たまに通勤に使うならOK?自動車保険の使用目的と保険料の関係

週末アウトドアグッズを満載してキャンプ場へ。雨の日に子供を学校まで送り迎え。サンプルの商品を積んで得意先訪問……。ひとくちに自動車の運転といっても、その使用する目的は人によってさまざまです。また同じ人でも平日と週末では使い方が変わることもあります。

自動車保険を契約する時に「お車をお使いの目的は主に通勤・通学ですか?それとも日常・レジャー用途ですか?」と車の使用目的を聞かれたことがあるのではないでしょうか。それは車の使用目的と保険料には密接な関係があるからなのです。

今回は、自動車保険の使用目的について解説し、「雨の日は通勤でも使うんだけど、日常・レジャーじゃだめなの?」「最近仕事でも車を使うようになったんだけど、保険会社に伝えなきゃだめかな?」といった疑問に答えていきます。この記事を読めば、自信をもって自動車保険の使用目的を答えられるようになりますよ。

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通勤など「使用目的」で自動車保険の保険料は変化する?

自動車保険はリスクが高くなるほど保険料も高くなるように設計されているもの。リスクは「車に乗る頻度が高い」「車の走行距離が多い」ことから判断され、保険料は「業務>通勤・通学>日常・レジャー」の用途の順で安くなっていきます。業務、通勤・通学、日常・レジャーといった使用目的は、この頻度と走行距離を表しています。まずはそれぞれの使用目的を確認していきましょう。

業務とは?

業務とは車なしでは仕事ができない状態を指します。営業回りで車を使用したり、得意先に商品を届けたりする場合がこれに当たります。ただ運送業者、宅配業者などの場合はそもそもノンフリート契約ができない可能性もあります(フリート契約という特別な契約を結びます)。

通勤・通学とは?

通勤・通学とは自動車を使って会社や学校に通うことを指します。ここで注意が必要なのは、「幼稚園」は学校に含まれるものの、「保育園」は含まれないということです。学校教育法などの法律では幼稚園、小学校、中学校などを「学校」と定義していますが、保育園はその中に含まれません。そのため保育園に子供を送迎しても通学に車を使用しているとはみなされません。


では会社や学校への送迎は通勤・通学に含まれるのでしょうか。この点については、車を運転して「自分が」会社や学校へ行くことのみを通勤・通学であるとする保険会社と、会社や学校まで「家族を」送り迎えすることも通勤・通学であるとする保険会社に分かれています。自動車保険を契約する時はこの点をしっかりと確認してください。

日常・レジャーとは?

業務や通勤・通学に当てはまらない場合は、日常・レジャー目的と分類されます。平日はあまり車を運転せず、週末に出掛ける時に運転をするイメージです。例えば、子供の部活やスポーツ活動の時に近所の子供も含めて送迎することがあると思いますが、業務にも通勤・通学にも当てはまらないので、この場合は日常・レジャー目的ということになります。

プラスアルファ


この3つの分類以外に、使用目的のカテゴリーを業務用・家庭用の2つに分け、後は年間の走行距離によって保険料を決める会社もあります。通勤・通学に車を使うが、会社や学校への距離は近いので年間走行距離は短いといった場合、通常の自動車保険より保険料が安くなる可能性があります。

自動車保険における「通勤」の判断基準は、年間で平均して月15日以上であるかどうか

その使用目的が業務に当たるのか、通勤・通学に当たるのかなどは、どのくらいの頻度でその目的で使用するかで判断されます。その基準は年間で平均して月15日以上使用しているかどうかです。

例えば週4日のパートに車で通っている場合、月間では16日以上になりますから、通勤・通学に該当します。月に数回、お客様に頼まれて自宅まで商品を届けているケースは月15日以下なので業務には当たりません。

同様に、雨の日だけは車で会社・学校へ通っているというケースも、年間平均で月15日以上も雨は降りませんから、通勤・通学に当たりません。

使用目的を通勤・通学にしたとき、自動車保険で休日の事故は保障される?

平日の通勤・通学を使用目的とした場合、休日の事故が保障されるのかどうか心配になる方もいますよね。結論から言うと、これはしっかりと保障されます。

先ほど、保険料は「業務>通勤・通学>日常・レジャー」の順で安くなっていくと説明しましたが、これはリスクが高い順番でもあります。事故を起こすリスクが一番高い業務目的は、保険料も一番高いわけですが、一番高いリスクを保障しているのですから下位の通勤・通学や日常・レジャー目的も保障に含まれているのです。

したがって通勤・通学目的には日常・レジャー目的も含まれていますから、休日の事故もしっかりと保障されるというわけです。

使用目的は正直に申告するべき?嘘をつくとどうなる?

例えば、日常・レジャー目的で自動車保険を契約し、契約当初からほぼ毎日通勤・通学で車を運転して事故を起こした場合、保険で保障されるのでしょうか。これは、保障されない可能性が高いといえます。各保険会社では自動車保険の約款で、以下のような事項を契約時に「告知」するよう規定しています。

・記名被保険者名
・車両番号や型式
・使用目的
・他の現存契約の有無
・前保険期間や契約内容
・前年における事故状況

これらの事項は保険会社が契約者・被保険者のリスク度合いを判定するために重要な事項です。そのため、これらの事項について虚偽の告知をすると「告知義務違反」とみなされ、約款に定められたところにより、保険金が支払われないばかりか契約解除となる可能性もあります。先程の「年間を平均して月15日以上」という基準に照らし、正しく告知する必要があるのです。

自動車保を契約した後に使用目的が変わったら、契約内容を変更するべき?

自動車保険を契約した時はほぼ週末しか運転せず、日常・レジャー目的で告知したものの、契約の途中で就職し、毎日車で通勤するようになった場合はどうでしょう。

この場合、速やかに保険会社に使用目的が変わったことを伝え、契約変更をする必要があります。各保険会社では上記告知義務と同様に、「契約内容が代わり、リスクが増加する場合」には速やかに保険会社にその変更を伝えることを義務付けており、これを「通知義務」といいます。この通知義務に反すると、上記告知義務違反と同様に契約解除や保険金が支払われないといった事態となってしまいます。

使用目的が変わり、契約変更をすると保険料が途中で上がってしまう可能性がありますが、万が一の時に保険金が支払われないのでは契約している意味がありません。必ず通知して契約変更をするようにしましょう。

使用目的はどうやって確認されるの?

正確に告知・通知するべき使用目的ですが、万が一間違って告知・通知していた場合、どうやって確認されるのでしょうか。

通常、事故を起こしてしまった場合は保険会社や代理店に電話などで連絡をとりますよね。すると後日担当者から連絡が入り、事故の状況、内容などを詳しくヒアリングされます。ここで日常・レジャー目的で契約していたのに、「仕事中に運転していて事故を起こした」となれば、日常的に仕事で車を運転していたのか、それは月にどれくらいの割合かなどと調べが進みます。

たとえここで「近所に買い物に行く時に事故を起こしました」と嘘をついても、警察の調書ですぐにバレてしまいますし、契約者の報告が怪しければ保険会社の調査員が勤務先などに問い合わせ、勤務状況やシフトまで調べ上げます。

相手は何千件、何万件の事故を扱っているプロです。契約者の嘘は簡単に見破られてしまうでしょう。やはり告知・通知は正しく行っておくべきなのです。

自動車保険は正しい使用目的で!

毎日通勤・通学で車を運転しているのに、日常・レジャー目的で告知して、万が一のときに保険金が支払われないのでは自動車保険に入っている意味がありません。一方、普段は週末近くのショッピングセンターに行く時に乗るくらいなのに、「雨の日は通勤にも使うから」といって通勤・通学目的で契約しては、保険料の無駄になります。

使用目的を正しく告知・通知すれば、適正な保険料で、確かな安心を得ることができます。自動車保険は正しく賢く、お得に使いましょう。

プロフィール

杉浦 直樹
AFP、FP2級。元歌舞伎役者のファイナンシャルプランナー。以前ソニー生命に勤務していたため保険商品に強い。JSA認定ソムリエの資格も持つ。

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