「もしも」の時に役に立つ災害メシ!洗い物ゼロのトマトカレーとフライパン炊飯

地震や災害に備えて防災グッズを揃えたり、缶詰などの保存食を備蓄されているご家庭も多いと思います。それでも実は意外と見逃しているのが「食」なのです。今回は洗い物を出さずにフライパンで作れるカレーと炒飯をご紹介します。どちらも作り方は簡単ですよ!

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被災してみて実感した、食の重要性

Photo by 木村幸子

震災にあったとしても「救援物資で食べ物が届くから、缶詰や乾パンでそれまでしのげば大丈夫」と思っている人もいるのでは。

私は関西出身なので、阪神淡路大震災で多数の友人や知人がその渦中に巻き込まれました。地区によっては行政からの食料が届きだしたのは6日目以降の地区も多く、それまで個々で食べ繋ぐことになったので精神的にも肉体的にも大変な苦労したのです。

配給がなされても、避難所生活での食事が長引くと栄養のバランスが崩れてしまいます。便秘や、お子様の精神面が不安定になったり、風邪が治りにくくなったり……。避難所生活のストレスの中で、「食」だが体だけではなく心の支えにもなるため、おいしいと思える食事、栄養のある食事は震災時でもとても大切なものになります。

ガスが使えない、水が使えない、電気がこない……などさまざまな状況が考えうるのですが、今回は貴重な水をできるだけ使わず、洗い物が(お皿に移さなければ)ゼロになる、乾物と根菜を使用したトマトカレーをご紹介します。また、添えるご飯も時短になるフライパンでの炊飯方法もご紹介します。アウトドアでも使えるので、ぜひ試してくださいね。

トマトカレーの材料とレシピ

木村幸子

今回カレーで使う材料は、震災時にはお肉などの動物性たんぱく質が取れないため、豆類や焼き麩などを使用して補っています。

トマトカレーの材料(約2人分)

・トマト(カット)缶……1/2缶(約200g)
・玉ねぎ……1/4個
・にんじん……1/3本
・にんにく……1片(チューブでも可)
・ミックスビーンズ缶……1/2缶(約60g)
・米粉……小さじ1(無くても可)
・カレー粉……小さじ1〜2
・コンソメキューブ……1/2個
・塩、胡椒……少々
・焼き麩……6g

●フライパン炊飯
米(無洗米)……2合
水……440ml

1. まな板の上にクッキングシートを敷いて玉ねぎは薄切り、にんじんは薄くスライスして半月切り、にんにくはみじん切りに。包丁は事前にウエットティッシュなどでふいた後、キッチン用のアルコールをかけます。まな板を洗わないようにクッキングシートを敷くことで洗い物がなくなります。

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2. 人数分のお椀やボウルにポリ袋を入れます。

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3. 2に1とミックスビーンズを半量ずつ入れます。

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4. トマト缶を半量ずつ入れ、コンソメキューブを砕いて入れます。

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5. 米粉とカレー粉を半量ずつ入れます。小さじがない場合は、ペットボトルのキャップを使用すると良いです。キャップ1杯が小さじ1杯と同じくらいの量になります。今回、米粉を使用しているのはとろみづけのためなので、米粉がなければ省いても大丈夫。カレー粉の量はお好みで。お子様がいる場合は少な目がおすすめ。

Photo by 木村幸子
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6. 焼き麩と塩、胡椒を入れてビニールの中を手でよく揉み込み、ビニールをしっかりとねじって縛ります。通常、焼き麩は水に浸して戻して、絞ってから使用しますが煮ている間に戻るので今回は不要です。

Photo by 木村幸子

7. たっぷりのお湯を沸かし、その中に6を入れて約20分ゆでます。お湯はどれだけ沸騰しても100度以上になりません。ポリ袋を「高密度ポリエチレン」と表記されているものを使用すれば、耐熱温度も高めで袋の成分が溶け出しません。また20分火を沸かし続ける必要もありません。

沸いたら火を止めて、10分ほど置いてまた沸かして火を止めるというのを繰り返すと湯が高い温度のまま保たれます。ポリ袋に入れてゆでることで、他の料理も並行してゆでることができ、洗い物をする必要がなくなります。

Photo by 木村幸子

8. 全体に火が通ったら、器にビニールごと入れます。本当に水が貴重なときはお皿によそわずにこのまま食べることで、洗い物がなくなります。

Photo by 木村幸子

フライパン炊飯の手順

1. 30分浸水させて水気を切った米をフライパンに入れます。水を入れて蓋をし、強火に5分かけます。

Photo by 木村幸子
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2. 画像のように沸騰したら、引き続き蓋をして中火に5分かけます。

Photo by 木村幸子

3. 水分がなくなって、お米の良い香りがしたら炊き上がり。このまま蓋をして10〜15分蒸らして。

Photo by 木村幸子

トマトカレーのレシピのポイント

Photo by 木村幸子

カレーは、火加減や入れている量、野菜の切り方などによって茹で時間が変わってきます。袋の上から触ってみて柔らかくなっているか確認してくださいね。トマト缶によって酸味が違うので、酸味が強いようなら少量の蜂蜜を加えるのもおすすめ。お肉は入っていませんが、焼き麩やミックスビーンズに弾力があり食べ応えたっぷりなので、物足りなさはありません。

洗い物が本当に出ないので、とっても気楽です。アウトドアにもぜひ使ってみてください。もちろん、お肉を入れての調理も可能ですよ。

今回はカレーにしましたが、同じ要領で煮物やスープなども作ることができます。もしものための知識として、ぜひ1度家族で作ってみていただけたらと思います。

●ライター 木村幸子(きむらさちこ)
料理家。洋菓子研究家。青山にて「洋菓子教室トロワ・スール」主宰。店舗や企業のレシピ・商品開発、TV・雑誌の監修・出演のほか、グルテンフリーや糖質オフ、はちみつを使用した体に優しい料理のレシピ開発実績多数。2012年2月に「最大のチョコレートキャンディーの彫刻」の分野にて、ギネス世界記録のお菓子の製作、世界記録と認定。著書『憧れのゴージャスチョコレシピ』他多数。
Instagramアカウント  trois_soeurs

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