法はありますか?

相澤さん:氷水出しをしたお茶の葉には、まだカフェインやカテキンが残っていますので、朝の1煎目は氷水出しで、昼はお湯で2煎目を入れて異なる味を楽しむいただき方はいかがでしょうか。

——それ、いちばん簡単でクールです! さっそく試してみることにします。


●ライター 力武亜矢
●カメラ 柏木鈴代

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