海岸沿いでも太陽光発電は設置できる?塩害の対策も紹介

電気代の節約になりメンテナンスも簡単なことから、太陽光発電は人気を増しています。住宅の規模や屋根の材質などによってそれぞれの家に適した製品を選ぶのが基本ですが、海岸沿いに住んでいる場合は、太陽光発電が受ける塩害についても考える必要があります。今回は、海岸沿いの家でも太陽光発電を設置することができるのか、その条件や対策などを詳しく紹介しましょう。

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海岸沿いで発生する塩害とは

塩害とは、海水の塩分を多く含んだ潮風によって、海岸沿いや周辺地域の農作物が育たなくなってしまったり、鉄・コンクリート製の建物が錆びてしまったり、金属が腐食してしまったりと、さまざまな被害を引き起こす現象です。海からの潮風だけでなく、津波などによる海水の遡上や、地中の塩分濃度の上昇なども原因として考えられます。

2011年3月に発生した東日本大震災で、多くの建物が津波による塩害を受けたことは記憶に新しいでしょう。建物のコンクリートに海水の塩分が浸透し、鉄筋部分まで到達すると、鉄筋の錆びや腐食の原因となります。場合によっては建物内部の鉄筋が2~3倍にまで膨れ、表面のコンクリートにひび割れが発生する可能性もあるため、見た目に変化がなくても油断はできません。

また、災害がなくても、沿岸付近には海からの潮風によって毎日のように塩分が運ばれます。塩害は自動車の錆びや洗濯物への塩分付着など、海岸沿いに住む人にとっては身近な問題でもあるのです。

太陽光発電も例外ではなく、海岸沿いでは実際に次のような塩害の被害が発生しています。

・太陽光パネルの内部にある配線が錆びてしまう
・太陽光発電を設置するための架台、フレームが錆び、腐食してしまう
・パワーコンディショナの内部が劣化してしまう
・パワーコンディショナの配線やネジ部分が錆びてしまう

塩害の被害を受けやすい立地での設置を検討している場合は、塩分が本体の内部に浸透しないよう密封したり、こまめにメンテナンスをしたりと、対策を取ることが重要です。

海岸沿いで太陽光発電ができない条件は?

塩害地域と呼ばれる塩害の被害を受けやすい地域では、塩害地域専用の太陽光パネルや付属品を使用することが一般的でした。しかし、研究や開発が進んだことで、現在では塩害地域でも利用できる一般地域用商品が数多く販売されています。

とは言え、すべての塩害地域で問題なく太陽光発電を設置できる訳ではありません。そこで、まずは海岸からの距離をもとに日本各地の塩害地域をチェックしてみましょう。

【北海道・東北日本海側】
500m以内/重塩害地域
500m~7km/塩害地域
7km以上/一般地域
※北海道は松前町~稚内市、東北日本海側は青森県東通村~山形県温海町となっています。

【瀬戸内海】
500m以内/重塩害地域
500m~1km/塩害地域
1km以上/一般地域

【沖縄・離島】
500m以内/重塩害地域
500m以上/塩害地域

【その他】
500m以内/重塩害地域
500m~2km/塩害地域
2km以上/一般地域

このように、地域ごとに海岸からの距離に応じて塩害地域や重塩害地域が定義されています。太陽光発電を取り扱うメーカーによっては扱いが異なる場合もありますが、多くの場合は重塩害地域での太陽光発電の設置はおこなっていません。

また、塩害地域であっても商品や土地によっては設置できないケースや、メーカーが指定したオプション商品を併用しなければならない場合もあります。上記の塩害地域にお住まいの方は、あらかじめメーカーや設置工事業者に確認しておくのが良いでしょう。

塩害への対策法は?

塩害地域に住んでいても、太陽光発電を設置したいと考える方はいるはずです。パナソニックや東芝などの大手メーカーは、塩害に強い優れた太陽光発電を取り扱っていますが、設置前には念のため周辺環境の調査をすることが望ましいでしょう。

事前調査は、太陽光発電の販売業者などに依頼することが一般的です。住宅の立地だけでなく、潮風が吹く方角や風の強さなど、各メーカーの基準に基づき細かく調査をおこないます。上述した塩害地域の定義では該当していなくても、調査の結果、メーカーの定義する塩害地域に含まれる可能性は否定できません。

また、太陽光発電を設置する際はメーカーや販売業者と相談し、塩害地域に適した商品を正しく選ぶことも大切です。パネル部分に耐久性や密封性があることはもちろん、次のようなポイントにも注意しておくと良いでしょう。

・太陽光パネルを構成する部品が、錆びに強い材質でできているか
・太陽光パネルを支える架台が、腐食や錆びに強い材質でできているか
・塩害に備えた品質試験を行っているか

さらに、事前調査や相談を依頼する場合には、周辺地域の風土に詳しい地元の業者を選ぶこともポイントです。季節によって風向きや風力が異なる場合もあるため、その土地に詳しい専門家に依頼することで、より適した商品を選ぶことができるのです。

まとめ

今回は、太陽光発電に影響を与える塩害と、その対策について紹介しました。技術の進歩により塩害地域でも設置できる製品が増えつつありますが、正しく製品を選ぶためには、あらかじめ調査を依頼することが大切です。専門家に相談しながら、地域や環境に合ったぴったりの太陽光発電を見つけてみてください。

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